■ ドラマ　永久の彼方へ

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リツコ
　　「あの・・・　（こういちの顔色を伺いながら・・・）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちょっといいかしら・・・。」
こういち
　　（ 　・・・・　 ）

　先程から、必要以上にこの件になると気を使っているリツコ・・・。
　こういちから話が出ないので、まだ内密にしておいた方がいいのかと心配してのことだった。


北見健吾
　　「何でしょうか？」
リツコ
　　「今日の・・・　
　　　　（ またもやこういちの顔色を伺いながら、 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　全拳武道団 ［本部］での･･･」

　チーランもこういちの顔色を伺っていた。
　そのこういちが話を止める動きがないので、リツコとも目線を合わせ・・・、
　そして、

チーラン
　　「あの団長の側近５レンジャーの中に、　・・・・　Ryuichi　・・・・　いた。」

スウラン
　　（ っ !!　 ）
和恵姉さん
　　「なんですってっ！」
ゆうすけ
　　「えぇぇっ！」


北見健吾
　　「誰だそりゃ・・・？」

こういち
　　「おいらと同じ血の系統を汲む、陳南家 の分派のやつさ。」
チーラン
　　「こういちと、ほぼ同じような［力］の持ち主・・・。」
北見健吾
　　「なんだとっっっ！
　　　そんなのが敵にっっっっ！」
　　　　（ 顔形が変わるほどの驚きようだ。 ）

スウラン
　　「あの［黒マント］が・・・。　　どうりで、初めてじゃない気がしたある。」
ゆうすけ
　　（ やつが何故スペック連中と行動を共に・・・
　　　　　　　　　　　　　 　一匹狼のような男・・・それが何故・・・。）

こういち
　　「あいつ・・・、はなからおいらと戦う意志が無かった。
　　　なのに自分で始末するとシャシャリ出てきて・・・、
　　　面と向かうと、しきりにチーランとスウラン、そしてリツコさんを気にしてた。」
リツコ
　　「はい、そして戦闘の時は、私に合わせる・・・というか、最初だけ蹴りを打ち
　　　込み、自分の速さと能力の違いを見せ付けてきた。
　　　　　　　　　　　　　　　私は驚きました、正直・・・。　自分よりも速いと。
　　　ところが気付いたんです、感覚が姉さんと手合わせしているのと似過ぎるほど
　　　似ている事に。
　　　姉さんが手加減して頂いている状態と、まさに重なり合いました。　その時に
　　　判りました･･･､
　　　この男・・・、 Ryuichi だと。

　　　その後は団長の前で力の差を見せ付けるも、私に攻撃はしかけてきませんでし
　　　た。一方的に私の繰り出す技を受けて、避けてと・・・。
　　　本気の彼でしたら、最初の一撃でもう終わっているところです。
　　　それをわざわざ・・・本来、そんな小細工する人ではありませんから・・・。
　　　何か企んでいると感じ取れました。」
こういち
　　「あいつは・・・わざとおいら達をあの場から退散させたかったのさ。
　　　［気砲］打つ時にあんなにのんびりと構えていたら、一度ならずとも目にした
　　　飛び道具、おいらがわからねぇハズもないのに・・・。
　　　ちゃんと３人を回避させてくれるかおいらの行動を確認しながらだったよ、
　　　ぶっ放したのはね。」
和恵姉さん
　　「ふぅ～ん。。。　なんか可愛いとこあるじゃん、あのバカ。
　　　あんなにこういちを目の仇にしてたのに。。。」

ゆうすけ
　　「す、すると、何か Ryuichi も掴んでいて、今は敵・・・ではなく、やつら
　　　の懐に潜り込み、様子を探っているのか、
　　　　　　　　　　　　　何かのチャンスを狙っているか・・・ってところか。
　　　その目的に、今こういちとドンパチやるのは好ましくないと・・・。」

チーラン
　　「あのイケイケが・・・・　我々を逃がしてくれた・・・。」
ゆうすけ
　　「にしても、陳南家 を知る、あるいは深く関わる者が集まり過ぎている･･･。
　　　また解けた糸に、別の何かが絡まってきた気がする･･･。」
こういち
　　「で、どうする？」
ゆうすけ
　　「ん～～、
　　　椿さんをまだ福ノ島県に当てたままだけど、必要ないかもしれない･･･。」
チーラン
　　「なぜだ・・・？」
ゆうすけ
　　「おれがやつらの大将だったとすると、全拳武道団の組織力を利用して、利江
　　　ちゃんの居場所の発見に力を集中させるな。
　　　さらう目的から、探す目的に。」
スウラン
　　「やつらもゆうすけと同じ考え　持つあるか？」
北見健吾
　　「ゆうすけの推測が当たれば・・・」
和恵姉さん
　　「というより、同じ方向で頭を働かせるか・・・が正解ね。」

美咲先生
　　「ねぇ、ならばさ、その［本部］に忍者みたいに忍び込んで、動きを知るって
　　　のはどぉ？
　　　［本部］なら、号令の発する元でしょ・・・？　ダメ？」

