カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
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~ ピポ パポ ピポ ピポ~♪ ゆうすけ 『はい、S.F.Forces ( Special Fighting Forces )ゆうすけです。 なんですってっ!』 利江 「うそ、また・・・? 帰って来たばかりなのに・・・。」 ゆうすけ 『了解しました、すぐに向かいます。』 ピッ 「大変です、今度は集団で 『こういちをだせ!』 と、呼んでいるそうです。」 リツコ 「こういち君を?」 ゆうすけ 「えぇ、完全に名指しで・・・。 先程破壊された鉄橋の周りを占拠していて、復旧ができないそうです。 立ち退きに動いた自衛隊がほぼ壊滅状態に・・・。」 和恵姉さん 「まったく・・・。 急いで向かいましょう。」 『はいっ』 ~ ~ ~ スペック-3戦闘員 キジュロ 「くぇくぇくぇ、ジュル、ジュル、( 口からよだれをたらしている。 ) 自衛隊なんか目じゃねぇ~よ。 トットとやつらを連れてこいっ!」 先程、和恵の蹴りで吹き飛ばされたキジュロ、こやつ、何かトカゲ男と表現した方が伝わる、 そんな 容姿をしている。 背中はやや丸く、髪の毛は無造作に肩下まで伸ばしっ放し、皮 膚は爬虫類を思わすようなこげ茶で所々に突起ができていた。 彼の回りには、ざっと250 ~300人のスペック-1戦闘員が溢れんばかりに囲っていて、壊れた高架橋付近に座る者、 線路沿いに集結している者、下の道路沿いに点在している者達の他、前の交差点や道路には、 煙と炎を出したトラック5~6台、ジープなどが横になったりひっくり返したように破壊さ れてるその付近に数十人がたむろっている状態。 自衛隊小隊長 「くそぉ、我々では手も足も出ない・・・。 銃器類もこんな街中では許可がおりるはずもない。」 伍長 「どうしますか?」 自衛隊小隊長 「他への被害拡大をさせないためにも、このまま彼らをここに留めさせておく以外に ない。 それには、近くの住人、野次馬達をもっと遠くに避難させろっ!」 伍長 「ははっ。」 ~ ~ ~ 魚沼 貴子 「あなた達が居るじゃない。 またやっつけてくれるでしょ♪ ねぇ~ナンちゃん♪」 ナンちゃんを ぎゅっ と、きつく抱きしめる貴子。 さらに、なんとホッペに チュっ チーラン 「もぉ~許さんっ!」 ド頭に血が上ったチーラン、えらい剣幕で立ち上がったっ! 椿 勇姿 「まぁまぁ・・・」 冷や汗の椿。 チーランにしがみついて辛うじて動きを止めたスウラン。 ナンちゃん 「あ、あのさ、おいら達が守るにも限界があるよ。 それに肝心の椿さんが負傷してしまっ ているから、戦力ダウンしてるし。 やはりここに居ては・・・」 チーラン 「ここ、出るっ!」 そのとき、障子の向こうにある部屋の入り口に立つ、一人の女性がポツリとつぶやいた・・・。 民宿の女将 「あの・・・」 チーラン 「ん !? 」 それに気付き、女将を見るチーラン。 続いてスウランも。 民宿の女将 「あの、貴子が申しましたこと、気にせずにと私 民宿の女将 からもお願いしたいので すが。」 椿 勇姿 「女将さん・・・」 民宿の女将 「ここに努めておりました男性二人が、あの武道団に連れ去られたまま、現在も行方不明 なんです。 従業員が減り、お客も減り、このままでは、私共はここで商いを営むこと が出来なくなります。 あの凶暴で町を荒らす彼等に対して、立ち向かう人達が現れた今、ならば、私たちも何 かそれにお手伝い出来ないだろうか、何か一緒になって出来ることはないだろうかと考 えました。 しかし、腕力ではとうてい無理です。 でも、ここをその拠点に・・・ということなら、 喜んでお使い頂きたく存じます。 