カテゴリ:第四章 4-481 ~ 560 話
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ラニーニャ 「片付けてない・・・。 腹に一発食らっちまった・・・」 エルニーニャ 「おぃおぃ、そりゃ穏やかじゃないなぁ・・・。」 ラニーニャ 「あいつら、あたいが思っていたよりもヤルよ・・・。」 エルニーニャ 「一人は骨の有りそうなヤツがいたが、他には・・・・。」 ラニーニャ 「あたいにあんな衝撃を食らわせたヤツは今までにいない・・・。 にいちゃん、舐めて掛かれないよ、ここの連中。」 エルニーニャ 「そうは見えないがな・・・。 まぐれの一発がたまたま入っただけなんだよ。」 ラニーニャ 「違う、まぐれなんかじゃない。 狙って打ち込んだ一発だった・・・。」 エルニーニャ 「体が寝ていて、本調子じゃなかったんじゃないのか? 機嫌、直せよ。」 ラニーニャ 「 ・・・・ 、あたいは、あたいはこんな屈辱を今までに味わったことがない・・・。 今までが楽勝過ぎたのか、ここの連中に力があるのかわからない、けど・・・・、 ここのヤツら、野放しには出来ないと心がそう叫んでいる・・・。」 エルニーニャ 「『ラニ』が・・・・ 初めてだな、そこまで言うは。 確かに、少し気になる事柄もある連中だ・・・。 じゃ、次に出会ったら、ちゃんと相手してやるとしよう。 これでいいか?」 ラニーニャ 「 あ・・・・、あぁ・・・・。」 エルニーニャ 「よし、じゃまずは朝飯にしようか。」 会話の後も、『ラニ』は下を向き思い込んでいるようだった・・・。 ~ ~ ~ クラウス総帥 「ニース博士、一晩考えたんだが、」 ニース博士 「おはようございます。 お早いですな。」 ( 研究用白服のボタンを閉めながら ) クラウス総帥 「一晩考えたんだが、あの透明にというヤツ。 あれをオレに施術できるか?」 ニース博士 「おやめになった方がよろしいかと・・・。」 クラウス総帥 「こいつもダメか・・・。」 身なりを整えながら、 ニース博士 「はい、あれは実はまだ研究半ばの状態で、本来商品化出来る段階には及んでお りません。 課題を多く抱えておりまして。 問題なのは2っ。 1っは持続時間と申しましょうか、施術後はずっと、、、とはなっておりません事。 2っ目は、この施術を受けた者の母体、自身の体に受ける副作用の反動がござい まして、まだ解決に至っておりません。」 クラウス総帥 「副作用・・・だと?」 ニース博士 「はい、 ( 胸ポケットからタバコを取り出し火を付けた。 煙を吐き出しながら、) 透明になる ということは[光]を皮膚に操作させる訳で、直進してきた[光]を 反射・屈折させずに通過させています。ところが、人間の皮膚というのは、日の 光に全く当たらなくなると、非常に強度の無い弱い皮下組織となります。 つまり、通過させていると皮膚に[光]が当たっていない状態となり、体にさせ たい事と透明にする事とやっている事が表裏一体、カードの裏表の事をやろうと しており、どちらかを犠牲にしませんと、生物として、または透明にする目的と して成り立たないのでございます。 そのバランス、程度の良いところを探る研究が次のステップでした。 ある組織からの注文では、被基本母体が人間ではありませんでした。こちらは先 方さんがそれでも構わないと承諾されました上、こちらもデータ取りになるので 契約成立としましたが、 つまり、実証実験がまだ進行中といったところです。」 クラウス総帥 「オレの体を持ってしても、その皮膚の脅威ってヤツは付きまとうのか?」 ニース博士 「左様です。総帥様は今、強靭な筋力をお持ちです。ですが、それをまとう表面 や包むモノがもろくなってしまうと、もはや原型を留めておられん状態になって しまいます。」 クラウス総帥 「うむ・・・そういう事か。 よくわかった。 断念せざるを得んか、この方法は・・・。」 ニース博士 「はい。」 ~ ~ ~ セルフィー 「おぃおぃ、まだまだいやがるんかよ、こいつら・・・。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「起きるのが早いな。良く寝れたか? こやつら[ゾイル]は複製クローンを大量生産できる。 今は透明な状態から も造れる故、数には事欠かない。」 セルフィーが見渡す周囲、見上げる上方から奥へとズラーっと並ぶそのクローン生 成装置の数に、セルフィーも空いた口が塞がらない・・・。 セルフィー 「こりゃ金、掛かってるな・・・。