カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
ビュン ビュン ビュビュン ビュン ビュン ヒュン ヒュン ヒュヒュン ヒュン ヒュン 『おっ、やるなぁ。。。』 『すげーーぞーー、ねぇちゃん♪』 突然のサプライズに、湧き上がる観客。 再び拍手喝采が湧き上がる。 そして、 『ハィーーっ!』 カンカン ビュっ カカンカンカン カンカンカン 木棒の風を切る音に続き、木と木が激しくぶつかる音が響き渡る。 『ハィ、ハィっ!』 ビュっ カンカン ビュっ カカンカン カンカンカン 『ハッ、ハッっ! ハィーー!』 ビュっ カカンカン ビュっ カンカン カンカン 『おぉぉ!』 観衆の目には、本物を目の当たりにした感激と、この二人の少女の華麗なる棒さばきに驚きに満 ちていた。 二人の動きに釘付けになる目線の数々。。。 清掃員の人 「ほぅ~、本物中の本物だな。」 ニンマリとして観衆の後ろに姿を消していった。 そして、時折、観衆のどよめきが笑いに変わりはじめた。 チーラン 「ハィっ、ハァ~ィ、ハイっ!」 ビュっ カンカン ビュっ バシっ スゥ~~ スウラン 「ハイ! ハッ !? (もぉ~) ハィ!」 なんと、チーランは観客サービスで、スウランの腰下チャイナに棒先を引っ掛け、スリットを大 きく開いたり、裾を上に持ち上げたりとイタズラも織り交ぜた演出を始めた♪ スウラン 「ハイ! (あぁ~ん・・・) ハイ、ハイっ!」 チーラン 「ハィっ、ハァ~ィ、 (うっ…) ハイっ!」 (仕返しをされた様だ。) 『いいぞ~~♪』 『もっと上まで~~♪』 いつしか声援も変化を見せ、別物の大喝采が沸き起こっていたのだった。 ~ ~ ~ 椿 勇姿 「ふぅ。。。 こういち君の練習はかなりハードなんだな・・・」 近くのスキー場での朝練を終えて、宿舎に戻ってきた二人。 椿は畳に大の字になってヘロヘロの様子・・・。 椿 勇姿 「ここまで帰ってくるので精一杯だよ。」 こういち 「つまり、まだまだ鍛え甲斐があるってことかも。。。」 こういちは、入り口ドアから食堂の方を見ながら話した。 椿 勇姿 「同じことなんか出来るわけないが、少しでも自分に負荷を掛けて行わないと・・・。 にしてもこりゃキツイ・・・。」 こういち 「朝ごはんが出来てるみたいだよ♪」 (室内に顔を向け) 椿 勇姿 「そ、そうか・・・ (身体を起こそうとした椿、) あいたたた・・・」 こういち 「おいら、シャワー浴びてくるね。 それからご飯にしよう。」 (タオルを肩に乗せ出て行く) 椿 勇姿 「わ、私はこのまましばし体力の復活を待つことにするよ・・・」 バタン彡 再び大の字に寝転ぶ椿であった。 ~~~ ~~~ ~~~ ゆうすけ 「やっぱり変だ・・・。」 とくさん 「どうしたんです? さっきから考え事ばかりして。」 久しぶりの 居酒屋 華夢 ON の店内。 今日は土曜日。 ゆうすけも顔を出していた。 いつものように、イスに逆向きに座り、背もたれに両手を乗せてそこにアゴを乗せ、宙に浮く 足をブラブラとさせながら。 和恵姉さん 「昨夜の事で、不に落ちないらしいの・・・。」 ゆうすけ 「どう見ても犯人の狙いが解らない・・・ だってそうでしょう、爆破予告した時に何も要求してこない。犯行声明もだ・・・。 それに宝石強盗が目的なら、なにも隣でやらなくても・・・。 そして、何故爆破させたのか・・・そしてスイッチは誰が・・・? まるでスッキリとしませんよ・・・。」 美咲先生 「ふぅ~ん。。。」 (横のテーブルで新聞を開いて読みながら。) 和恵姉さん 「それにスペック-1が居たわよ。」 (カウンターのイスに座り、足を組みながら。) リツコ 「スペック-1は昔に売買された商品って可能性もあるわ。」 (カウンター横に立ち、手を付きながら。) 美咲先生 「この新聞には宝石ドロボーを捕まえて、人質が無事に戻ったって称えているわ、 警察のこと。」 ゆうすけ 「私が思うに、宝石強盗とビル爆破予告犯はたまたま近くで起こった別々の事件・・・ じゃないかなって。 そうしないと次に話が進まないんです。」 和恵姉さん 「別々ねぇ・・・」 ゆうすけ 「だって、誰がスイッチ押したんでしょうか。 時限発火装置は考え辛いです。犯人自らその ビルに居たんですから。。。 