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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2010年02月03日
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     ビュン ビュン ビュビュン ビュン ビュン

          ヒュン ヒュン ヒュヒュン ヒュン ヒュン


 『おっ、やるなぁ。。。』
               『すげーーぞーー、ねぇちゃん♪』

 突然のサプライズに、湧き上がる観客。 再び拍手喝采が湧き上がる。
 そして、

 『ハィーーっ!』  カンカン ビュっ カカンカンカン カンカンカン

 木棒の風を切る音に続き、木と木が激しくぶつかる音が響き渡る。
 
 『ハィ、ハィっ!』  ビュっ カンカン ビュっ カカンカン カンカンカン
 『ハッ、ハッっ! ハィーー!』  ビュっ カカンカン ビュっ カンカン カンカン

 『おぉぉ!』

 観衆の目には、本物を目の当たりにした感激と、この二人の少女の華麗なる棒さばきに驚きに満
 ちていた。 二人の動きに釘付けになる目線の数々。。。

清掃員の人
  「ほぅ~、本物中の本物だな。」

 ニンマリとして観衆の後ろに姿を消していった。
 そして、時折、観衆のどよめきが笑いに変わりはじめた。

チーラン
  「ハィっ、ハァ~ィ、ハイっ!」
    ビュっ カンカン ビュっ バシっ スゥ~~ダブルハート

スウラン
  「ハイ! ハッ  !?  (ダブルハートもぉ~) ハィ!」

 なんと、チーランは観客サービスで、スウランの腰下チャイナに棒先を引っ掛け、スリットを大
 きく開いたり、裾を上に持ち上げたりとイタズラも織り交ぜた演出を始めた♪

スウラン
  「ハイ! (ダブルハートあぁ~ん・・・) ハイ、ハイっ!」
チーラン
  「ハィっ、ハァ~ィ、 (ダブルハートうっ…) ハイっ!」  (仕返しをされた様だ。)

 『いいぞ~~♪』
           『もっと上まで~~♪』

 いつしか声援も変化を見せ、別物の大喝采が沸き起こっていたのだった。



  ~
    ~


椿 勇姿
  「ふぅ。。。 こういち君の練習はかなりハードなんだな・・・」

 近くのスキー場での朝練を終えて、宿舎に戻ってきた二人。
 椿は畳に大の字になってヘロヘロの様子・・・。

椿 勇姿
  「ここまで帰ってくるので精一杯だよ。」
こういち
  「つまり、まだまだ鍛え甲斐があるってことかも。。。」

 こういちは、入り口ドアから食堂の方を見ながら話した。

椿 勇姿
  「同じことなんか出来るわけないが、少しでも自分に負荷を掛けて行わないと・・・。
   にしてもこりゃキツイ・・・。」
こういち
  「朝ごはんが出来てるみたいだよ♪」  (室内に顔を向け)
椿 勇姿
  「そ、そうか・・・  (身体を起こそうとした椿、)
                       あいたたた・・・」

こういち
  「おいら、シャワー浴びてくるね。 それからご飯にしよう。」
    (タオルを肩に乗せ出て行く)
椿 勇姿
  「わ、私はこのまましばし体力の復活を待つことにするよ・・・」  バタン彡

 再び大の字に寝転ぶ椿であった。


~~~
  ~~~
    ~~~


ゆうすけ
  「やっぱり変だ・・・。」

とくさん
  「どうしたんです? さっきから考え事ばかりして。」

 久しぶりの 居酒屋 華夢 ON の店内。 今日は土曜日。 ゆうすけも顔を出していた。
 いつものように、イスに逆向きに座り、背もたれに両手を乗せてそこにアゴを乗せ、宙に浮く
 足をブラブラとさせながら。

和恵姉さん
  「昨夜の事で、不に落ちないらしいの・・・。」
ゆうすけ
  「どう見ても犯人の狙いが解らない・・・
   だってそうでしょう、爆破予告した時に何も要求してこない。犯行声明もだ・・・。

   それに宝石強盗が目的なら、なにも隣でやらなくても・・・。
   そして、何故爆破させたのか・・・そしてスイッチは誰が・・・?
   まるでスッキリとしませんよ・・・。」

美咲先生
  「ふぅ~ん。。。」  (横のテーブルで新聞を開いて読みながら。)

和恵姉さん
  「それにスペック-1が居たわよ。」 (カウンターのイスに座り、足を組みながら。)
リツコ
  「スペック-1は昔に売買された商品って可能性もあるわ。」
    (カウンター横に立ち、手を付きながら。)
美咲先生
  「この新聞には宝石ドロボーを捕まえて、人質が無事に戻ったって称えているわ、
   警察のこと。」
ゆうすけ
  「私が思うに、宝石強盗とビル爆破予告犯はたまたま近くで起こった別々の事件・・・
   じゃないかなって。 そうしないと次に話が進まないんです。」

