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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2010年04月07日
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 前方からヘッドライトが近づいてきた。  電車 スピーカファーーン

和恵姉さん
  ヘッドホン[乗客が乗っていることを忘れずに。]
リツコ
  ヘッドホン[はい。]
          電車 スピーカファーーン    スピーカファーーン

 列車の運転手が、二人に気づき、警笛を鳴らす。
 立ち止まる二人に、ぐんぐんと近づく列車っ!  両手を大きく広げて構える!

和恵姉さん
  「乗客がいなきゃこんな面倒なことしなくても・・・」  ガシっ!

    ズzガzガzzガzガzzガzガzガzzガzガzzガzガ
    ズzガzzガzzガzガzガzガzzガzガzガzzガzガ

 二人が平らな列車の前面を両手で計4本の腕で押さえ、左右2本のレールを二人それぞれに
 跨ぐようにして両足で踏ん張り、次々と枕木をブチ割ながら必至のブレーキ!

    ズzガzガzzガzガzzガzガzガzzガzガzzガzガ
    ズzガzzガzzガzガzガzガzzガzガzガzzガzガ

和恵姉さん
  ヘッドホン[脱線させないように且つしっかりとね。]
リツコ
  ヘッドホン[はい。]

 二人を押し切る列車、その両脇を破損した枕木が次々と飛来していくっ!

    ズzガzガzzガzガzzガzガzガzzガzガzzガzガ
    ズzガzzガzzガzガzガzガzzガzガzガzzガzガ

 さすが列車、大きな慣性力が付いているため、速力が簡単には落ちないっ!
 それに、モーターの駆動が掛かったまま走行していた。 まさに走る鉄の塊っ!

    ズzガzガzzガzガzzガzガzガzzガzガzzガzガ
    ズzガzzガzzガzガzガzガzzガzガzガzzガzガ

 その時っ!

和恵姉さん
  ヘッドホン[リツコっ! 対応してっ!]
リツコ
  ヘッドホン[はい。]

スペック戦闘員 キジュロ
  「けっけっけ、お前達がこの列車を止めに来るのは予定通りなんだよ。
   その姿では好きには動けまい。 死ねやっ!」

 列車の先頭車両の屋根の上に移動したスペック戦闘員、背中を丸めたままよだれを垂らし、
 何か野獣のようにも感じる。
 上から二人を見下ろしながら斧のような巨大な刃物を振り下ろして叫んだのだった。

リツコ
  「ハイっ!」
           パシっ   ズガーーーン★

 振り下ろした斧のような刃物の柄を掴み、もう一方を列車前面に手を付いた下からの姿勢で
 スペック戦闘員の顔面を蹴り上げたっ!

スペック戦闘員 キジュロ
  「ぐえぇぇぇぇぇっ!」

 後方に飛ばされたスペック戦闘員、片手を付いて身をひるがえして着地した。

リツコ
  「なにっ!」

 この一蹴りで何かを感じ取ったリツコ。

スペック戦闘員 キジュロ
  「くぇくぇくぇ、 この程度の蹴りではこたえんな。」
リツコ
  ヘッドホン[姉さん、こいつ、スペック-1じゃありませんっ!]

    ズzガzガzzガzガzzガzガzガzzガzガzzガzガ
    ズzガzzガzzガzガzガzガzzガzガzガzzガzガ

和恵姉さん
  ヘッドホン[のようね。今、そいつの[気]を感じたわ。 あなたでは時間がかかるかも。
    代わって。]

 列車の前面下部をうつ伏せで掴み、なるべく低い姿勢で枕木をブチ割りながらブレーキを掛け
 ていた和恵、列車が上に持ち上がり脱線しないように配慮していた。

    ズzガzガzzガzガzzガzガzガzzガzガzzガzガ
    ズzガzzガzzガzガzガzガzzガzガzガzzガzガ

 バク宙して列車前面に戻ってきたリツコが、再びブレーキのため足を枕木に当て始めた。

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「けっ、驚いたか。 俺様は並みの戦闘員ではないぞ。 ( ジュルル )
   アマゾンの奥深く、最古の野生類人猿と呼ばれ・・・」
和恵姉さん
  「おしゃべりはそのくらいでいいわ。 あなた達の応援が来たから、時間がないの♪」

    彡★=========ズゴーーーーーーーン

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「彡ぐえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!

