カテゴリ:第一章 001 ~ 060 話
~~ ~~ 数時間掛けて移動した3人。 子供ザウバー 「こんな崖っぷちに?」 外人部隊傭兵 「そうだ。最高の場所だぞ。 まずはよ、始める前にと。 お前らの特訓用具を作らねぇとな。。」 そこの倒れてる運べそうで手ごろな大木を持って きてくれるか?」 子供ゾルダ 「これか?」 外人部隊傭兵 「あぁそれでいい。」 ドサ彡 傭兵の目の前に二人で転がす。 傭兵は腰から戦闘用のサバイバルナイフを抜き取 り、表面を起用に剥いでいく。 一端に短い木の棒を巻き付けて完成。ふんどしに 近い形だ。 そしてリュックから紐を取り出した。 外人部隊傭兵 「よし、準備完了。 さぁ~てと、早々におっ始めるとするか。 まずは寝泊まりする小屋立てないとよ。 柱が必要だ。そこにある木、7~8本折ってくれ 。」 子供ザウバー 「折る? この木をか?」 子供ゾルダ 「道具なんもねぇじゃん。」 外人部隊傭兵 「なんも? 既にもってんじゃねぇかよお前らは。」 子供ザウバー 「???」 子供ゾルダ 「???」 外人部隊傭兵 「お前ら身体鍛えるんだろ? だったら使えよ、自分の拳をよ。」 子供ゾルダ 「拳?」 外人部隊傭兵 「そぉよ、拳だよ。 早くしねぇと日が暮れるぞー。 ブチ折るまで寝床ねぇからな。」 ザウバーは自分の小さい手を握り、拳を見つめて いた。 子供ゾルダ 「殴って・・・折れるのか?」 外人部隊傭兵 「おぅよ、 しゃーねぇな、見てな。」 傭兵はびっこ引きながらおよそ直径10cmくらいの 木の前に立ち、 外人部隊傭兵 「おいさーっ!」 ドス★ ギギギ 「うりゃっ」 バキ★ ザザザザ ドサン彡 二人の見る前で右の一発で凹んで少し傾き、 続く左でトドメ! 見事左右一撃ずつで木をぶっ倒した。 子供ゾルダ 「うわっ」 子供ザウバー 「出来んだ、拳で・・・。」 外人部隊傭兵 「わりーな、細めので。 足踏ん張れねぇから今はこれくらいじゃないと。 お前らはこれを拳に巻け。」 子供ゾルダ 「なんだこれ・・・?」 先ほど傭兵が作ってた物を渡される。 外人部隊傭兵 「拳の保護だ。」 子供ゾルダ 「保護? こんな軟弱なのハメてやってられるかぁ ー」 外人部隊傭兵 「お前らのためだ。 要らなきゃこっちは構わん、が ハメなきゃ数打 で拳の骨が丸見え。治るまで1ヶ月も3ヶ月も休 まれては困るんでな。」 子供ザウバー 「ハメようぜゾルダ。 要らなくなったら外せばいい。今はこいつをハメ てぶっ叩いてこの大木をブチ折ってやろうぜ。」 子供ゾルダ 「分かったよにぃちゃん。」 用意されてたのは木の皮を数枚重ねてあり、手の 甲を保護するもの。 短い棒を握り手の甲まで被せ、紐で縛ってお互い の手首に固定する二人。 外人部隊傭兵 「まずこれから1人1本倒すまで毎日続けろ。 よし、始めっ。」 子供ザウバー 「こいつをいくか。 いくぜっ えぃっトン えぃっトン ・・・ 」 子供ゾルダ 「よし、これだ。 アイサー、えぃっトン えぃっトン ・・・ 」 外人部隊傭兵 「俺は足の当て木と松葉杖作らねぇとな。」 トントン トントン トントントン トントン トントン トントントン 『同じ所叩けよー。』 『慣れてきたら腰入れて身体全体使って叩け!』 傭兵が木工作業する奥で二人が叩く音がひっきり なしに続いた・・・。 トントン トントン トントントン トントン トントン トントントン 翌朝も翌々日の朝も新たな保護当てに変えながら 来る日も来る日も二人は一日中続けた。 『拳が血だらけ、大いに結構。』 『その程度で痛いなんて思うんじゃねーぞ。』 『叩き込む拳の皮・骨・腕の筋力、足腰、根性と 全てを同時に鍛えられる。』 『今の痛みは明日の強さだ!』 そして一週間後、 ミシ! ザウバーの叩く木が発した悲鳴が聞こえた。 外人部隊傭兵 「おっ、きたぜ。 倒せる予兆だ。元気出んだろ。」 