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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2017年12月04日
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ラニーニャ
  「片付けてない・・・。 腹に一発食らっちまった・・・」

エルニーニャ
  「おぃおぃ、そりゃ穏やかじゃないなぁ・・・。」
ラニーニャ
  「あいつら、あたいが思っていたよりもヤルよ・・・。」
エルニーニャ
  「一人は骨の有りそうなヤツがいたが、他には・・・・。」
ラニーニャ
  「あたいにあんな衝撃を食らわせたヤツは今までにいない・・・。
   にいちゃん、舐めて掛かれないよ、ここの連中。」
エルニーニャ
  「そうは見えないがな・・・。 まぐれの一発がたまたま入っただけなんだよ。」
ラニーニャ
  「違う、まぐれなんかじゃない。 狙って打ち込んだ一発だった・・・。」
エルニーニャ
  「体が寝ていて、本調子じゃなかったんじゃないのか? 機嫌、直せよ。」
ラニーニャ
  「 ・・・・ 、あたいは、あたいはこんな屈辱を今までに味わったことがない・・・。
   今までが楽勝過ぎたのか、ここの連中に力があるのかわからない、けど・・・・、
   ここのヤツら、野放しには出来ないと心がそう叫んでいる・・・。」

エルニーニャ
  「『ラニ』が・・・・ 初めてだな、そこまで言うは。
   確かに、少し気になる事柄もある連中だ・・・。
   じゃ、次に出会ったら、ちゃんと相手してやるとしよう。 これでいいか?」
ラニーニャ
  「 あ・・・・、あぁ・・・・。」
エルニーニャ
  「よし、じゃまずは朝飯にしようか。」

 会話の後も、『ラニ』は下を向き思い込んでいるようだった・・・。


  ~
    ~

クラウス総帥
  「ニース博士、一晩考えたんだが、」
ニース博士
  「おはようございます。 お早いですな。」
    ( 研究用白服のボタンを閉めながら )
クラウス総帥
  「一晩考えたんだが、あの透明にというヤツ。 あれをオレに施術できるか?」
ニース博士
  「おやめになった方がよろしいかと・・・。」
クラウス総帥
  「こいつもダメか・・・。」

 身なりを整えながら、
ニース博士
  「はい、あれは実はまだ研究半ばの状態で、本来商品化出来る段階には及んでお
   りません。 課題を多く抱えておりまして。
   問題なのは2っ。
   1っは持続時間と申しましょうか、施術後はずっと、、、とはなっておりません事。
   2っ目は、この施術を受けた者の母体、自身の体に受ける副作用の反動がござい
   まして、まだ解決に至っておりません。」

クラウス総帥
  「副作用・・・だと?」
ニース博士
  「はい、
     ( 胸ポケットからタバコを取り出し喫煙火を付けた。 煙を吐き出しながら、)
   透明になる ということは[光]を皮膚に操作させる訳で、直進してきた[光]を
   反射・屈折させずに通過させています。ところが、人間の皮膚というのは、日の
   光に全く当たらなくなると、非常に強度の無い弱い皮下組織となります。
   つまり、通過させていると皮膚に[光]が当たっていない状態となり、体にさせ
   たい事と透明にする事とやっている事が表裏一体、カードの裏表の事をやろうと
   しており、どちらかを犠牲にしませんと、生物として、または透明にする目的と
   して成り立たないのでございます。
   そのバランス、程度の良いところを探る研究が次のステップでした。

   ある組織からの注文では、被基本母体が人間ではありませんでした。こちらは先
   方さんがそれでも構わないと承諾されました上、こちらもデータ取りになるので
   契約成立としましたが、 つまり、実証実験がまだ進行中といったところです。」

クラウス総帥
  「オレの体を持ってしても、その皮膚の脅威ってヤツは付きまとうのか?」
ニース博士
  「左様です。総帥様は今、強靭な筋力をお持ちです。ですが、それをまとう表面
   や包むモノがもろくなってしまうと、もはや原型を留めておられん状態になって
   しまいます。」
クラウス総帥
  「うむ・・・そういう事か。 よくわかった。 断念せざるを得んか、この方法は・・・。」
ニース博士
  「はい。」