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「大した事はない。1基57億程で出来る。」 セルフィー 「はぁ~? そんなのがこの数・・・」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「我々はお金には不自由せん。 武器を売る側使う側、新種のウイルスをばらま く側とその解毒剤・ワクチンを造る側、、お金を使う側も受け取る側も、全て 我らの手中だ。 解るか? 事が起こる表も、それを解決・使う裏側もどちらも手の中。意のままに動かせ るのだよ。 お金なんてただの数字の移動にすぎん。」 セルフィー 「 ・・・・ 」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「なんでも現代はカードやネットワーク上で取引しておるようだな。通帳の類も 数字の増減だけで。 なんとも遣り易い世の中ではないか。 それより、この機器で1体に3日程製造に掛かる。準備する必要数までには 8000基あるからまぁ20日とちょっと必要となる。 それまでは遊んでおれ。 準備が整ったら再び大竹林寺に進攻する。」 セルフィー 「 ・・・・ どこかの国の、国家予算並みじゃねーか ・・・ 」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「今回は進化した姿から複製出来るため、即戦力として投入できる。 今度こそ、手に入れてくれようぞ。 まさか、再びフル稼働で生産する事になるとは、想像すらしておらなんだった が。」 セルフィー 「上手くいきゃーいいがな。 また阻止されたら洒落になんねーぞ。 それに俺は[剣]探しに付いてきただけ。 攻め込む片棒を担ぎにきた訳じゃねー。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「お前さんに手伝ってもらわんでよい。好きにしていろ。 昨日は『エル』様との会話の流れで一緒に探す事になった訳だが、頼む用は元々 何もない。 探したいのは[剣]に興味があるとぬかした、貴様の方なのではな いか?」 ( 装置の稼働状況を眺めながら話をしているミカール ) セルフィー 「役にたたねー 剣探しても始まんねーな。 お前、見つかってねー 割には、かなりの余裕だな。 テメーまさか、本当は既に 在り処を知ってんじゃねーのか!」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「応える義務はない。 使えるものにする、その為にパワーユニットを手に入れる。 ( 急にセルフィーに顔を向けて、 ) パワーユニットが別の場所に分離されている事、それを誰も知らん。[剣]は話 題になっているから、もしかしたら誰かが見つけるかもしれん。 だが、我々が先に探し出し手にするのはこっちなのだよ。」 セルフィー 「くっ、分かれている事を、見つけても使える状態じゃないってことを、知るのは 我々だけって事か。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「そうだ。」 セルフィー 「あのゆうすけってガキは!」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール 「知らんだろう。 知る由もない。 持ち主の『エル』様にしてもな。」 ~ ~ ~ エルニーニャ 「『ラニ』、飯が丸焦げになるぞ。 そんなに思い込むな。」 イノシシの丸焼きをピンビームで刻んで、尖った棒に差して口にしていた。 ラニーニャ 「あぁ・・・・ そうだけど・・・・。」 エルニーニャ 「ちゃんと向き合って会話しよう。 ( 顔と体を『ラニ』にしっかりと向き合うようにして、 ) 確かにヤツら、あの防御・・・ 受け方は尋常じゃない。今までの経験では初めて だ。 それに『ラニ』が受けた攻撃の話。 こちらも今までこんな事は無かっ た。 何かわからない心のセンサーが、昨日は離脱へと判断させたのだが。 ヤツら、『ラニ』が思うように楽観視して対応してはいけないみたいだ。」 もう一つの尖った棒を差し出す『エル』、 -つづく- (こんくらいでどぉ~?) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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