■ ドラマ　永久の彼方へ

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ナンちゃん
　　「そうだよ、そうしなきゃ、拳法家っていえないじゃん・・・」
チーラン
　　「そりゃそうだ。。。」
スウラン
　　「うん、肩書き　付くある～♪」

　『あはははは。。。』

　６人は笑顔で荒れた［ 全拳武道団 ］東北支部を後にした。


～～～
　　　～～～
　　　　　　～～～


　その晩、

ゆうすけ
　　「そうですか・・・。分りました。
　　　もうしばらくこういちがバレない様ににお願いします。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ピっ

利江
　　「どうだって？」
ゆうすけ
　　「先程、東北の支部長を倒したそうだ。　どうやらスペック－３だったらしい・・・。」
リツコ
　　「スペック－３ですって !?　」
和恵姉さん
　　「随分あっちこっちにと、増えてきたわね・・・。」
ゆうすけ
　　「まだ種（たね）を、そして工場を完全に潰してなかったから、復活してきたみたい
　　　です・・・。
　　　それに今日の列車・・・、リツコさんの話だと、どうも姉さん達を待っていたみた
　　　いだし・・・。」

リツコ
　　「えぇ、『お前達がこの列車を止めに来るのは予定通りなんだよ…』　って。」

利江
　　「予定通り・・・かぁ・・・。」
和恵姉さん
　　「その割にはあっけなかったわね。」
リツコ
　　「そうですね、列車を止めた後には何も起きませんでしたし・・・。」
とくさん
　　「何か・・・試されている・・・そのようにお見受けできます。」
ゆうすけ
　　「確かに。。。
　　　少し整理すると、今、こういち達に行ってもらっている東北地方は、中でも一番目立って
　　　拳法家にちょっかい出している地域・・・。恐らくは戦闘員の増強のため・・・。

　　　そしてこちらでは、戦闘員達が何かを試している・・・？
　　　姉さん達が来るのを知ってて・・・。

　　　でもなんで東北地方なんだろう・・・。
　　　なんで、詰めが無いんだろう・・・。
　　　そして、ガイザー亡き後、いったい組織は誰が先頭に立って指揮しているのか・・・。」

　腕組みをして、難しい顔して考えるゆうすけ。

和恵姉さん
　　「それと･･･参考になるかどうかだけど、ちょっと妙な［気］を今日の現場で感じたの。」

利江
　　「妙な・・・？」
リツコ
　　「別のスペックか何かですか・・・？」
和恵姉さん
　　「スペック戦闘員とは全く別モノ。
　　　［気］も大して大きくもないから気にしなかったんだけど、今思うと、ちょっと不思議
　　　な［気］・・・とでも言えばいいのかしら・・・。」
ゆうすけ
　　「たとえば・・・？」
和恵姉さん
　　「ん～～、なんか不気味な・・・とか、陰険な・・・とか・・・
　　　なんかもやっとしている雰囲気の［気］なの・・・。」
リツコ
　　「私には全く・・・。人数とかは・・・？」
和恵姉さん
　　「恐らく一人・・・だったと思う・・・。」
ゆうすけ
　　「一人・・・かぁ・・・。　今までに無い［気］・・・・。」

　　（ くそ、まだ資料が全然足りない・・・ ）

～
　　～
　　　　～

魚沼 貴子
　　「椿さん、大丈夫・・・？」

　　氷と水の入った大きい桶にタオルを入れて、掴みあげて ギュっ と絞る貴子。
　　それを数枚、手足の腫れているところに当ててあげる。　　ガラガラガラン

椿 勇姿
　　「す、すまない・・・。」

　スウランは、包帯を椿の右肩に巻きつけて、ショルダーサポーターのようにしていた。

魚沼 貴子
　　「でもまぁ、これだけで済んでよかったわよ。
　　　あの武道団って、最近この辺りで悪さしているって有名なの。　傲慢でわがまま顔で
　　　やりたい放題。　みんなが煙たがっていたのよ。
　　　でも、立ち向かう人なんて居なかったから・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　口答えするだけで病院送りだったし・・・。」
ナンちゃん
　　「この人達は本格的に鍛えているからね。　だからこの人達が立ち向かわなきゃ。。。」
魚沼 貴子
　　「ナンちゃんはよくケガひとつ無く無事に・・・」
チーラン
　　「こいつは・・・」

　部屋の隅に寝転がり、腕を頭の上で組んでいる姿勢。
　そのチーランの話に被せるように、

ナンちゃん
　　「おいら足が遅いから、到着に遅れちゃって・・・。　着いたら大きな身体の人は倒れ
　　　ているし、他の武道団の人達は逃げ出してたところだったの。。。」
魚沼 貴子
　　「まぁそうよね。　そうじゃなきゃ今頃元気な姿でいられない…か。
　　　私、お水と氷を取り替えてくるわ。」

　立ち上がり、大きな桶を小脇に抱えて部屋を出て行く貴子。
　たたみに足を投げ出し両手を後ろに付いた姿勢で、少し間を置いてからスウラン、

スウラン
　　「次　攻撃を仕掛けてくるか？」
椿 勇姿
　　「支部長を・・・スペック－３を倒してしまったからね・・・。」
チーラン
　　「倒して　ない。　ただ飛んでっただけだ。」

