カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
ゆうすけ ( ん・・・? 待てよ・・・、たとえばこのビルの騒ぎは "陽動" で、本当の目的は別の場所だとしたら !! ) 「小隊長! この付近の・・・このビルの立ち入り禁止地域の地図を下さいっ!」 利江 [どうしたの? 急に・・・] ゆうすけ [このビルの爆破予告、これは陽動で、ここに注意を引き付けておく間に、別のところに 本当の目的を持っている可能性もある。] 利江 ( 別のところに・・・かぁ・・・ ) ビルを眺めていた視線を、隣近所のビルに移す利江・・・。 すると、静けさの漂うビルの谷間に、なにか動く人影が・・・。 隣ビルの裏側の路地に一台の 車が路上駐車してあり、その付近を数人の人影が行ったり来たりを繰り返していた。 利江 [ゆうすけ君、隣のビル・・・] ゆうすけ [隣のビルがどうかしたの?] (地図が届き、ガサガサと広げているゆうすけ。) 利江 [うん、ビルの出口に車が停まっていて・・・人が何人も行き来してるの・・・。] ゆうすけ [何だって! 立入禁止なのにか・・・。 そのビルの名前は? えっと、一階の店舗の名前とか・・・] 利江 [え~っと、一階は・・・コンビニがあるビル。 その隣で。。。] ゆうすけ ( んと、コンビニ・・・・あった。 その隣・・・・ !!! ) 「宝石店っ! これだっ! これかもしれないっ!」 [姉さん、すぐに降りてきて下さいっ! 隣のビルの一階、宝石店で強盗かもしれないん ですっ! リツコさんにはそのまま上に向かって頂きますっ!] 和恵姉さん / リツコ [ラジャー♪] ( 何故か二人、嬉しそうな返事が返ってくる。 ) 和恵姉さん [ゆうすけ、ビルの外に1人 戦闘員の [気] 発見] ゆうすけ [外にっ !? ] 利江 ( 強盗・・・??? そういわれると、確かに大きな袋を担いできて、車に積んでいるよう にも見えるかな・・・・。) と、その時! パリーーン ガラスの割れる音がしたと思うと、爆破予告ビルの50階付近のガラスが飛び散り、黒い塊が飛び 出してきたのが見えたっ! 片足を伸ばし、もう一方の足は膝で曲げ、その曲げた方の腕の肘を体の前で曲げ、向かいのビル の下に向かって一直線っ! 和恵姉さん [ [気] が弱すぎて、スルーしてたけど何か持ち上げたのかな、 ちょっぴり強く出たから。] 利江 「やだお姉さま。。。 ドンピシャ♪」 そして・・・ \ボコンっ!/ それは、向かいのビルに横付けしてあったワンボック型の車両の屋根が突然、物が落ちて凹んだ 音であった。 盗賊団一味 『なんだっ!』 『何があった???』 荷物を担いでいた男達が、一斉に騒ぎだした。 ドーーン (続いて車の横が吹き飛び、穴が空いた。) その穴から、右足、続いて左足と艶かしい生脚が見えてきた。その脚の主は車から出てくると、 立ち止まり、青いチャイナのスリットからスッと足を横に出し、腰に手を当てていた。 和恵姉さん 「あら坊や達~♪ そんなところで荷物の配達かしら。。。」 目をパチクリ * . * * . * させたまま固まっている盗賊団の一味達・・・。 バサン と、担いでいた大きな袋が、手からスベリ落ちて地面に落下した。 盗賊指揮官 「どうかしたのか・・・?」 (ビルの裏口から出て来る親分。) 黒いスーツに身を包み、気取った蝶ネクタイをしている。白いYシャツが目を引くスタイルだ。 盗賊団一味 「こ、こいつが・・・・」 盗賊指揮官 「ほぅ、姉さん、あんたそこで何やってんだい。」 和恵姉さん 「ごめんなさいね、車、踏んじゃったの・・・。」 盗賊指揮官 「車を踏んだだと・・・? (運搬用に用意した車に目を向ける。) ぉぃ姉さん、なんてことしてくれんだよ。」 ~ ~ ~ リツコ [最上階展望室の入り口まできたわ。 踏み込むけどいいかしら?] ゆうすけ [リツコさん、ちょっと待ってて下さい。 姉さん、その袋の中身、盗品かどうか確認して下さい・・・。] ~ ~ ~ 和恵姉さん 「弁償しろっとでも言いたげね・・・。」 盗賊指揮官 「当たり前だ。 壊した物はちゃんと弁償するというのは、社会のルールだぜ・・・。」 和恵姉さん 「なら・・・、 ズボッ (落ちていた一つの袋を蹴り抜いた!) ゴスン ジャラジャラジャラ・・・ 蹴られた袋が、盗賊指揮官の頭の横を通過し、背中の壁にぶつかり、袋が破けた。 そして中身 が袋からごぼれ出し、床に散乱したのであった。 どぉ、それで弁償してあげるわよ。」 盗賊指揮官 ( なにっ、この重量を蹴り飛ばすだとっ! ) 「貴様・・・・なぜ中身を知っている!」 和恵姉さん 「だってここ、宝石屋さんじゃない。 ダイコンやキャベツを運び出すとは思えないわ。 他人の物・・・でしょ。 修理代ならそれで十分にお釣りが来ると思うけど♪」 盗賊指揮官 「横取りしようってんだな・・・。 そうはさせるか!」 和恵姉さん [決まりよ。] ゆうすけ [了解。 リツコさん、慎重に進めて下さい。] リツコ [了解~♪] >==ズボーーン 返答と同時に、非常階段の頑丈な扉が蹴り飛ばされたっ! ビル爆破予告犯人 「うわっ!」 突然の出来事に、固まる予告犯人達。 リツコは突入しながら、素早くフロアーの状況を判断した。 リツコ ( 犯人は3人。内、マシンガン持つのが2人、小型拳銃が一人・・・。 手にするスイッチは・・・・見当たらない・・・・ 衣服のどこかにしまってあるのかしら? 人質は、奥の隅っこに手足を縛られて固まっている・・・か。) 判断後、即マシンガンを持つ男に近づき、まずはその持つ腕に左のミドルキック、続けて その左足を左横に立つマシンガンを持つ二人目の男の腹にトントンと連続蹴りをお見舞い したっ! 空中に舞うマシンガン。 -つづく- (早々に立ち去ろうかしら) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月07日 13時48分57秒
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