テロなら人質を取らずに一気に ドカーーン した方が人々の恐怖心も植え付けれる でしょ。 それに爆破は宝石強盗が捕まった後です。」 和恵姉さん 「確かに、掴まった後だったわ・・・。」 リツコ 「最上階にいたビル爆破犯人4人は、みんな気絶してて、誰もスイッチなんて押してない。 持ってた箱も小型のトランシーバー。 市販品でどこでも手に入るものだって報告が。」 ゆうすけ 「小電力タイプだから、別の犯人が近くにいて連絡していたんでしょ。 スイッチ押せる人が別に居たって証にもなりますね。」 美咲先生 「じゃ~さ、その犯人はなんのタイミングでスイッチ押したの? この爆破の瞬間の写真見ると、爆弾は TNT-32 型ってところかしら。 小型で威力絶大! でもって持ち運びに便利。」 ゆうすけ 「さっすが理科の先生、詳しいですね♪」 リツコ 「見逃したって訳ね・・・。」 ゆうすけ 「いえ、手すりのパイプを外して中に仕込み、また元通りにしていたり、事務机の引き出し とかに隠すのはわけないから。 あの時は、まず見つけ易いものを短時間でチェックして頂いたので、仕方ありません。 でも押すタイミングかぁ・・・」 和恵姉さん 「リツコの足だから最上階に居たけど、自衛隊員ではそこまでたどり着けていないわね。」 リツコ 「それに爆破は丁度真ん中ぐらい。 あれではビルの倒壊には至らない・・・。」 ゆうすけ 「つまり、隊員を狙った訳でも倒壊を狙った訳でもない・・・。 別の理由が存在するっ てことですよ。 じゃ、なんの目的で爆破されたんでしょうか・・・。」 ( 他にも犯人は居た・・・。 何かのタイミングか、必要性で爆破した・・・。 くそ、まだぼんやりとしか背景が見えねぇ・・・何か胸騒ぎがする・・・。 ) ~ ~ ~ チーラン 「早くこういちの元に行くよ。」 思いの他受けが良かったと見えて、見学料が想像よりも多く手に入り、念願のタクシーで移動 していたチーランとスウラン。 その車窓から・・・・ スウラン 「ねぇ、あれ・・・。」 指差す先には、昨日こういちが同行した現場にあった正体不明の飛行物体が、いくつかに解体、 され自衛隊車両の護衛の中、巨大なけん引車両で搬送されている姿だった。 ~ ~ ~ 朝食を取った二人が民宿のおかみの薦めで、昨日出向いた近くにある猫苗代湖畔のほとりで、 釣竿から糸を垂らし既に二時間、湖面に小さな波紋をそよがせていた。 椿とこういちはTシャツにスエットの上下という軽装だ。 椿 勇姿 「釣りなんて十年ぶりぐらいかな。。。 子供のころに、父に釣堀りに付き合わされて依頼 だよ。」 こういち 「釣堀かぁ・・・。 まさに釣って下さいってところでしょ?」 椿 勇姿 「まぁそうだな。 大きい自然の水槽に[ふな]などを放し飼いにしてあってね。 そこで・・・ えぇっ !? 」 こういち 「ほぃっと♪」 Vくぃっ! ぴゅっ彡 ピン 浮きが沈み、タイミングを合わせて竿を引く。 竿の先が力強くしなり、糸がピンと張っている。 湖面に潜るその糸が、右へ左へと遊び回っていた。 徐々に近くに引き寄せ、掛かった魚が視界に入ってくる。 水面で暴れる魚を網ですくった。 椿がしゃべる横で、こういちは早くも四匹目をゲット★ 椿 勇姿 「おぃおぃ、名人のようにスイスイと吊り上げるなぁ。」 バシャバシャ こういち 「おいら、小さいころに修行していた時、よく釣りしてたの。 釣らないと食事が無くなる から真剣だったし・・・。 ゆうすけもうまいんだよ♪」 椿 勇姿 「なるほどな。。。」 こういち 「椿さん、それにこれって精神統一も鍛えられるし、魚の動きを察知する修行にもなるよ。」 椿 勇姿 「魚の動き・・・?」 こういち 「うん、釣り人ってさ、浮きの反応で状態を把握したりするみたいだけど、おいらは魚の 小さい[気]も察知するのさ。 いよいよ食いつくぞ! って時に、魚も気合はいるから。。。」 椿 勇姿 「さ、魚の[気]をか・・・? そ、そんなこと、出来るものなのか・・・・。」 こういち 「慣れれば解ってくるよ。」 そこへ・・・ -つづく- (寸止めしないで打ち込んじゃってもいいよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月07日 13時55分19秒
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