カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
.
ゆうすけ ( こっちが姉ちゃんか? だと・・・? ) スペック戦闘員 「ギジュロ様、どちらかが姉さんで、もう一方はスペック3のリツコのはずです。」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュルジュル、そういやそんな話もあったな。」 ゆうすけ ( けっ、ただあいつの頭が弱いだけか・・・。 やつらが知らないはずがないからな・・・。 ) 「ハイっ! ハイっ! ハイハイっ! タァーーっ!」 『ぐわッ・・・』 『うぐ・・・』 『うっ・・・』 『んぐ・・・』 『ぐほっ・・・』 彡バタン 彡ドサ 彡ドダドタ ===彡バサバサバサ 「ハイっハイっ! ヤー! ハイハイっ! オリャーーっ!」 『うぬっ・・・』 『んっ・・・』 『ぐわっ・・・』 『んぐ・・・』 『げほっ・・・』 彡バタバタ 彡ドサ 彡バタンバタン ===彡ドサっドサっドサっドサっ リツコの周りは、戦闘員の瓦礫が更に山のように積み上げられ、第一陣の包囲が完全に解かれ ていた。 スペック戦闘員 「わ、我々では全く歯が立たない・・・。」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュルジュル、なに、どちらでも構わん。 次はオレが相手してやるかよ。」 ピョン彡 高架橋の上から、飛び降りたキジュロ。 そして戦闘員の人山をひと蹴りで退かしたっ! \ズゴーーン/ ( 派手に飛び散る倒された戦闘員達! ) スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュルジュル、へっへっへ。 オレとやってみろよ。 少しはやり甲斐があると思うぜ。」 キジュロはキョロキョロと目線が二人を行ったりきたり。 リツコは構えた姿勢のまま、キジュロを睨みつけた。 和恵は腕を組んだまま静観している。 スペック-3戦闘員 キジュロ 「さぁ、どっちが来るんだ。 オレはどっちでも構わんがなぁ。」 リツコ 「この私に決まっているでしょ。 まだ準備運動にもならないんだから。。。」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュルジュル、お前が相手か。 いいだろう、掛かって来いよ。 ジュルジュル・・・。」 不気味な笑いでリツコを誘うキジュロ。 リツコは横目で和恵を見た。 その和恵、依然として静観したままだ。 なぜか先程キジュロが居た高架橋の上だけを見つめ ていた。 リツコは視線をキジュロに戻す。 そして構えた指先にまで神経を尖らせて集中している。 先程、電車の上での一蹴りした時のことを思い出していたのだった。 リツコ ( あの時、確かにスペック-1だと思っての蹴りだったけど、大きくは手抜きをして いなかった。 なのにこいつ、スペック-3でも電車から落ちてもおかしくないのに、 大したダメージ無く・・・。 スペック-1ではないことは直ぐに感じとったけど、私が組織にいたときにはこいつ は居なかった。 完全な新作ね・・・。 お手並み拝見・・・か。 ) スペック-3戦闘員 キジュロ 「来ないのなら、こちらから行くぜ。」 シュルシュルシュルっ! リツコ 「 !! は、速いっ!」 それはまさに蛇を思わせるような蛇行しながらの急接近っ! ジグザグではなく、滑らかな左右 への動きから、突如、真っ直ぐにリツコに襲い掛かったっ! 『くっ!』 素早く左に交わしたリツコ。 だが、通り過ぎたキジュロは、すぐにステップして早くもリツコの目前に迫ったっ! シャーー ガスっ★ 右手で払うリツコっ! 彡ヒタ。 シャーー 飛ばされながらも着地、そしてすぐさま襲い掛かるキジェロっ! ★>> ============ ズコーーーンっ! リツコの強烈な回し蹴りが炸裂っ! 『グェェェーーーっ!』 ==ドシャ彡 さすがのキジュロも身体ごと飛ばされ、もんどり打って地面を転げた。 利江 「なんて速さなのっ !? 」 ゆうすけ 「あ、あいつ・・・、どうも速さだけじゃなさそうだ・・・。」 リツコ 「 ・・・・ 」 和恵は未だ腕を組み、腰から割れたスリットから横に足を出したまま動かない。 皆が注目する中、何事も無かったように スタっ っと立ち上がるキジュロ。 スペック-3戦闘員 キジュロ 「ふん、もっと驚いてくれると思っていたのだが。 悪いが、俺様は並みの戦闘員ではな いぞ。( ジュルル ) アマゾンの奥深く、最古の野生類人猿と呼ばれ元々人間離れしていた身体。 そこに施術を受けたからな。 出来が違うんだよ、普通の人間から作ったやつとはな。」 和恵姉さん 「だそうよ。」 リツコ 「まだまだ。ほんの小手調べ程度です。」 