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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2011年11月07日
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.
 その日の未明。 月明かりが煌々と照らすひとつの民宿。
 ここの玄関より、3人の少年少女達が物音一つさせないように静かに出て行く姿があった。

 辺りには、フクロウの、そして虫たちのやさしい鳴き声がその3人を包むように後押しして
 いた。



 この時、遥か遠い人気のない岩肌の山中では、月明かりの光を帯びて、徐々に、そして鼓動
 するかのよう周期的に何かが青い光をやんわりと放ち始めた。そしてまたしばらくすると、
 その鼓動を止めて再び沈黙したのであった。



  ~
    ~

 チリチリチリ   リーンリーン   ホーホー
 虫たちや夜行性の動物達の静かな合唱や鳴き声が、心地よく響く。 この壊れた道場付近も
 例外では無かったが、朝日が見え始めるころには、早起きの鳥達の鳴き声が響き渡るように
 変わっていた。

 ひよこチュンチュン  ひよこチュチュチュ
 その爽やかな鳴き声を、やがてどこからともなく聞こえてきた複数の車の走行音が打ち消し
 始めた。

 車 キィーーーー    バタン  バタン   バタン

全拳武道団員
  「お疲れ様でした。」
???1
  「うむ。」

 あちらのワンボックスからも、

全拳武道団員
  「到着しました。」
???2
  「おぅ、ご苦労。」
???3
  「やっと着いたか。」

 運転していた武道団員が、後部座席の扉を開けて中の団員を下ろす手引きをしていた。
 各車両から真っ先に降りてくる団員から、丁寧に持て成されて降りてきた3人の男達。

???2
  「久しいのぉ、慙愧(ざんき)。 動く処刑台のお主も呼ばれたか。」
[ 全拳武道団 ]北海支部 支部長 動く処刑台 慙愧(ざんき)
                        /???1(改め)
  「ほぉ、無倒の大木(たいぼく)と呼ばれる山神、お前さんもか。」

[ 全拳武道団 ]北関東支部 支部長 無倒の大木 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
                              /???2(改め)
  「我々が顔揃えるとは・・・。」

???3
  「おれも居るぜ~。」

[ 全拳武道団 ]北海支部 支部長 動く処刑台 慙愧(ざんき)
  「なんと! 駿、お前までも?」
[ 全拳武道団 ]信越支部 支部長 疾風の駿 颯 駿(ハヤテ・シュン)
                             /???3(改め)
  「ま~ったく。 熊ちゃんは何を考えているのやら・・・。」

[ 全拳武道団 ]北関東支部 支部長 無倒の大木 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「疾風の駿までかよ。 地球でも滅ぼそうってのかゲルヴァンツのやつは・・・。」

 こんな会話の中、車両からは各支部選りすぐりの[ 全拳武道団員 ]達が次々と降りて
 いた。

 そこへ、


[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「これはこれはお揃いで。 長旅、お疲れ様でした。」
[ 全拳武道団 ]北海支部長 動く処刑台 慙愧(ざんき)
  「こら大木! おれ達がここまでして揃わなけりゃならねぇ理由ってなちゃんとあんだ
   ろうな。」
[ 全拳武道団 ]北関東支部長 無倒の大木 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「聞かせてもらおうか。」
[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「はい・・・。 それは・・・」

[ 全拳武道団 ]東北支部長 暴れ熊 ゲルヴァンツ
  「その先はオレが話そう。」  ( のっし、のっしと近づいてくる。 )

[ 全拳武道団 ]北関東支部長 無倒の大木 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「よぉ、ゲルヴァンツ。」
[ 全拳武道団 ]信越支部長 疾風の駿 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「なんだよ熊ちゃん、その包帯は。」
[ 全拳武道団 ]東北支部長 暴れ熊 ゲルヴァンツ
  「ちょいと親指の骨折だ。 見た目ほどではない。」
[ 全拳武道団 ]北海支部長 慙愧(ざんき)
  「てめぇ、そんなもん背負いやがって。 たるんでんぢゃねーのか?」
[ 全拳武道団 ]信越支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「そんなことでおれら呼んで仕返しか?」
[ 全拳武道団 ]北関東支部長 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「大げさ過ぎんか、ゲルヴァンツ。」

[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「仕返しではない・・・。」

 各車両から降りてきた各支部の精鋭たちが、各々自分の支部長の後方に集まった。
 そして東北支部長 ゲルヴァンツの話に耳を傾けたのだった。



  ~
    ~


[ 全拳武道団 ]北関東支部長 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「たったの4人でか・・・?」

