カテゴリ:第四章 4-481 ~ 560 話
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チャポーン チャポーン 鍾乳洞の天井から、長い年月を経て出来たツララから、雫がひとつ、またひとつと落ちている。 全拳武道団 [東北支部] 支部長 ゲルヴァンツ 「ほ、本当にこの洞窟で合ってるのか? 他にも洞窟があるってことはないのかよ・・・」 全拳武道団 [北関東支部] 支部長 山神 大樹(やまがみ・たいじゅ) 「白氷山鍾乳洞、地図で見たらここにしかない。 合っているはずだ、案ずるな。」 手を壁について歩を進めたり、スベらないように足元に注意をしたりとゆっくりと進む一団。 ひんやりとした空気の中、さらに奥に進むと、再びポタン、ポタンとツララ状に垂れ下がった 石灰を伝い、水滴が体を叩く。 そのころ、 白氷山鍾乳洞、入り口の見張り役に残されていた異人二人は・・・・ [木軍長]仲孫 斥(ちゅうそん せき)(新軍長) 「 疾風の木の葉っ! 」 『うわーー』 突然宙を舞ってきた木の葉の刃にズタズタに切り刻まれ、その場に倒れ込んだ。 ドサ ドサ [木軍長]仲孫 斥(ちゅうそん せき)(新軍長) 「よし、力軍 今だ。」 指示を受けた力軍兵数人が大きな岩の塊を担いできて、入り口を塞ぐように次々と積み上げて いく。 [木軍長]仲孫 斥(ちゅうそん せき)(新軍長) 「次、火軍 頼む。」 塞いだ岩の前に火軍兵およそ10人が整列して立ち、両手を一斉に岩に向けた。 そして、 ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ 全員が同じところを重ねるように放射した。 しばらくすると岩が真っ赤に変色し、さらに放射を続けると溶岩となり少しずつトロけ始めた。 続いて隣へと手際よくまた効率よく作業をすすめる。 そして岩の隙間を埋めるように溶け続け、出口は一つの岩となった蓋でふさがれていった。 ~ ~ ~ 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「聞き捨てなりませんね。 容赦しないとはまた乱暴な。 我らの邪魔、、、、とは、同行以上に目的がご一緒と察しますが。」 セルフィー 「うるさいっ! 貴様の知ったことかっ! ならばまず 貴様から消してやるっ!」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「よかろう。 お相手申し上げる。 チーラン殿、少し離れていて下さい。」 軽くうなづくチーラン、 そして、 セルフィーは左手の肘から上を胸元から前に連続で振った! 先ほどと比べ物にならない程の巨大な竜巻を二つ出現させたっ! ξξ グォォォォ ξξ グォォォォξξ それを見た西艶 凌紀(さいえん りょうき)、こちらも 『 フンっ 』 ジャバジャバジャバ。。。 力を込めると再び丘の上から再び大量の水の塊が現れ、滝の如く西艶 凌紀(さいえん りょう き)の身の回りへと吸い寄せられるように次々と移動する。 ゴゴゴゴゴゴ・・・ そして先ほどよりもぶ厚く、回転力の早い渦をもって賢固な 360度の[壁] を作り始めたっ! セルフィー 「そら踊れ踊れ、死のダンスをっ!」 竜巻を左右の手で巧みに操り、不規則に蛇行させながら西艶 凌紀(さいえん りょうき)を襲 う! ξξ グォォォォ ξξ グォォォォξξ 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「では参る。」 西艶 凌紀(さいえん りょうき)が片手の手のひらを迫りくる竜巻に向けて勢いよく前に2回 押し出したっ! すると音をたてて回る水の[壁]の外側から、遠心力も加わった勢いで直径 3mはあろう水柱が一直線に二つの各竜巻の回転が激突する端を襲った! ∠___ピシューー ∠___ピシューー ==== ズボ!\|/ ==== ズボ!\|/ セルフィー 「その程度の攻撃では、ビクともせぬはっ!」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「質量を量ったまで。 さて、これでいかがかな。」 腕を大きく回して胸元から勢いよく左右に開いた後、力強く前に向かって振りぬいたっ! すると、西艶 凌紀(さいえん りょうき)の周りを防御していた[壁]が水の竜巻の姿で二手 に分離し、迫り来る竜巻に真正面より少しズレる様に激突したっ! ξξ グォォォォ ξξ グォォォォξξ ξξ グォォォォ ξξ グォォォォξξ 轟音と共に激しい水しぶきが辺りに飛び散る! その高圧な水しぶきは、飛び散った先の丘の 斜面、立ち並ぶ木々の幹や葉、地面の土などに突き刺さったり突き抜けたりと、その激突の凄 さを物語っていた! ピシ ピシピシ ピシ ピシ ピシピシ ピシ ピシ ピシピシ 土軍兵の開けた穴に退避していたチーランも驚きを隠せなかった。 [近衛軍長]チーラン 「な、なんという力だ・・・ さすがだ・・・」 土軍兵 「うちの水軍長でも簡単にあそこまでの竜巻を起こせるものかどうか・・・。」 ( チーランの腕の傷を処置しながら話す ) セルフィー 「なんだとっ!」 驚きを隠せないのはこの男も。 ( 片手を前に出し手首を立て、見えない[壁]で水しぶきを防ぎながら。 ) しばらくすると辺りは物音が消え、水が滴る音以外はひっそりと静まり返っていた。 そして、 ザバーーーー 散らばった水滴達を、頭上後方に集めて待機させている西艶 凌紀(さいえん りょうき)、 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「先程もお見せしたように、空気と水では質量が異なります。同程度の渦巻き同士がカチ合 えば、水が勝るのは理に叶う出来事。」 セルフィー 「く、くそ・・・ 」 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「あなたもまだ小手調べ程度のご様子のようですが、今この先をまだ続けますか?」 頭上後方に待機する水滴が集合した大量の水の塊を、数えきれない程幾本もの細い尖った槍状 に変形さたり、また集合した水の塊にしたりを繰り返している西艶 凌紀(さいえん りょうき) セルフィー 「なれば、もう少しレベルを上げてやるかよ・・・ 」 にがりつぶしたような顔から険しい目つきに変わり、体全体で腕を回し始めたその時、 [黒マント男] 「まて。 お前らのドンパチを止める気はさらさらねぇがよ・・・・ だが・・・、」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「ジュリジュル、ブラック、何故止める。」 [黒マント男] 「分かってないらしいな、キジュロ。」 スペック-3戦闘員 キジュロ 「何を・・だ?」 セルフィー 「!? くっ、なんだと! 上空からの視界では姿は無かったのに・・・・」 セルフィーが周りを視線だけで確認し始めた。 西艶 凌紀(さいえん りょうき) 「ぬっ! やはり・・・・5万2千超は・・・こちらにか。」 [黒マント男] 「囲まれているんだよ、大軍勢によ。」 -つづく- (けっ、ほんとトロいやつだなお前) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月09日 14時23分07秒
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