とくさん
　　「私も同じ発想を持ちましたよ。」
ゆうすけ
　　「うん、それいいかも。。。」
スウラン
　　「よし、ならスウラン　それ行く～♪」
チーラン
　　「ダメだ。」
スウラン
　　「なんで・・・」
チーラン
　　「もしいざこざになった時、我らではあの［赤い］やつに勝てるか･･･？
　　　それに他の［青］、［緑］の能力が解らん。　見す見す命を捨てに行く
　　　ようなものだ。
　　　　　　　　　　　　了承できん。」
和恵姉さん
　　「大人になったのね、チーラン。。。」
チーラン
　　「カ、カズエ・・・、茶化すな・・・。」
　　　　（ 顔を真っ赤にしてテレまくるチーラン ）
スウラン
　　「わ、分った　ある・・・。」

和恵姉さん
　　「じゃ、決まりね♪
　　　こういち、行くわよ。」
こういち
　　「うん。。。」

美咲先生
　　「えぇぇっ！　二人そろい踏みで・・・？」
ゆうすけ
　　「別に戦いに行くわけではないけど、二人の力なら隠密に情報が集め易くなり
　　　ますって。
　　　今は、やつらの動きの情報が大事だし、他に入手する手立てがないですから。
　　　おやじも何か情報が入ったら教えてくれ。」
北見健吾
　　「分った。」


～～～
　　　～～～
　　　　　　～～～


全拳武道団 ［本部］ 武道団長　スナーグ
　　「・・・・　という事だ。　全支部上げて捜索してくれ。
　　　いいか、必ず探しだすんだぞ。　我が全拳武道団の名にかけて。」

　『ははっ！』

　大きな講堂内に壇上があり、マイク越しに話を終えた団長スナーグ。
　その横に五色のマントに身を包んでいる５人が会場を睨みつけている。
　そして講堂の、５人が睨みつける先には、畳の上にあぐらを組んで座る各支部長達。
　そう、この５人も姿を現していた。

全拳武道団 ［北関東支部］ 支部長 山神 大樹（やまがみ・たいじゅ）　無倒の大木
　　「熊、助かったじゃないか。」
全拳武道団　東北の荒熊　大木竜平
　　「うちの支部の出来事の事ですか。」
全拳武道団 ［東北支部］ 支部長 ゲルヴァンツ　暴れ熊
　　「そうよな、団全体での ［捜索発動］ のお陰で、バレる事無く済みそうだ。」
全拳武道団 ［北海支部］ 支部長 慙愧（ざんき）　動く処刑台
　　「ふん、洩れては困るわい・・・。」
全拳武道団 ［信越支部 ］支部長 颯 駿（ハヤテ・シュン）　疾風の駿
　　「おれらも同罪だかんな。」
全拳武道団 ［東北支部］ 支部長 ゲルヴァンツ　暴れ熊
　　「あんな小娘２人に・・・いい笑いものよの。」

　その後散会し、ぞろぞろと講堂から出て来るイガつい集団・・・。


全拳武道団 ［四国支部］ 支部長 猪田 十五郎
　　「しかしのぉ・・・写真一枚でどう探すかの・・・」
全拳武道団 ［南九州支部］ 支部長 菊永 英知（キクナガ エイチ）ドンコドン
　　「こまいとこに潜まれてよ、ドブ板全てかっぱらって探すかぁ～？
　　　ビッチャドン（小さい蛙）一匹探すのとさしたる差がなかとよのぉ・・・。」
全拳武道団 ［北関東支部］ 支部長 山神 大樹（やまがみ・たいじゅ）　無倒の大木
　　「こらドンコ、声がデカイぞ・・・。」
全拳武道団 ［南九州支部］ 支部長 菊永 英知（キクナガ エイチ）ドンコドン
　　「わりぃわりぃ・・・。」


全拳武道団 ［北海支部］ 支部長 慙愧（ざんき）
　　「どうだドンコ、ひとつ手合わせしていかんか？
　　　北と南の両端の我ら、中々拳を交える機会がないからの。」
全拳武道団 ［南九州支部］ 支部長 菊永 英知（キクナガ エイチ）ドンコドン
　　「それは願ってもねぇ～。　よっしゃ、一丁やったるか。」

　まばらとなった講堂に引き返す二人。
　そんな姿を見つめる暗闇に光る４つの瞳・・・。

　その二人とすれ違うように出てきたのが五色のマントに身を包んだ５人。
　出口付近からはみな行き先がバラバラのようだ。


［赤マントの男］
　　「グリーン、おれは団長の側にいく。」
［緑マントの男］
　　「分った。　おれは今の二人の試武でも見物してくるか。」
［青マントの男］
　　「では、私もレッドと共に団長に付き添う事にする。」
［黄色マントの男］
　　「他の支部長と逢ってくるか。。。　ブラックはどうする？」
［黒マントの男］
　　「ふん、いちいち居場所教えておくなんざ軟弱なこった。
　　　おれはトイレにでも行ってから考えるさ。５人がん首揃えて団長の側近、今日
　　　は必要なかろう。」

　冷めた会話の５人、それぞれに歩み始めた。

　［黒マントの男］は、トイレを済ますと、何故か人気の無い所、無い所を歩いて
　いた。

　そして





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－




第4-418話　告知 -02　へ
　（ワクワクしているらしいよ）




　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

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