商いが出来ずにひもじい思いをして生きるのと、ここで皆さんに協力して命を落とすの と、考えるまでもなく一緒に協力して戦う方が、人としての生き様だと思います。 逃げていては何も変わりませんから・・・。」 魚沼 貴子 「母さん・・・。」 民宿の女将 「ですので、襖(ふすま)がだとか、障子に穴が・・・なんて、小さい事です。 ましてや、この民宿と人生を共にするのがここの女将としての宿命であり、私の生きる 道です。 ですので、どうぞここを拠点に使ってやって下さい。 出来る限り協力は惜しみませんので。」 ナンちゃん 「大丈夫。 女将さん達に命のやり取りの心配はさせないよ。 それに、おいらが守り ますから。」 スウラン 「ナンちゃんがそう言う 必ず守ってくれる。 心配ないある。」 チーラン 「ないのかあるのかわからんっ!」 スウラン 「言葉変か・・・。 心配ない あるよ。」 魚沼 貴子 「ナンちゃん、ステキーーー♪」 ぎゅっ (またまた抱きしめる貴子。) チーラン 「 んもぉぉぉっ! 」 (またまたスウランが押さえた。) 椿 勇姿 「だがナンちゃん、私も今はこんな状態、チーランとスウランの二人しか前面には出られ ないことを考えると・・・。」 ナンちゃん 「なんとかするさ。 最悪は封印解けばいいんでしょ。 人の命の方が大事だもの。」 魚沼 貴子 「封印を解く・・・?」 ナンちゃん 「うん、おいらもがんばるぞって、自分に言い聞かせるの~♪」 魚沼 貴子 「そっか♪ がんばってね。。。」 ぎゅっ (またまたまた抱きしめる貴子。) チーラン 「 て、てっめぇぇぇぇぇっ! 」 (またまたまたスウランが押さえた。) 椿 勇姿 「うむ。 そこの判断はナンちゃんに任せるとしよう。」 ナンちゃん 「でもさ、ここで待ち伏せはしないよ。」 スウラン 「じゃ、どうする?」 ナンちゃん 「今日行った場所で待つことにしようよ。 あそこならやつらも戻ってくるだろうから。」 椿 勇姿 「やつらの支部か。そうだな、それがいいかもしれん。」 ナンちゃん 「椿さんはここで静養して怪我を治して下さいね。」 椿 勇姿 「いや、そうはいかん。 この私も・・・。」 ナンちゃん 「無理しないで・・・ではなくてさ。 あの、貴子さん、お願いがあるの。」 魚沼 貴子 「なぁ~に?」 (抱きしめる姿勢から、ナンちゃんの横に移動した。) ナンちゃん 「貴子さんは、石釘さんに連絡して綿来(わたのき)師範の二人をここに呼んで欲しいの。」 魚沼 貴子 「えぇ、いいわ。」 (両手をテーブルについて立ち上がる。そして入り口から外へ出て行く。) ナンちゃん 「椿さんには、この二人を守ってもらいたいんだ。」 チーラン 「そうか、師範はまた狙われるかもしれないしな。 ここなら簡単には見つけられない。」 スウラン 「それにたとえ見つけても、スペック以外なら椿 守れる。」 椿 勇姿 「なるほど。 判った、私はここで待機することにするよ。」 民宿の女将 「でしたら、別の部屋を用意しましょう。」 (女将もロビーに向かって歩き出した。) ナンちゃん 「じゃ、チーラン、スウラン。 明日の明け方には今日の武道団東北支部に向かうよ。」 チーラン/スウラン 「おっけ~♪」 ~ ~ ~ 和恵姉さん 「おぉおぉ、居る居る~♪」 警察車両の 赤灯 がけたたましく深夜の街をにぎわしている。 ひっくり返った 自衛隊のトラックが散乱している。 そこへ黄色いスポーツカーが到着し、車を降りた4人と 一匹、彼らの目先には、先程の爆破現場の周囲に集結した、溢れんばかりのスペック戦闘員達 の姿が映った。 -つづく- (一度にやり過ぎよ・・・) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 11時11分33秒
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