カテゴリ:第四章 4-481 ~ 560 話
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~ ~ ~ ゾルダ 「あーぁ、言わんこっちゃない・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「グローブ付けないでって、やりだしたのあっちだよ。」 ザウバー 「リングに上がれと言ったのもな。」 ゾルダ 「まぁグローブは有っても無くても関係ねぇーがな。」 ザウバー 「だがよ、蹴り・打撃の全てを受け切るってなぁ相手をきっちり見極めねぇと難し いな。」 ゾルダ 「どってこない連中だったじゃねぇか。」 ザウバー 「あの時のこういちだ。 オレ達どころか姉貴とRyuichi のも見切って受けてやがった。 やった事ねぇ と勇気いるぜ。 今日のオレは分かっていたから勇気なんてな必要ないが・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「そう言われればそうアル・・・。」 ゾルダ 「ったく・・・。 なんて野郎だ・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「ここでの用事、あいつだけアルね、この辺りは。」 ザウバー 「あぁ。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「折角だから、何か美味しい物食べていくアルよ。」 ゾルダ 「そいつぁーいい。」 ザウバー 「おぉ、メシにするか。」 語り手: では彼らが食事中に、その後何があったか説明しよう。。 ~ ジム男 3 「鳴らせ。」 カーーン ゴングの音がジムに鳴り響いた。 ジム男 3 「先程のバンチューローとは階級差があった。 だがこの俺なら少しは近い。ズッシリと重い体重だけでは、守りきれんぞ!」 シッっ シッシッシッ! フンー! ズカ パシパシパシ ズゴっ! 『やれやれー』『いぞいぞ』 門下生の意気が高まった応援。 シッっ シッシッシッ! フンー! ハッ! ズカ パシパシパシ ズゴっ! バシっ! バンチューローの2階級は上にあると見られるジム男 3 の拳、重い蹴りがザウバー に襲いかかった! が、 ザウバー 「口先は動かさんでいい。 早く本気で掛かってこい。」 蹴りを食らうもやはり微動だにせず、ジム男 3 を挑発するザウバー。 『おぉ・・・』 突然意気消沈するため息に変わっていく。 ジム男 3 ( こっ、こいつ! 丸で大木にでも打ち込んでいるような・・・ ) 「この程度では効かぬかよ。 ならそろそろ本気のムエタイを経験してもらうとす るか。」 シシッ シッ シッ シッ シャーー シュシュ ズンズンズン ズゴ★ 素早くも重い一撃の拳、膝、そして力を更に込めたミドルフェイクからの顔面への強 打! だが、 ザウバー 「探りはいい。口は達者の様だがおまえ、その上持ってんだろ。 早く出せよ。」 まるで避けずに受けたザウバー、そんな事を口走ったのだ。 ジム男 3 「なんだとこいつぅぅ・・・。手加減無用とな。 その上と来たか。 ならば・・・、こいつで病院のベッド送りにしてくれるっ! お望みの、 ムエタイ Spec-01 のぉ、これがこの おれの蹴りだぁぁっ!」 シャーー 師匠の本気だと胸をときめかせたリングの周りの門下生だったが、 ガシ★ ズボっ★ 一瞬で氷付いた! 今までと異なる速さと、そして渾身の力を込めたジム男 3 の蹴り! それにときめ き、『やった』と思った門下生に突如、絶望的な光景が目の前で繰り広げられたのだ! 脚がムチの様にしなって繰り出された猛烈な蹴り、ザウバーはこれを初めて左腕で 受け、目にも止まらぬ速さで次にはジム男 3 に右拳が叩き込まれ、目は血管が浮き出て くの字でロープに飛ばされる姿が! ズン ポーーン 彡ドサ ドサドサ ロープの反動で跳ね返り、リング上に転げたまま動かなくなったジム男 3 ・・・。 門下生からは声一つ漏れることなく、ただただ、起きた出来事だけを注視していた。 ザウバー 「相手が悪かったな。」 ゾルダ 「おぃ、早く担ぎ出してやれや。」 足がすくみ、その場から動く者が一人もいない。 ザウバー 「冷やかしに来た訳じゃねぇ。 