カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
スウラン 「無能なやつ その骨董品、扱えない。」 武道団 「なんだとぉぉぉっ!」 チーラン 「それはなぁ、・・・」 武道団 「うるさいっ! 掛かれっ!」 『おりゃゃゃゃっ!』 びゅ~~~ん びゅ~~~ん 武道団の槍を手にした2人が、走り込みながら槍を大振りして近づいてきた。 それを見たチーラン、スウランはあきれた顔でお互いを見てから、続いて後ろ足で地面を蹴 った。 シャッ彡 シャッ彡 チーラン 「椿、そこに居る。 ハイっ!」 スウラン 「お前ら、笑かして我らに勝つつもりあるか? ハイハイ、ハイっ!」 大振りの槍の往復動の隙をつき、懐に入った二人、チーランはその槍の柄を掴んでハイキッ クっ! スウランは槍をかいくぐり、槍を振り回す武道団員を無視して、その後ろに居た 双剣を持ち構えた二人に襲い掛かる。 一人が振りかざした双剣を左足を高く伸ばし、足首外側で柄の部分に当てて振り下ろされた剣 を止め、右拳で一発わき腹を、そのまま返す刀で肘打ちで近づいたもう一人の双剣持ちに一撃 っ! 続いて双剣持ち二人の武道団員が倒れこむ時に、握る双剣に蹴りを当て、 バシっ バシっ 空中に2本共飛ばした。 そしてジャンプ一番っ! その間にチーランは、二人目の槍持ちを一撃で倒し、手には既に骨董品の槍が。 パシっ☆ パシっ☆ 彡スタ。 ( 空中の双剣を手にしたスウラン。 ) 片足で立ち、もう一方の膝を曲げ、手にした剣を高く突き上げるようにし、一方の剣は横に伸 ばし、顔を横に向けて立つスウラン、そしてチーランと、それぞれが武器を手にし、形良く構 えて止まっている姿。 椿 勇姿 パチパチパチ。。。 ( 笑顔で拍手する椿。 ) 「さすがですね~。 これでは私の出番などありません・・・。」 チーラン 「この時代の槍、 馬上の敵、進軍する前方の敵を突いて戦うもの。」 スウラン 「重くて振り回す不向き。」 椿 勇姿 「なるほどね。。。」 スウラン 「でも、この双剣はいけるよ。 二つで使う よろし。」 シュっ シュシュッ シュシュシュシュシュシュ チャキーン 見事なまでに両手で操るスウラン。 それを見ていた一人残された武道団員は、悲鳴と共に一目散に門の中へと退散したのだった。 『ひぇぇぇぇ・・・・』 それを見た椿、その門に歩み寄ると両手で強く押して開門させた。 ギギィィィ・・・ その時、 『ぎゃゃゃゃゃっ!』 と大きな悲鳴がっ! 扉が全部開ききると、そこには背中を向け、両手を広げていた先程の逃げた門番の姿。 その門番が血しぶきを舞い上げ、 彡ドサ と崩れるように倒れた。 倒れた向こう側には、なぎなたのような長い刃をした槍を一振りした後の姿勢で逃げた門番 を睨む初顔の武道団員の姿が・・・。 ???初顔団員 「逃げるとは情けないヤツめ。 そんなやつに生かしておく命などないわぃ。」 そして椿達に目線を移した。 門から数歩入ったところで止まった椿たち三人。 そこへ、ようやくナンちゃんが到・・・(着)・・・ 彡コテン ナンちゃん 「はぁ、はぁ、はぁ なんだよ、みんな早過ぎるよ・・・ いててて・・・」 門の手前でコケて転んでいたナンちゃん。 チーラン 「ナンちゃん、そこで休んでいる。」 椿 勇姿 「キミには無理だ。」 スウラン 「足でまといある。」 みんなにケチョンケチョンに言われ放題のナンちゃん。 ナンちゃん 「そう言うなよ・・・こ、これでも [頑丈拳] を習得しているんだから・・・。」 スウラン 「ぷっ。。。」 チーラン 「ガンジョウ・・・」 椿 勇姿 「ま、まぁきみはその・・・えっと・・・[頑丈拳]を得手としてたけど・・・。」 ???初顔団員 「そんなどうでもいい小僧は放っておけ。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「そうだな、我らはこの前の3人に用があるのだから。」 もっそりと後方から現れた 全拳武道団 東北の荒熊 大木。 ???初顔団員 「話の3人てなぁ、こいつらのことか?」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「そうです。 こいつらがそこそこ使う3人です、支部長。」 