カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
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ゆうすけ 「えぇ・・。 あっちでは、スペック-3が三人増えて臨んできたようなんです。」 カウンターのイスに足が宙ブラで、背もたれを逆向きにして、抱えるような姿勢で話す ゆうすけ。 リツコ 「三人もっ !? 」 ゆうすけ 「他の支部の支部長達だそうで・・・」 和恵姉さん 「その武道団、内部は完全に戦闘員の施術に染まっていることになるわね。」 ゆうすけ 「軽く考えていました・・・。 こういちが居れば大丈夫と・・・。 でも、力を隠したこういちで、チーラン、スーランではその人数では辛過ぎます。 何より椿さんが負傷したようですし・・・。 やはりリツコさんにあちらに回って頂いた方がよかったのなと・・・後悔してま す・・・。」 ( うつむき加減で・・・ ) リツコ 「まぁこっちはスペック-3は一人だから。。。 でも椿君が負傷したなんて・・・。」 和恵姉さん 「それで少し重い雰囲気だったのね。 ゆうすけ、こういちを信じなさい。 誰よ りも一番こういちを知っているのはあなたでしょ!」 ゆうすけ 「え、・・・まぁ。」 リツコ 「私もあちらに合流しましょうか・・・?」 ゆうすけ 「それはちょっと待って下さい。 戦力的には向こうも助かるでしょうが、こんな話があったようです。 やつらは、チーラン、スウランを見て『噂の女共か。』と言っていたようです。 これは恐らく姉さんとリツコさんと間違えてくれていると思います。 そうであれば、こういちから目線を外させる作戦は予定通り浸透していると取れ ます。 それにこちらは利江ちゃんがさらわれてしまい、姉さんだけでは手が足りなくな るかもしれません。 作戦を練りますので、それが固まるまでは待って下さい。」 和恵姉さん 「そうね。 利江ちゃんの件は全く手掛かりが無いのだから、ちょっと難題だわ。 それに、あの竜巻男のゴンちゃんも謎だし・・・。 まっ、さらう理由があるんだから、命を奪うことは無いと思うけど。」 ゆうすけ 「そうですね。 一連の出来事。 何かいくつもの思惑が絡み合っているように感じます。 あのスペック-3のキジュロ達の騒動。 何か裏があるようだし、一緒にいた竜 巻男セルフィーも、戦闘員と一緒になって利江ちゃんをさらおうとしていた・・・。 それに我々を良く知る口調も出ていたけど、姉さんとリツコさんの区別もつかな い程度・・・。 そして同じスペックが悪さしている福の島の一件。 当然、こういちを初め姉さん、リツコさんを知っている。 でも、ここでも女性 二人というだけで姉さんとリツコさん達との区別がつかない・・・。 つまり、本人達は話に聞いているだけで、実際に戦ったり見たりの経験はその時 点までは無い。さらに、竜巻男セルフィーと、福の島の作業着の・・・えっと・・・、 西艶 凌紀(さいえん りょうき)と名乗る男二人が、[陳家南流] の事を口走 っていた・・・。 何故この二人は [陳家南流] を知っているのか・・・。 こりゃちょっと解くのに時間掛かりますね・・・。」 ~~~ ~~~ ~~~ チーラン 「何っ! 利江がさらわれたっ !? 」 椿 勇姿 「えぇ、突然現れた男に・・・。 ゆうすけ君曰く、ザウバー達と同じ瞬間移動 を使うらしい。 それに竜巻を自在に操るセルフィーと名乗る男が、[陳家南流] と口走って いたようだし・・・。」 民宿の広い座敷の一角。 騒動後はここの部屋を使ってよいことになったようだ。 大きなテーブルを囲う7人。 スウラン 「こっちの作業着男と一緒だ・・・。」 チーラン 「あーん、もう! 何が起きてるんだっ!」 綿来(わたのき)師範 「なんですか? その陳・・・って・・・。」 椿 勇姿 「え、あ・・・その・・・」 こういちの事を隠しつつ、どう説明したら良いか迷いながら話し出す椿。 それを被せ るように、 ナンちゃん 「おいら達にもわからないんだよ。 何かあっちこっちで共通に出てきた言葉らしい けど。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「それよりさ、これからどうするの・・・? 支部長たちまで出てきちゃったんでしょ? ここも知られてしまったし・・・。」 魚沼 貴子 「ここの事は大丈夫よ。 椿さんが捕まえてくれた人達、全員を警察に預けたんだから。 今頃は留置所、誰 にも伝わっていないわ。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「でも、きっと今度は別の支部の団員も集めて仕返しにくるよ・・・。」 綿来(わたのき)師範 「どうだろう。 果たしてそこまで大げさに望んでくるだろうか・・・。」 チーラン 「なんで・・・?」 綿来(わたのき)師範 「うん、私の思うに彼等全拳武道団は、今では全国にその名を知られる存在になって いる。 