 強烈な回し蹴りが炸裂つ!  その一撃でスペック戦闘員の顔が歪み、体ごと遥か彼方へと消え
 てしまう。 だが、その足を返す刀で、側方にハイキックを見舞う和恵っ!
                   ズバっ!★

戦闘員1
  「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!

 その回転力のまま、左足の後ろ蹴りも炸裂っ!   ズゴっ!★

戦闘員2
  「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!

 列車横からジャンプして屋根上に飛び掛かってきた二人を、一網打尽に粉砕。
 和恵はそのまま列車後方まで移動がてら、電線に障害がないようにパンタグラフだけを空撃波
 にて破壊つつし、最後尾車両の後方に着地して連結部分を掴み、足を踏ん張り、後ろからも
 ブレーキを掛けたのであった。

    ズガガガガ
                    ズガガガガ

 ほどなくして列車が止まった。 爆破された高架橋までの距離、僅か20mを残したところで。


 その様子を、長いマフラーを首につけ、ビルの屋上から寝転んで眺めていた一人の男が、不適
 な笑みをこぼして眺めていたのだった。


~~~
   ~~~
      ~~~


 月夜で明るく照らされた田んぼ道。
 ヘロヘロの石釘君を先頭にした椿ら5人がサクサクと駆け抜ける。

大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)
  「はぁ、はぁ、はぁ、もうすぐです。
   あの先の一軒屋を曲がれば、その先突き当たりだったはず。はぁ、はぁ、はぁ・・・」

チーラン
  「場所 分った。 急ぐよ!」
スウラン
  「はぃ~♪」

 一段とペースを上げた4人。 石釘君はもうバテバテ、とうとうその場に倒れてしまう。
   ドテ彡

ナンちゃん
  「先に行ってるから~♪ ゆっくりと休んでから来てね。」

大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)
  「もうダメ・・・」  彡バタン( その場に大の字で寝転がってしまった。 )



 早くもチーラン、椿、スウランは目的の[ 全拳武道団 ] 東北支部の前に到着。

 古い寺小屋のような風貌の支部。辺りはシ~~ンと静まり返っている。
 時折、生ぬるいそよ風が木々の葉を揺らし、嵐の前の静けさを予感させている。
 その前で整列し立ち止まった三人。

 それもそのはず、門の前には6人の門番と見られる武道団員が双剣、L形状の刃物を先端に装着
 した槍を手にしてこちらを睨んでいたからだ。

 その内の一人が門の中に消えて行く。 彼らが到着したことを伝えるためであろう。
 最初に口を開いたチーラン、

チーラン
  「なんだその手にしてるモノは・・・。」

武道団
  「手ぶらで来たお前らが無能なだけだ。」
スウラン
  「違う・・・それ違うある。」
武道団
  「お前ら大日本語わかるか? 意味が理解できねぇのと違うか?」
チーラン
  「バーカ。 お前ら 違うの その手にする武器だ。」

スウラン
  「時代が違う。 それ三国志時代の槍。 知らないあるか?」


椿 勇姿
  「ははははは、そんなに古いのかぁ。 骨董品ものだな。」

 腰に手を当てて、大笑いする椿。

武道団
  「ふん、笑いたければ笑え。 そのうち笑うことも出来なくなるぜ。」

 チーランが一歩、また一歩とゆっくりと前に出始めた。

チーラン
  「双剣はともかく、その槍 いただけない。 知識無い おバカ。」

 続いてスウランも歩を進めだしながら、

スウラン
  「無能なやつ その骨董品、扱えない。」
武道団
  「なんだとぉぉぉっ!」
チーラン
  「それはなぁ、・・・」
武道団
  「うるさいっ! 掛かれっ!」

 『おりゃゃゃゃっ!』



                               -つづく-




第4-390話 全拳武道団 東北支部 へ
 (そう言うなよ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月08日 10時56分53秒
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