カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
綿来師範 「では、始めから行くぞ! 構え!」 「いちっ!」 『せやっ』 「にっ!」 『せや、せやっ』 「さんっ!」 『せや、せやっ』 「しっ!」 『せやっ』 真剣に型を取って熱中する椿に対し、やり過ぎず・・・というよりは、丸で素人にも見える のんびりとした動きで身体を動かすこういち。 とても楽しそうに輪に溶け込んでいた。 ~ ~ ~ 綿来師範 「よぉ~し、今日はこれまでっ!」 『おすっ』 綿来師範 「お疲れ様。キミ達、よかったら明日も是非参加してくれたまえ。 我々は歓迎する。 少しでも多くの人達にこの拳法に触れてもらいたいのでね。」 こういち 「うん、ありがとう~☆ 是非そうさせてもらうよ。」 椿 勇姿 「あ、明日もって・・・ぉぃ・・・」 こういち 「楽しかった、じゃまた明日~♪」 (大きく手を振り、その場から去っていくこういち。) 椿 勇姿 「ありがとうございました。」 (一礼すると、慌ててこういちを追いかける椿。) 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「師範、あのオチビちゃんはともかく、もう一人の高校生はいい筋してましたね。」 綿来師範 「そうだな。 きっと柔道の世界では名だたるレベルまで昇つめた実力なのであろ う。すばらしい素質がある。 是非うちのクラブに入団して欲しい人材だな・・・。」 ~ 宿舎に戻った二人、 椿 勇姿 「こういち君、なぜ彼らと行動を共に?」 壁に寄りかかって座り、足を前に投げ出した姿勢の椿。 こういち 「ゆうすけからの指令・・・なんです。」 畳に足を大の字に広げて座り、柔軟体操をしながら応えるこういち。 椿 勇姿 「なんだって・・・ !? 」 こういち 「最近この地区に、格闘家に悪さする連中が出没していると・・・。」 椿 勇姿 「ぉぃぉぃ、聞いてないぞ・・・」 こういち 「彼らの中に入って、その時を待ちます。 そのために近づきました。」 椿 勇姿 「それって、警察の仕事じゃないのか・・・?」 こういち 「以前にも同様の事柄がありましたよね・・・。」 今度は足を曲げて腹筋運動を始めるこういち。 部屋の中央にあるテーブルを頭に添え た手で掴んでウエイト代わりにしながら・・・。 椿 勇姿 「あぁ、スペック-1の・・・」 こういち 「えぇ、それに国も目を付けて、念のためおいら達に依頼してきた・・・。」 椿 勇姿 「し、しかし、こんなに街中から離れているのに・・・」 椿は、そのテーブルの上にあぐらを組んで座ってみた。 こういち 「ゆうすけは、街中では目立つので、郊外で密かにたくらみを遂行し始めたのかもと 話してます。 それに、別件でここに到着したときに・・・。」 椿 勇姿 「スペック-1の[気]が・・・か。」 それでも何食わぬ顔で腹筋を続けるこういち。 椿の身体がテーブルごとあぐらを組んだまま上に下にと円弧に動く。 こういち 「はい。 やはりこの地では何かが起きてます。 国もゆうすけも対応は正しかったと 今は思ってます。 最初は半信半疑でしたが・・・。」 椿 勇姿 「なるほどな・・・。 しかしまたスペック-1かよ・・・。 参りましたね、そのしつこさには。」 こういち 「彼らに打ち解けるためにも・・・おいらは素人の姿でいきます。 その時はナンちゃ んと呼んで下さい。そして椿さん、しばらくは目立つ立場は椿さんでいて下さい。」 腹筋運動を止め掴む手を離し、テーブルを元の位置に戻したこういち。 椿 勇姿 「そうだな。 やつらの残党だとしたら、こういち君が目立つと警戒されてしまうし。 了解した。 やれやれ、せっかく風呂を浴びたばかりなのに、また汗をかいてしまった・・・。 もう一度風呂に行って来るか。」 タオル片手に部屋を出て行く椿。 こういち 「残党・・・かぁ・・・」 仰向けで目を瞑り、考え込むこういちであった。 ~~~ ~~~ ~~~ 居酒屋『華夢on』の店の中で夜分に突然、ゆうすけの携帯が鳴り響いた。 ピポ パポ ピポ ピポ~♪ ゆうすけ 『はい、S.F.F( Special Fighting Forces )ゆうすけです。 はい、 はい 分かりました。』 スウラン 「また任務か?」 ゆうすけ 「あぁ。 今度はビル爆破予告があったそうだ。 そしてそのビルでは火器類を所持し て中の人達を人質にした犯人が立てこもっているらしい・・・」 チーラン 「よし、町内最強戦隊 カズエ・クイーンズ 出動ってことだ。」 スウラン 「うんっ♪」 ゆうすけ 「ちょい待ち!」 スウラン 「なによぉ~~~。」 ゆうすけ 「今回は火器類、つまり銃器、そして爆発物も所持している可能性があるってこと・・・。 いつスイッチとかで爆破されるか分らないし・・・。 慎重に作戦練らないと、こちらも無傷って訳にはいかないよ・・・。」 リツコ 「さすがに私も拳銃の弾丸を避ける自信は無いわね・・・。」 チーラン 「爆発されたら・・・身体 もたない・・・。」 ゆうすけ 「姉さん・・・。」 リツコ 「そうね、姉さんかこういち君の出番って感じ。 でも、こういち君は別の任務中・・・。」 ゆうすけ 「先程、椿さんからメールが届きました。 やはり怪しい気配がプンプンとしてきました。」 和恵姉さん 「ってことは、やっぱ今回行くのは私よね~☆」 (とても嬉しそうに顔がにやける。) チーラン 「でも、チーラン、いく。」 スウラン 「スウランも。」 和恵姉さん 「私1人でいいわよ。」 チーラン 「でもいく。」 スウラン 「スウランも。」 リツコ 「今までと勝手が少し違うわ・・・。 防弾チョッキ着ればそれなりに活躍できる場面もあるかもしれないけど、それでも 危険すぎる。 でも、もしかしたら利江ちゃんの出動は有りかも。」 ゆうすけ 「はい。」 和恵姉さん 「リツコの保護下であれば、利江ちゃんにも出動してもらうわ。 同様に、チーランもスウランも・・・しかたないわね。」 チーラン / スウラン 『やったーーー♪』 ゆうすけ 「なんでこう危ないことに笑顔なのかね・・・。 作戦、しっかりと立てなきゃ。 まずは相手の状況、戦力、火力を調べないと。」 そこへ、 BU、BUーーーー! チーラン 「何、車が来たのか?」 (居酒屋『華夢on』の出入り口を見るチーラン。) -つづく- (全く、変な人達ですね) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月07日 13時43分45秒
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