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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2016年08月09日
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[近衛軍長 補佐]スウラン
  (チーラン、間が・・・空いてしまったアル。)

[近衛軍長]チーラン
  (うむ。)

 チーランは目線を落とし後方に頭を傾け、下に伸ばしていた右手を広げてゆっくりと手首を曲
 げて手の平をゆらゆらと後方に振っていた。

 この男が穴から這い上がってくる。

[赤マント男]
  「貴様らぁ、汚い手を使いおってぇぇ!」

[近衛軍長 補佐]スウラン
  「スペック-3 や 飛び道具、そっちも十分 汚い手 アルよ。」

[近衛軍長]チーラン
  「[魔物の住む山]、舐めるな!」


 そこへ、

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「レッドよ、苦戦しておるようだな。」

 全拳武道団員が、後方からの声の主に一斉に振り返る。

[赤マント男]
  「だ、団長!」

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「その女の言う通り、ここは既に戦場。 体制も戦術も、そして何より戦う戦士の心、きちん
   と備えなきゃ勝てる戦(いくさ)も絶対ではないという事だ。
     いつぞやも目にしたことのある女、名を聞こう。」

[近衛軍長]チーラン
  ( くっ、完全に間を開けさせられたか・・・ それにまた合流してしまったか・・・ )
  「我が名は チーラン、大竹林寺[近衛軍長]を預かっておる。」

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「近衛軍長か、でそっちのは?」

[近衛軍長 補佐]スウラン
  「同じく 大竹林寺[近衛軍長 補佐]スウラン。」

全拳武道団 [本部] 武道団長 スナーグ
  「ほぅ、これはこれは。
   近衛軍の軍長が戦場の陣頭指揮か。 他では見ぬマレな姿だな。」
全拳武道団 [北海支部] 支部長 慙愧(ざんき)
  「なるほど、近衛軍の大将だったか。」
[赤マント男]
  「近衛軍ってのはな、自分の所の大将の側で守る役割の軍ってことだ。
   大将を放っておく笑える姿ってことだな。」

 『あはははは』

[近衛軍長 補佐]スウラン
  「ん~、前にも聞いたこと ある気がするある・・・」
[近衛軍長]チーラン
  「ふん、貴様らの常識がすべてではない。
   親衛隊ってのと間違えてるだろ。我らは近衛隊、魔物の住む山を守るが目的。
   それに笑っていられる状況か貴様ら。痛手を負っているのは我らではない。」

全拳武道団 [信越支部 ]支部長 颯 駿(ハヤテ・シュン)
  「おい、さっきのデカい連中が・・・」
全拳武道団 [北関東支部] 支部長 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ)
  「居ないぞ・・・。」

 後方から出てきたこの男が、

[青マント男]
  「ふん、軍・・・ではなく女ども、おまえらだけじゃないか。」

全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ
  「いつのまに・・・
          恐れを成して撤退したんかいな。」
[青マント男]
  「撤退・・・?
        他にも居たのか。 なら場所を移してそこに備えたってことだ。
   こいつらの砦の入り口ってところだな。」

[近衛軍長]チーラン
  ( くっ・・・ )

[赤マント男]
  「そういう事か。
   なれば各支部長は隊を連れて先を急げっ!
                      この娘たちは俺が相手する。」

 『ははっ』
   『おぃ、行くぞっ』

[近衛軍長]チーラン
  「そうはさせるかっ!」

 チーランが突進してくる軍団の先頭目がけて駆け出した!