その一部の支部で起きたトラブル、それもツワモノを集めて楽な展開に持 ち込めなかった訳だから、その支部長達は、自分達の [恥じ] と捉えるんじゃな いかな。」 椿 勇姿 「つまり、内部的にはこれ以上 [恥じ] は広げないと・・・。」 綿来(わたのき)師範 「そう考えるのが自然ではないかと。」 スウラン 「でも、あそこに居た支部 みんなでまた来る。」 チーラン 「だな。」 魚沼 貴子 「知名度の [意地] と [誇り] もあるだろうし。」 ナンちゃん 「叩いて落ちたら、掃除機で吸い取ればいいんだよ♪」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「あ、いや、その[ホコリ]・・・ではなく・・・ ^ ^;;; 」 魚沼 貴子 「ナンちゃん、面白~~い♪」 ( ナンちゃんに抱きつこうとする貴子。 ) チーラン 「させんっ!」 ( 素早く立ち上がり、ライダーキックを見舞う! ) それを見たスウラン、貴子とチーランの間に割って入り、チーランの蹴りを阻止しよ うと手で叩きに行くが・・・・ ポコン ほげっ ズゴっ! 貴子がその蹴りを避けようと座布団で払いにいっていたから、たまらないのはスウ ラン、後頭部を貴子の座布団で叩かれ、顔が前に出たところをチーランの蹴りに顔 面強打っ! チーラン 「あっ・・・」 スウラン 「『あっ・・・』ぢゃねぇぇぇぇっ! ( とうとう切れたスウラン ) あれほど辛抱しろ 言うたじゃろーがぁぁぁぁっ!」 目がマジに据わっている・・・。 それに "はっ" としたチーラン、 だが・・・・時既に遅し・・・ スウラン 「一般人にそこまで すなーーーっ!」 ビュ彡 ビュ彡 強烈な回し蹴りが二連発っ! ズカっ ズカっ チーラン 「くぅ・・・」 (両腕で受け流すも・・・飛ばされたっ!) 彡ドスン 倒れるチーランをきつく睨んだ後、視線を貴子に向け、 スウラン 「貴子も貴子だ。 そんなにチーラン 刺激するなっ! 年上だろっ! その光景に、椿、石釘君、師範が目をパチクリしながらポカンと口を開けたまま目線だ け三人を追っていた・・・。 魚沼 貴子 「そ、そうね・・・、ちょっと大人げ・・・なかったかも・・・。 ・・・ゴメン。」 ナンちゃん 「でも・・・、利江ちゃんがさらわれた・・・。 瞬間移動が出来るやつに・・・。」 下を向き、かなりうなだれている。 椿 勇姿 「和恵さんが居ても・・・どうにもならなかったということか・・・。」 ナンちゃん 「うん・・、リツコさんだって居た。 でも・・・」 椿 勇姿 「さぞ気掛かりだろうな・・・。」 ナンちゃん 「・・・うん・・・」 椿 勇姿 「まずはゆうすけ君の指示を待とう・・・。」 ナンちゃん 「だね、 今、何も出来ない自分がもどかしい・・・。 でも冷静に考えれば、さらう・・・ということは、何か必要性があってのこと。 命を取ることはすぐは無いってこと・・・。 利江ちゃんに怖い思いをさせるなんて・・・絶対に・・・絶対にゆさない・・・。」 目を細めて語るナンちゃん、その表情からはうかがい知れない程、心の中は怒って いた。 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「あのぉ・・・、その利江さんって・・・」 スウラン 「ナンちゃん 彼女。」 チーラン 「チーラン 認めた、たった一人の女性だ。」 魚沼 貴子 「あら、ナンちゃん。 彼女がいたのぉ~。。。 隅に置けないわね。 私もがんばろっと。。。」 チーラン 「だから、てめぇぇぇ・・・。」 魚沼 貴子 「あら、こちらから一方的に想うことは罪にならないわよ。 チーランもでしょ?」 チーラン 「くっ・・・・」 椿 勇姿 「さて、こちらの状況だが、ゆうすけ君の指示とは別に、我々の考えもまとめてお きたいのだが。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「そ、その件なのですが・・・ 我々から出向くというのは・・・そのぉ、、、、得策ではないと思うんです。 なにせ相手はズバ抜けた腕前の支部長が四人。 こちらはチーランさんとスウラ ンさんの二人。 腕が互角でも数の上で不利だと思うんですが。」 綿来(わたのき)師範 「私も同感だな。 既にこちらから出向いて手を出してしまってはいるものの、相 手は野生の狂犬と同じ。 死にモノ狂いで我々を倒しに来る。 死に急ぐことは・・・。」 ナンちゃん 「待っていてはダメだ。 やつらの作戦にハマってしまう。 尚一層不利になるさ。」 椿 勇姿 「すると・・・?」 -つづく- (あ、あ、明日~?) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 13時36分19秒
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