ムエタイはいい競技だ。 オレらはこいつに用があっただけだ。 引き上げる。 邪魔したな。」 ロープを自ら持ち上げ、ゆっくりとリングから降りるザウバー。 3人はジムの外に足を運び、 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「格闘で利益を得ている Spec 持ちには、ほんと容赦ないアルね。」 ザウバー 「地球が無くなるかもしれねぇって時に、のんきにその力で銭儲けたぁ気に要ら ねえ。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「だから、さっきの南極調査の人には手を出さなかったアルね。」 ザウバー 「あの日、ゆうすけに貰ったオレ達の行動の手引きだ。 まだ方々に散らばってやがる。 前総帥時代の Spec 戦闘員 の残党がな。」 ゾルダ 「あーぁ、言わんこっちゃない・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「グローブ付けないでって、やりだしたのあっちだよ。」 ザウバー 「リングに上がれと言ったのもな。」 ゾルダ 「まぁグローブは有っても無くても関係ねぇーがな。」 ~ 語り手: な、なにか、いい事してません? ゾルダ 「文句あっか?」 拳を握り、振り上げて顔を出したゾルダ。 語り手: うわぁ・・・ こ、怖・・・ ザウバー 「ただの暇つぶし、それだけだ。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう) 「婚前旅行も兼ねてるアルよ♪」 語り手: は、はい・・・、そ、それは良かったですね・・・。 ~ ~ ~ チャポーン チャポーン 鍾乳洞の天井からつららを伝い、雫がひとつ、またひとつと落ちてくる。 スペック-3戦闘員 キジュロ 「なんだよ、雰囲気あるところだな。」 ひんやりとした洞窟内、さらに奥に進むキジュロ。 再びポタン、ポタンとツララ状 に垂れ下がった石灰を伝い、落ちてきた水滴が体を叩く。 時折狭いスペースだったり、突然広がったりと、薄暗い洞窟の中を進むと、突如、天 井が高く横幅もタップリの大空間に到着する。 スペック-3戦闘員 キジュロ 「んん~?」 立ち止まったキジュロの視界には、全拳武道団 支部長達があちらこちらに血反吐を 吐いて倒れている姿が・・・。 辺りを見ながらゆっくりと近寄り、足蹴りで体を仰向けにするも、 スペック-3戦闘員 キジュロ 「こいつらも逝っちまってるか。 だらしないやつらだぜ。」 遺体を眺めつつ、そう漏らした時だった。 スペック-3戦闘員 キジュロ 「んっ !? 」 何かを感じ、広いスペースを見渡しとっさに移動したキジュロ。 シャっ彡 すると、岩壁にふわっと扉の形が現れ、音を立てて開き始めたのだった。 ズズズゴトゴトゴト そして、何も知らず中から現れたのは あの[前 近衛軍副長]トンコウ。 数歩前に出ると扉は自然と閉まり始め、そしてふわっと見えなくなっていったので あった。 [前 近衛軍副長]トンコウ 「チュウラン様のご配慮で、命を救われた・・・。 本来、竹林の裏切り行為は重罪で重い刑罰か命を絶たれてしまう・・・。 ミカー ルめ、ここに攻めこむなんて聞いてないし、こんなことになるとは思ってもみ なかった・・・。 再びミカールが私を目がけて移動してきても良いようにと、しばらくここに身 を置けと。この程度の罰で済むとは有り難いことだ・・・。」 独り言でぶつぶつと口元を動かしながら、スペースの奥へと歩き出した。 岩壁の上方にへばりついて身を隠し、その様子を伺っていたキジュロ、 スペック-3戦闘員 キジュロ ( 現れては消える扉だぁ~? なんだそりゃ・・・ ) ~ ~ ~ ゆうすけ 「姉さんの話では、Spec-01 とほぼ同数と。 だから50,000体超えかな。」 [近衛軍長]チーラン 「倍近く・・・」 -つづく- (お前、ここの者か?) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月10日 13時39分48秒
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