キジュロをきつく見据えるリツコ。 リツコ ( 彼らが、無用な程に多くスペック-1だけを連れて来たのが分る気がする・・・。 こいつが・・・、このキジュロがいれば十分、そう踏んでいるからなのね・・・。 ) スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュルジュル、こういちとやらが出てこぬのなら、きさまらは早いとこ片付けてしまう とするか。 覚悟しなっ!」 シュルシュルシュルっ! 再び、蛇行しながらリツコを急襲っ! 『うらぁぁぁぁっ!』 さっ ガツっ★ 『ぐぇっ!』 リツコ 「ハイっ! ハイっ! ハイハイっ! タァーーっ!」 ズコっ ボコっ! ズカッズカッ ズゴーーーン★ 避けてからの肘打ちに続き顔面ハイ・・・と見せかけのフェイント後、ボディーわき腹へのミド ルキック! 歪んだ顔をそのまま左からの手の平で叩き、そのまま手の平を戻しての肘打ちっ! 続けて左足を顔の前を通過しながらの内回し蹴りっ! 『ぐぇぇぇーーーっ!』 ==ズボっ ドサドサ彡 対面のビルに激突し、路面を転げ苦痛の表情を見せるキジュロ。 尚も起き上がり目線を後方に、そして振り返り再びリツコに向かって襲い掛かろうとした 瞬間っ! ギロっとした眼球が、血管が浮き出るほど驚いたっ! リツコ 「 たぁーーーっ! 」 ≡≡≡≡≡ズボっ!★ 既にキジュロに向かって移動していたリツコ、その強烈な後ろ回し蹴りが炸裂っ! キジュロの身体が宙を舞う。 『ぐぉぉぉぉぉっ!』 ==ズボっ ドサドサ彡 受身無く、再びビルに激突っ! そして地面に打ち付けられたキジュロ。うつ伏せの状態から ゆっくりと腕を伸ばし、顔を上げて、 スペック-3戦闘員 キジュロ 「こ、この女・・・、お、おれの速度を上回る・・・だと・・・? す、すると貴様が姉貴か?」 今度はリツコが腰に手を当て、黒色に灰色の龍の刺繍のあるチャイナの、大きく割れたスリット からこれまたお宝のような脚線美を惜しげもなくさらした生脚を横に出し、 リツコ 「ごめんね、私はスペック-3のリツコ。 だけど日々凄腕の教官から鍛えられていてね、もう只の3じゃないの♪」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュルジュル、ふっ、貴様がリツコか。。。面白い。 ならばもっと楽しませてくれるってことだよなぁ~。」 そうつぶやくと、スっと立ち上がるキジュロ。 リツコ 「こ、こいつ・・・思ったよりタフ・・・。」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「今度は油断も容赦もしないぞぉ~。 ジュルジュル、覚悟しろーーっ!」 赤く長い舌をベロロ~ンと出し、目を吊り上げたキジュロ、リツコに向かい突如猛進を始 めたっ! リツコも目付きが変わり拳をきつく握り締め、しっかりと構えを取った。 突進するキジュロっ! だが、スッとその姿が一瞬消え、高さのある高架橋の石垣の斜面 をものともせずにバンクを利用して凄いスピード駆け抜けるっ! そして再びリツコに向か って、放った矢のように一直線に飛び掛かったっ! 『キェーーーーっ!』 利江 「速いっ!」 ゆうすけ 「まるで爬虫類のような俊敏さだっ! リツコさんっ!」 シュシュっ! 目前に迫るキジュロを後転飛びで回避したリツコ! キジェロは通過して、反対側にあったビルの壁を蹴り、再びリツコを襲うっ! シュシュっ! リツコは前方回転で回避するっ! 高架橋の石垣の斜面を蹴り、切れ間無くリツコを繰り返し襲うキジュロ。 だが、次の攻撃には 今までとは異なる動きを見せたリツコ。 今度は避けずに、キジェロに向かって数歩ステップして身体を捻るようにして前方に側転し、 左足の外側でキジュロの顔面に、強烈な蹴りをカウンターで見舞ったっ! ====ズゴーーーンっ★ 『ぐぇぇぇーーーっ!』 ズバン! ズボッ> 高架橋下、左方にあった電話ボックスをなぎ倒し、高架橋の石畳に突き刺さるキジュロっ! 大勢のスペック-1が囲む中、みな驚きの顔に変わるっ! スペック-1戦闘員 『うわ・・・』 『キジュロ様が・・・』 『うそ・・・』 だがこの女性(ひと)は・・・、 和恵姉さん 「少し甘いわ・・・。」 ( 腕を組み、スリットから横に足を出し、一点を見つめたまま ) 片手を地面に付き、深く割れたスリットから片足を伸ばした姿勢でキジュロが刺さった石垣を見 つめるリツコ。 だが・・・、 -つづく- (ちょいと手元が滑っちまったのよね) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 11時16分57秒
コメント(0) | コメントを書く
[第四章 4-364 ~ 420 話] カテゴリの最新記事
|
|