和恵姉さん
  「別々ねぇ・・・」

ゆうすけ
  「だって、誰がスイッチ押したんでしょうか。 時限発火装置は考え辛いです。犯人自らその
   ビルに居たんですから。。。
   テロなら人質を取らずに一気に 爆弾ドカーーン炎 した方が人々の恐怖心も植え付けれる
   でしょ。
   それに爆破は宝石強盗が捕まった後です。」
和恵姉さん
  「確かに、掴まった後だったわ・・・。」
リツコ
  「最上階にいたビル爆破犯人4人は、みんな気絶してて、誰もスイッチなんて押してない。
   持ってた箱も小型のトランシーバー。 市販品でどこでも手に入るものだって報告が。」
ゆうすけ
  「小電力タイプだから、別の犯人が近くにいて連絡していたんでしょ。
   スイッチ押せる人が別に居たって証にもなりますね。」

美咲先生
  「じゃ~さ、その犯人はなんのタイミングでスイッチ押したの?
   この爆破の瞬間の写真見ると、爆弾は TNT-32 型ってところかしら。 小型で威力絶大!
   でもって持ち運びに便利。」
ゆうすけ
  「さっすが理科の先生、詳しいですね♪」
リツコ
  「見逃したって訳ね・・・。」
ゆうすけ
  「いえ、手すりのパイプを外して中に仕込み、また元通りにしていたり、事務机の引き出し
   とかに隠すのはわけないから。
   あの時は、まず見つけ易いものを短時間でチェックして頂いたので、仕方ありません。

   でも押すタイミングかぁ・・・」

和恵姉さん
  「リツコの足だから最上階に居たけど、自衛隊員ではそこまでたどり着けていないわね。」
リツコ
  「それに爆破は丁度真ん中ぐらい。 あれではビルの倒壊には至らない・・・。」
ゆうすけ
  「つまり、隊員を狙った訳でも倒壊を狙った訳でもない・・・。 別の理由が存在するっ
   てことですよ。  じゃ、なんの目的で爆破されたんでしょうか・・・。」

   ( 他にも犯人は居た・・・。 何かのタイミングか、必要性で爆破した・・・。
     くそ、まだぼんやりとしか背景が見えねぇ・・・何か胸騒ぎがする・・・。 )


   ~
      ~

チーラン
  「早くこういちの元に行くよ。」

 思いの他受けが良かったと見えて、見学料が想像よりも多く手に入り、念願のタクシーで移動
 していたチーランとスウラン。 その車窓から・・・・

スウラン
  「ねぇ、あれ・・・。」

 指差す先には、昨日こういちが同行した現場にあった正体不明の飛行物体が、いくつかに解体、
 され自衛隊車両の護衛の中、巨大なけん引車両で搬送されている姿だった。


   ~
      ~

 朝食を取った二人が民宿のおかみの薦めで、昨日出向いた近くにある猫苗代湖畔のほとりで、
 釣竿から糸を垂らし既に二時間、湖面に小さな波紋をそよがせていた。
 椿とこういちはTシャツにスエットの上下という軽装だ。

椿 勇姿
  「釣りなんて十年ぶりぐらいかな。。。 子供のころに、父に釣堀りに付き合わされて依頼
   だよ。」
こういち
  「釣堀かぁ・・・。 まさに釣って下さいってところでしょ?」
椿 勇姿
  「まぁそうだな。
   大きい自然の水槽に[ふな]などを放し飼いにしてあってね。 そこで・・・
   えぇっ !? 」

こういち
  「ほぃっと♪」  Vくぃっ!  ぴゅっ彡   ピン

 浮きが沈み、タイミングを合わせて竿を引く。
 竿の先が力強くしなり、糸がピンと張っている。
 湖面に潜るその糸が、右へ左へと遊び回っていた。
 徐々に近くに引き寄せ、掛かった魚が視界に入ってくる。 水面で暴れる魚を網ですくった。
 椿がしゃべる横で、こういちは早くも四匹目をゲット★

椿 勇姿
  「おぃおぃ、名人のようにスイスイと吊り上げるなぁ。」

                         バシャバシャ うお座雫

こういち
  「おいら、小さいころに修行していた時、よく釣りしてたの。 釣らないと食事が無くなる
   から真剣だったし・・・。 ゆうすけもうまいんだよ♪」
椿 勇姿
  「なるほどな。。。」
こういち
  「椿さん、それにこれって精神統一も鍛えられるし、魚の動きを察知する修行にもなるよ。」

椿 勇姿
  「魚の動き・・・?」

こういち
  「うん、釣り人ってさ、浮きの反応で状態を把握したりするみたいだけど、おいらは魚の
   小さい[気]も察知するのさ。
   いよいよ食いつくぞ! って時に、魚も気合はいるから。。。」
椿 勇姿
  「さ、魚の[気]をか・・・?  そ、そんなこと、出来るものなのか・・・・。」
こういち
  「慣れれば解ってくるよ。」


 そこへ・・・





                                   -つづく-




第4-381話 見えぬ企み -8 へ
 (寸止めしないで打ち込んじゃってもいいよ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月07日 13時55分19秒
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