　　　　　　バシャーーン　　（ 外の庭で水をぶちまける音。 ）

スウラン
　　「でも同じ　やつら、あの二人が居て好きにされた。　普通黙ってない。」
椿 勇姿
　　「その通りだ。　次はスペック戦闘員だらけで襲ってくる可能性もあるな。」
ナンちゃん
　　「そうだね。　でもここの人達に迷惑をかけられないよ。　拠点を変えよう。」
チーラン
　　「それはそうだ。
　　　だが、ナンちゃんのままで戦う　不利。　我らにも限界がある・・・。
　　　多人数の異人・・・それも３では無理。」
椿 勇姿
　　「しかし、まだまだこういち君を封印しておかないととゆうすけ君が・・・。」
ナンちゃん
　　「ガイザーが死んだ後、今は誰が統率を謀り指揮しているのか、そいつを引っ張り出す
　　　までは、ナンちゃんでいないと・・・。
　　　おいらを全く知らないとは思えないよね。」
椿 勇姿
　　「異人の件と称し、中華皇国での事。それに『例の小僧か』と、こういち君を指す言葉
　　　も発していた。」

スウラン
　　「彼らに話 浸透してる。　その時の事 知る者いる。　会ったことがあるやつかも。」
チーラン
　　「力が有り、それを知る者・・・　　　　　!!　ザウバーか？」
ナンちゃん
　　「さぁね。　誰でもいいよ。　引っ張り出せればね。」

　　　　　　　　　　ガラガラガラン　（ 氷がブリキの桶に当たる音 ）

魚沼 貴子
　　「はい、おまたせ。。。」
椿 勇姿
　　「ありがとう。　助かります。」
魚沼 貴子
　　「私がお手伝いできることってこのくらいしかありませんから。
　　　気分いいんですもの。　あいつらを叩きのめすなんて♪」
チーラン
　　「フン、まだ序の口、これからだ。」

　貴子は椿の横に座り、椿の手足に当てていたタオルをつまみ上げ氷と水の入った大きい桶
　に入れて、代わりに入れてあったタオルを引き出しギュっ と絞る。　　ガラガラガラン
　それを再び、数枚手足の腫れているところに当ててあげる。

魚沼 貴子
　　「そう。　とことんやっちゃう訳ね。」
スウラン
　　「拳法を悪さの道具に使う　許さないある。」
ナンちゃん
　　「その件なんだけど・・・。」

魚沼 貴子
　　「なぁ～にぃ～♪　ナンちゃ～ん♪♪」

　椿の脇から、ナンちゃんの隣に正座のまま両手で移動した貴子、ニコニコしながらナン
　チャンの顔を覗きこんだ。

チーラン
　　「おまえっ、そんなにナンちゃんに近づくなっ！」
魚沼 貴子
　　「話を近くで聞こうとしただけでしょ。　で、何々？」
ナンちゃん
　　「う、うん、あのさ、このままここに寝泊りしていると・・・」
魚沼 貴子
　　「寝泊りしていると、、、、」

　今度は後ろから両手でナンちゃんを抱きしめる行動に出た貴子。

チーラン
　「こ、この（ぉっ！　うぐうぐ）・・・」　　素早くスウランがチーランを押さえ込んだ。
魚沼 貴子
　　「私がナンちゃんを襲うかも・・・？」
椿 勇姿
　　（うわっ、だ、大胆な発言・・・ ^ ^;;; ）
ナンちゃん
　　「うん、貴子さんじゃなくて、あの武道団の連中がいつ襲ってくるから分らないで
　　　しょ。　こちらのおばさんや貴子さん、それに宿の関係者にも迷惑かけちゃうか
　　　ら・・・」
魚沼 貴子
　　「なぁ～んだ、そんな事を心配してたの。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なら平気よ。」
スウラン
　　「平気・・・？」
魚沼 貴子
　　「そ、平気。　ここボロ屋でしょ。　襲ってきて壊れたりしたら器物破損で警察に届け
　　　出るわ。保険でお金もらって建て直せるじゃない。
　　　もう既に壊れたり、破れた障子がある部屋も出てきたし。」

　一同が、先程大暴れして破れた障子、壊れた壁を見渡した・・・ *o*|||

魚沼 貴子
　　「まっ、この部屋は、私も参加してたから相殺（そうさい）してプラスマイナス＋－
　　　"０"（ゼロ）ってことにしておくわ。」

椿 勇姿
　　「なるほど。
　　　だが、建物などのモノはお金で片がつくが、貴子さんなど、人に被害が出ては何にも
　　　ならない。」
魚沼 貴子
　　「あなた達が居るじゃない。　またやっつけてくれるでしょ♪　ねぇ～ナンちゃん♪」

　ナンちゃんを ぎゅっ と、きつく抱きしめる貴子。　さらに、なんとホッペに チュっ

チーラン
　　「 もぉ～許さんっ！　」

　ド頭に血が上ったチーラン、えらい剣幕で立ち上がったっ！



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－




第4-396話　新たなる異人 へ
　（なんとホッペに チュっ）




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