カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
椿 勇姿 「さ、さぁな・・・。 それを実力で試してみたらどうだっ!」 今度は うんうん と笑顔でうなづくナンちゃん。 と、啖呵(たんか)を切った椿であったが、東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツを見て 額から汗がドっと噴出してきた。 すると、後方からナンちゃんが前にスタスタとしゃしゃり出て、 ナンちゃん 「このおじちゃんは怖いから、一番強い椿さんが相手してよ。 頑丈なおいらは、3人でこの 痔(ぢ)ぶっ腸 さん(支部長の事?)を相手に するよ。」 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「痔だとぉぉぉっ! この小僧め!」 シャレたつもりのナンちゃんのギャグであったが、相手は頭にきたまでは計算通りであった ものの、椿、チーラン、スウランをもリラックスさせようとしたのに、三人は笑いもせずに、 こわばった面構(つらがま)えのままだった。 そのチーランとスウランが、ナンちゃんの脇に従えるように立った。 よほど頭にきたのであろう、支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツは豪いけんまくで3人に突進し てきたっ! [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「その口、二度と利けないようにしてくれるぅぅぅっ!!! くたばれっ!」 なぎなたのような長い刃をした槍を頭の上で扇風機の羽根のように勢い良く回し、一刀両断、 斜め右上からナンちゃん目掛けて振り下ろしてきたっ! ~ ~ ~ [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「実力で試せとは面白いことを言う。 前回は油断したようだからな。 今回はそうはいかんぜ。 柔術か柔道か知らんが、そんな小手先だけでは、この俺様を倒せないことを教えてくれ るっ! 覚悟しろーーーっ! うぉぉぉぉっ!」 スッと身構える椿に、スルスルスルと近寄る大木竜平、大柄の身体はまるで階級の異なる体 格を思い知らされるほどに大きい。 スリ足で左に移動している椿、目の前で右ミドルキックの体制に入り、鋭いけりを見舞う大 木竜平っ! その蹴りを後方にピョン彡と回避し、吹きぬけた右ミドルで背中を見せる大木に、立ち足で をある左足狙いに行く椿! だが、大木竜平はその回転のまま左肘打ちを繰り出したっ! シュッ==V 髪の毛数本を擦り、間一髪のところを掻い潜って前方回転で回避した椿、だがそこへ、吹き抜 けて折り返してきた右足のカカトが椿を襲うっ! スタっと既に立ち上がっていた椿は、両手でカカト蹴りを受けながら自らを左横に飛んで、受 け流したのだった。 椿 勇姿 「くっ・・・」 彡スタ。 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「大口を叩くだけはあるってことか。 だが余裕があるようには見えんぞ。」 ~ ~ ~ [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「その口、二度と利けないようにしてくれるぅぅぅっ!!! くたばれっ!」 なぎなたのような長い刃をした槍を頭の上で扇風機の羽根のように勢い良く回し、一刀両断、 斜め右上からナンちゃん目掛けて振り下ろしてきたっ! それを見て、 彡さっ とゲルヴァンツの両脇に移動するチーランとスウラン。 なぎなたのような長い刃が頭上にせまったナンちゃんは冷静に刃先を目で追い、そして・・・・ ゴツン★ \ボキっ/ グサっ↓ [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「ん・・・?」 ( ちょっと面食らうゲルヴァンツ。 ) 刃先近くの柄が折れ、先端の刃の部分が地面に突き刺さったのだ。 振り降りてきた槍の長い刃先よりも、柄の部分を頭で受けてしまったナンちゃん、 ナンちゃん 「いつつっっっっ、おぉ~痛てぇ~。。。」 頭のてっぺんを両手で押さえ、両膝(ひざ)を軽く曲げて苦痛の表情のナンちゃん。 チーラン ( さ、さすがだ。 避けるではなく、前に出て刃を交わしその上 [柄] まで折るとは。。。 ) スウラン ( あんなやつに武器 持たれる 勝ち目ない。。。 助かった。。。 ) ナンちゃん 「いくら[頑丈拳]とはいえ、こりゃ応えるなぁ・・・」 (とぼけた表情に変わる。) [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「くそぉ、少し目標を誤ったか・・・。 なんて丈夫なやつだ・・・」 (気を削がれた感じだ) 折れた柄を持ち直し、握りを変えて棒術でナンちゃんを再び襲うっ! [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「これでどうだっ! ふんっ! ふんっ!」 ナンチャンに左右から棒の先端が襲い掛かるっ! するとナンちゃんは、身体を巻き込むようにクルっと回転しながらゲルヴァンツの懐に入り、 握る部分で左右からぶたれたっ! ゴツン、ゴツン その隙に斜め後方からチーランの剣先が、スウランの棒先がゲルヴァンツを襲う! スウランの突きのような棒先が、ゲルヴァンツの右膝裏側にヒット★ バシっ [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「うぉっ・・・」 ガクンっ と右ひざが地面に落ちるゲルヴァンツ、 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「くそぉっ!」 先の折れた柄を左手一本で後方に振り下ろすゲルヴァンツ、剣を振りかざしたチーランを襲 うっ! チーラン ( うっ、ま、間に合わんっ! ) ズガっ★ ナンちゃん 「いってぇぇぇっ!」 彡ドサ と、避けきれないチーランに当たる間際に、ナンチャンの頭に当たり、吹き飛ぶナンちゃん! その隙に、ピョン彡 と後方に回避したチーランとスウラン。 そう、ナンちゃんがスペック-3相手にこの二人を指名したのは、大少林寺において、戦うザ ウバーの動きを見ている上、その時のナンちゃん尚人の戦いぶりも目にしていた事。またナン ちゃん尚人に変装したゆうすけを守る時にもスペック-3と実戦で拳を交えていたためである。 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「く、くそう~、どうも調子が出ねぇ~。」 片ひざ姿勢から立ち上がったゲルヴァンツだったが・・・・ カラン コロ~ン 手にしていた先の折れた柄の棒が、握る指先からスベリ落ちた。 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「 ・・・・ 」 『なんでだ?』 と言わんばかりに、握っていた両手の指を見つめるゲルヴァンツ、 [ 全拳武道団 ]東北支部 支部長 暴れ熊の ゲルヴァンツ 「お、親指が腫れてやがる・・・・。 くそ、あの頑丈な小僧への当たり処が悪かったか・・・。 頑丈拳か・・・なるほど、面白い。」 ~ ~ ~ 椿 勇姿 「くっ・・・」 彡スタ。 ( こ、こいつの一撃には重みがある・・・ ) [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「大口を叩くだけの事はあるってことか。 だが余裕があるようには見えんな。 近づいて懐に入らなければ柔術は使えまいっ! それが貴様の弱点だぜっ! これでどうだっっっ!」 -つづく- (あ~~~れぇ~~~~~っ♪) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 11時02分43秒
コメント(0) | コメントを書く
[第四章 4-364 ~ 420 話] カテゴリの最新記事
|
|