[赤マント男]
  「だから女、相手はこの俺だって
                  『 ハッ
                         言っただろーー!」

 腕を地面に水平に振り、気刀を放つ!
 『くそっ』
       ( 横に飛び屈んで回避するチーラン! )
                          L シューーン
 頭上を通過し空を切る気刀。
 さらにもう一発!
           L シューーン
 続けて転がって回避しながら、スウランに指示を出したチーラン、

[近衛軍長 補佐]スウラン
  ( わかったアル )

 うなづくスウラン、手を挙げて空軍兵を呼び 丘の向こう側より小さく飛び去っていく。

 全拳武道団の最後方で木に寄りかかり腕組みをしていたこの男、

[黒マント男]
  ( ふっ、中々冷静だな。
    この大軍勢のうちの軍に一人で突っ込んで来るやつもいれば、それを見て助っ人どころか
    指示で移動していくやつも居る。 統制取れていやがる。
    以前と比べて進歩している・・・というより・・・ )

 回避続けるチーランを横目に、支部長率いる軍団が脇をスリ抜けて進軍をしていく。
 そして黒マント男のいる付近では、胸を抑えて黄色マント男と緑マント男も重い足取りながら
 到着したようだ。

[黒マント男]
  「今ごろ到着か。」

[緑マント男]
  「くそ、まともに食らっちまったぜ・・・」
[黄色マント男]
  「あのやろう、今回は・・・ 手を抜いてないようだ・・・」

[黒マント男]
  「ふん、一発であの世へ逝かされる術もあるだろう。 食らう方が悪い。」
[緑マント男]
  「何を!」
[黄色マント男]
  「いや、ブラックの言う通りだ・・・。 悔しいが我らの油断だ・・・。」

 苦しそうに話す二人。
 一方、

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「ジュルジュル、この女はオレの獲物だぁ!!」

 回避を続けていたチーランに、気砲を受け空いた穴の淵を伝い駆け寄るキジュロっ!

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「死ねぇぇぇぇっ!」

 ジャンプ一番両手を広げ、片方ずつ振り下ろす!
        カチ
             『フン、フン!』   チンチンチンきらきら チンきらきらチンきらきらチンきらきら

 腰の剣を引き抜き、体を回転させながら二振りし、更に片足で地面を蹴って後方に着地したチ
 ーラン。
 それを追いかけ手を振り下ろすフリをして横からの蹴りを繰り出すキジュロ!
 だがチーランはこれにもバク転で回避し片膝姿勢で右手を横に広げてキジュロを睨みつけ、

[近衛軍長]チーラン
  「愚かな。 その程度の攻撃では今のチーラン、かすりもせぬ。」
  (やはり、こいつを相手にしても互角に戦える・・・・ )

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「こいつーー、 また避けやがった!」

 蹴りぬいた姿勢をキープしていたキジュロ、手を降ろしてチーランを睨む。

[黒マント男]
  「俺が相手してやろうか。」

スペック-3戦闘員 キジュロ
  「引っ込んでろ! 俺様の獲物だーー! まだまだこれからだっ!」

 そう叫ぶと、一段ギアを上げたスピードで猛スパートを開始したっ!
 先ほどとは比べ物にならない速度でチーランに近づき、両手を広げてジャンプ! そしてチー
 ランの目前でクロスした。
      シャーーーー シュ シュ   『ハッ』
 チーランは素早くキジュロの下側から後方に抜けるように回転して避ける! するとチーラン
 が立っていた位置の後方の地面が3本ずつのラインがクロスして深くえぐれていた!
 着地と同時に後ろ蹴りを見舞うキジュロ、それを両手で受け流しキジュロの立足目がけて地面と
 平行の蹴りを繰り出すチーラン!
        『うりゃ』
    『ハィっ ハィー』
 足をすくわれ宙に体が浮くも、倒れながら左手をすくう様に一振りっ!
 チーランも更に回避はしたものの・・・
        『くっ フン!』
    『ちっ・・・ 』さくら
 右腕に3本の赤い筋が少しずつ現れ、徐々に鮮血が降ろした腕を伝い滴り落ちてきた。

 そこを左手で押さえるチーラン・・・





                              -つづく-


第4-482話 全拳武道団 進攻 -11 へ
 (ん~、困りました)



  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月09日 14時17分23秒
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