[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「厳密にはチっこいの除いて3人だ。」

 地面に腰掛ける者、倒壊した道場兼支部の廃材に腰掛ける者が囲う中、ゲルヴァンツ
 の話は続く。

[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「3人の内、大木をやったのが男。 そしておれとやったのが女二人だ。」

[ 全拳武道団 ]北関東支部長 山神 大樹
  「大木、きさまスペック-1で有りながら、一般人にやられただと !? 」
[ 全拳武道団 ]信越支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「それを言ったら、熊ちゃんは、一般の女2人にやられたってことだぜ。」

[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「うむ・・・。 だが不に落ちんことが・・・。
   それまでの打撃は普通だったのに、最後の一撃が強烈で、どっちの女かわからんが、
   このオレ様を、身体ごと吹っ飛ばしやがった・・・。」
[ 全拳武道団 ]北海支部長 慙愧(ざんき)
  「有りえん。 熊を建屋モロとも破壊させるほどの蹴りなど、一般人には出来んこ
   とだ。」

[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「ですが、現にこうして・・・。」

 大木の言葉に、倒壊した道場、座っていた廃材にお尻を載せていた者も皆荒れ果てたその
 姿を見つめた。

[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「つまり、現実がこの姿。
   そしてスペック-3であるこのオレ様を、仮に油断してたとしても大差のあるこのオ
   レ様を、ここまでやるやつが現れたってことよ。」

[ 全拳武道団 ]信越支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「まぁ確かに。
   油断しまくってても、おれらスペック-3は余裕有り過ぎらぁな。 一般人とは。」
[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「念には念を。 この戦力で足りるのなら越したことは無い。
           うっ !!  ・・・もしかすると・・・」
[ 全拳武道団 ]北関東支部長 山神 大樹
  「もしかすると・・・? どうした。」
[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「うむ、我らを戦闘員と言い、中華皇国の異人の話もしていた。
   もしかすると総帥様がおっしゃってた、中華皇国のやばい方の二人なんじゃねぇ
   か…?」
[ 全拳武道団 ]北海支部長 慙愧(ざんき)
  「すげー女二人の話か・・・。」
[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「な、なるほど・・・。 それなら我々の失態に説明がつきます。」

[ 全拳武道団 ]北海支部長 慙愧(ざんき)
  「そういうことか。
   わしらはまだお目に掛かっていないからな。実際に手合わせしたゲルヴァンツの感覚
   を信じるとするか。 この我らを集めたってところを。」

[ 全拳武道団 ]北関東支部長 山神 大樹
  「分った。
   で、そいつらはしょっ引いてこれるのか?」
[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「は、今うちの団員達が、ねぐらを探しております。 やつらが行動を開始する時間
   になれば、発見も容易いかと。」

 と、その時、

 『 むにゃむにゃ~・・・ イッ クシュっ! 』
                         雫 じゅるじゅる~


[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「誰だっ!」

[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「ふんっ!」  ( 手にする薙刀(なぎなた)を音のした木の枝に投げつけたっ! )

  ビュン ビュン ビュン   きらきらスパンっ
                     ぎゃっ       ガサガサ…
                                 ドスン彡

                            『おぉ・・・痛っっっ・・・』

 木の枝は スパっ と切断され、舞い散る葉っぱの中に一人の人間も混じり、お尻から落ちてきた。

[ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平
  「きさまはっ!」
[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「昨日のチっこいやつ!」

[ 全拳武道団 ]北海支部長 慙愧(ざんき)
  「ほぉ。」
[ 全拳武道団 ]北関東支部長 山神 大樹
  「こいつか。」
[ 全拳武道団 ]信越支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「おれも大柄じゃないが、ほんとちっちゃいねぇ~。
   熊ちゃん、こんなやつに怪我させられたんかい・・・?」
[ 全拳武道団 ]東北支部長 ゲルヴァンツ
  「そうだ。」

ナンちゃん
  「なんだよなんだよぉ~。 人がせっかく良い気持ちで寝てたのに・・・。
   起床時間前に起こすなんてひどいや・・・。」  ( ゆっくりと立ち上がりながら。 )



                                 -つづく-




第4-402話 先手 -2 へ
 (スッポンポンのスケスケ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月08日 13時17分25秒
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