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ / ???初顔団員(改め) 「そうか。精々楽しませてくれよ。」 ( 急にニタニタし始める ) 支部長 ゲルヴァルツを見つめるナンちゃんの目が、厳しくやや細めていた。 ナンちゃん ( こ、こいつ・・・スペック-3かよ・・・。 ナンちゃんのままでどう対応するかだ・・・。 この3人では無理だ。 ) 「ねぇねぇ、外人のおっちゃん。 おいらを忘れちゃ困るよ・・・」 と言いながら、スタスタと前に歩を進めた。 その時に、椿に険しい表情をして首を小さく左右に振って見せた。 椿 勇姿 ( なにっ !? すると・・・ ) ピクッと驚く表情をした。 この行動を椿はすぐさま感じとってくれたようだ。 そしてなんとこの二人も。 チーラン ( こういちのあの顔・・・そうか、こいつは上位レベル3の異人ということか。 ) スウラン ( こういち、ありがと 注意する。 ) 急に引き締まった顔つきに変わるチーランとスウラン。 三人に緊張が走った。 そしてチーラン、スウランもナンちゃんに小さくうなづいて見せた。 それを確認出来、再びヘラヘラ顔で前を向くナンちゃん。 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「何も分らぬ小僧が、シャシャリ出てくるもんじゃないんだぜ、世の中ってのは。」 ナンちゃん 「頑丈拳だぞぉ♪」 両手拳を顔の前で握り、小指を顔側にと手首を捻る。 両足を揃えてお尻を チョン と出した ようなヘナちょこの構えで威嚇するナンちゃん。 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「こらっ! この小僧。 支部長様だよ、支部最強で、東北最強。お前はチョロチョロと するなっ! 邪魔なんだよ。」 ナンちゃん 「このおじさんは強いから怖いもん。 だからおいらの出番じゃないや。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「ふっ、この俺様には恐れをなしているようだな。 強さがよ~く分っているじゃないか。 少しはお利口さんってことかよ。」 チーラン ( こういちは、この異人は我々が相手しろ 言うてる。 ) チーランは、スウランを横目で見た。 チラっと目が合い、東北の荒熊 大木に向かって顎を 動かした。 そしてうなづくスウラン。 さすが姉妹、意思の疎通は長けているようだ。 突然襲い掛からんばかりの二人を、制するように前に出た椿、 椿 勇姿 「さてっと、我々は人質となっている綿来(わたのき)師範を返してもらいたく、ここに 出向いた。我ら3人が来た以上、約束通り 師範を引き渡してもらおうか。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「そうだったなぁ~。 すっかり忘れていたわい。 お前達と会えたのであれば、もう人質に用は無い。 オィ!」 その声に建屋の中から、武道団員に両側から掴まれ、両足を引きずられグッタリと顔をうな だれた師範が運び出されてきた。 椿 勇姿 「師範っ!」 チーラン 「酷いことをしやがるっ!」 スウラン 「その人を痛めつけて何になる!」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「おまえ達の居場所を吐かせるつもりでな。 だが本当に居場所を知らぬと見えてこの様だよ。 ちゃんと説明してくれれば痛い目に合 わなくても済んだのだがな。」 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「用済みだ。 返してやれ。」 支部長の指示で、両側で腕を掴む手を離し、前蹴りで中央に放り出す二人の武道団員。 彡ドカっ バタン 椿 勇姿 「師範、大丈夫ですか !? 」 -つづく- (かわいそう・・・ 捨て駒か) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 10時58分22秒
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