  ~
    ~

セルフィー
  「おぃおぃ、まだまだいやがるんかよ、こいつら・・・。」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「起きるのが早いな。良く寝れたか?
   こやつら[ゾイル]は複製クローンを大量生産できる。 今は透明な状態から
   も造れる故、数には事欠かない。」

 セルフィーが見渡す周囲、見上げる上方から奥へとズラーっと並ぶそのクローン生
 成装置の数に、セルフィーも空いた口が塞がらない・・・。

セルフィー
  「こりゃ金、掛かってるな・・・。」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「大した事はない。1基57億程で出来る。」
セルフィー
  「はぁ~? そんなのがこの数・・・」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「我々はお金には不自由せん。 武器を売る側使う側、新種のウイルスをばらま
   く側とその解毒剤・ワクチンを造る側、、お金を使う側も受け取る側も、全て
   我らの手中だ。 解るか?
   事が起こる表も、それを解決・使う裏側もどちらも手の中。意のままに動かせ
   るのだよ。 お金なんてただの数字の移動にすぎん。」
セルフィー
  「 ・・・・ 」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「なんでも現代はカードやネットワーク上で取引しておるようだな。通帳の類も
   数字の増減だけで。 なんとも遣り易い世の中ではないか。

   それより、この機器で1体に3日程製造に掛かる。準備する必要数までには
   8000基あるからまぁ20日とちょっと必要となる。
   それまでは遊んでおれ。 準備が整ったら再び大竹林寺に進攻する。」

セルフィー
  「 ・・・・ どこかの国の、国家予算並みじゃねーか ・・・ 」

イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「今回は進化した姿から複製出来るため、即戦力として投入できる。
   今度こそ、手に入れてくれようぞ。
   まさか、再びフル稼働で生産する事になるとは、想像すらしておらなんだった
   が。」
セルフィー
  「上手くいきゃーいいがな。 また阻止されたら洒落になんねーぞ。
   それに俺は[剣]探しに付いてきただけ。
   攻め込む片棒を担ぎにきた訳じゃねー。」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「お前さんに手伝ってもらわんでよい。好きにしていろ。
   昨日は『エル』様との会話の流れで一緒に探す事になった訳だが、頼む用は元々
   何もない。 探したいのは[剣]に興味があるとぬかした、貴様の方なのではな
   いか?」
    ( 装置の稼働状況を眺めながら話をしているミカール )
セルフィー
  「役にたたねー 剣探しても始まんねーな。
   お前、見つかってねー 割には、かなりの余裕だな。 テメーまさか、本当は既に
   在り処を知ってんじゃねーのか!」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「応える義務はない。 使えるものにする、その為にパワーユニットを手に入れる。
    ( 急にセルフィーに顔を向けて、 )
   パワーユニットが別の場所に分離されている事、それを誰も知らん。[剣]は話
   題になっているから、もしかしたら誰かが見つけるかもしれん。
   だが、我々が先に探し出し手にするのはこっちなのだよ。」
セルフィー
  「くっ、分かれている事を、見つけても使える状態じゃないってことを、知るのは
   我々だけって事か。」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「そうだ。」
セルフィー
  「あのゆうすけってガキは!」
イルミナルディー[秘密結社]ミカール
  「知らんだろう。 知る由もない。 持ち主の『エル』様にしてもな。」


  ~
    ~

エルニーニャ
  「『ラニ』、飯が丸焦げになるぞ。 そんなに思い込むな。」

 イノシシの丸焼きをピンビームで刻んで、尖った棒に差して口にしていた。

ラニーニャ
  「あぁ・・・・ そうだけど・・・・。」
エルニーニャ
  「ちゃんと向き合って会話しよう。
    ( 顔と体を『ラニ』にしっかりと向き合うようにして、 )
   確かにヤツら、あの防御・・・ 受け方は尋常じゃない。今までの経験では初めて
   だ。 それに『ラニ』が受けた攻撃の話。 こちらも今までこんな事は無かっ
   た。 何かわからない心のセンサーが、昨日は離脱へと判断させたのだが。

   ヤツら、『ラニ』が思うように楽観視して対応してはいけないみたいだ。」

 もう一つの尖った棒を差し出す『エル』、






                              -つづく-


第4-543話 想悩のラニーニャ -06 へ
 (こんくらいでどぉ~?)



  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月10日 12時05分27秒
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