見ると一点を叩くその場所が血で真っ赤になりそ してくぼんでいた。 外人部隊傭兵 「そいつぁ屋根に使う材料だ。早いとこ材料を調達 してくれよ。」 トントン トントン トントントン トントン トントン トントントン 二時間後にはゾルダの叩く木からも ミシ! 二人の拳から赤い雫がしたたり落ちている。 そして3週間後、 外人部隊傭兵 「ようやく屋根が完成したなぁ。 寝転がるだけなら雨風凌げるスペースが手に入っ たぜ。」 子供ザウバー 「小屋建てんだろ。まだ序の口だ。」 子供ゾルダ 「先は長いね・・・。」 ドスドス ドスドス ドスドスドス ドスドス ドスドス ドスドスドス 二人は別の太い木で打ち込みを開始していた。 外人部隊傭兵 「太陽が上になってきた。昼飯にするか。 下の川で手を洗ってこい。」 子供ゾルダ 「あいよ。」 外人部隊傭兵 「ただし、 今日はこっちから行ってくれ!」 すると突然ザウバーを崖から蹴り落した! 『うわぁぁぁぁ』 バキ バキバキ ザザ ボキボキ・・・ 子供ゾルダ 「何すんだよ!」 外人部隊傭兵 「お前さんも早ぅ行ってこい!」 続いてゾルダも崖から蹴り落した! 『うわぁぁぁぁ』 バキ バキボキ ザザ バキバキ・・・ ~~ ~~ 焚火で肉を焼く傭兵の元にスり傷血だらけの二人 が戻ってくる。 子供ゾルダ 「てめぇ・・・・」 外人部隊傭兵 「木の枝がよ、 不規則に襲って来んだろ。叩かれる事で体を鍛え られんだよ。落下速度次第で打撃力も変わる。 で慣れっとよ、こっちから枝を叩いてぶち折る事 も出来るようになるんだぜ。」 子供ザウバー 「・・・・ なるほどな。」 子供ゾルダ 「なるほどってにぃちゃん・・・。」 子供ザウバー 「落ちるまでに意味がある。 木と喧嘩なんだよ。 何回もぶっ叩かれて・・・。不規則が何よりだ。」 子供ゾルダ 「にぃちゃん・・・」 外人部隊傭兵 「そぅいう事。 分かったら腹ごしらえしろ、早くしないと丸焦げ になるぞ。」 二人は慌てて肉を刺してあった枝を抜き、焼けた 肉をほおばるのであった。 外人部隊傭兵 「折角川まで行ってるんだ、次からは飯のおかずく らいは土産に持ってこい。」 むしゃむしゃ食べながら考え込むザウバー、 子供ザウバー 「細い枝は折れてくれてた。だが太い枝は強烈な蹴 りのようだった・・・・。身体が[くの字]だ。 だから背中を見せちゃダメだ、背骨一発でやられ る。身体が横向いてりゃ横からも来る。常に下向 いて枝見てないと・・・その連続・・・。 そうすりゃ拳、肘、蹴り、頭突き、払ったりブチ 折ったり。こっちも攻撃出来る。そして着地。 一つとして同じパターンが無い。毎度新鮮ときて る。 ふっ、おもしろいぜ。」 子供ゾルダ 「まったく、にぃちゃんは前向きで直ぐにポイント を掴むよな・・・。 背中は か・・・、身体飛ばされるからそうすぐには ・・・。」 子供ザウバー 「自然が相手だ、てめーで何とかしなきゃならない んだ。文句も出ねーよ。」 外人部隊傭兵 「木殴ってぶっ倒す。 落下して木と喧嘩。 川で打ち身冷やして手洗って水浴びして。 もぅお前らの好きなメニューで進めろや。 たまに落ちる時に木を変えてみろ、 更に新鮮だぞ。 後、帰りは崖を登ってこい。いいな。」 子供ザウバー 「分かった。」 子供ゾルダ 「・・・アイサー。」 (ぐ、軍人をもやっちまうんですか)へ 登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 ● 第一章 1 話 へ ● 第二章 TOP へ ● 第三章 TOP へ ● 第四章 TOP へ ● Episode 03 Z へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年11月12日 11時33分14秒
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