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テーマ:映画館で観た映画(8533)
カテゴリ:映画館で見た映画
どうしてニコール・キッドマンを起用したのか、疑問をもっていたが、作品を見てみたら、風貌がグレース・ケリーを思わせるシーンもあった。痩せぎすで長身のキッドマンが優雅なケリーと似ているとは思わなかったが、下からななめ45度の角度で撮ったショットはケリーと見まがうほど似ていた。それ以外は清々しい美しさのキッドマンと優美で上品さを感じさせるケリーとは似て異なる感じだ。だからこそ、この役に挑戦したキッドマンを褒めるべきか? さて、作品は、このところ見る”事実に基づくフィクションである”という但し書きがついたもの。昔なら、実話作品として公開していたのだが、いつごろからか(20年くらい前からかな?)、実話に触発された作品”inspired by the true story”という表現の作品が多くなった。 優雅で高貴な王室の結婚生活を描いたものかと思っていたけれど、内容は結婚生活のジレンマ、フランスとの確執によるモナコ危機と裏事情、政治的な内容にちょっとがっかりした。夢の王室を見せてくれたわけではないから。 政治的な内容は当時のヨーロッパ情勢のこともあり、ちょっと難解だったかもしれない。監督はじめ作り手としてはその歴史的事実と社会情勢、それに王室の裏事情をからませ、夢の実現に生きようとするケリー王妃を描きたかったのかもしれない。王室内でのスパイや裏取引など、相当悪辣であった。クライマックスでのケリー王妃の演説はやや長く、愛情にあふれ、平和を願うひとびとに共鳴する内容だったと思う。なお、このとき歌われたオペラは”歌劇『ジャンニ・スキッキ』の「私のお父さん」”という曲。オペラへの造詣がなければ、なにゆえにこの曲がここで使用されたか、政治的意味がわからない。モナコという国の歴史とケリー王妃の人生、そして、ヨーロッパの当時の事情とオペラの教養をもっていれば、もっと深くこの作品を知ることができただろう。 2013年/フランス/103分/G 監督:オリビエ・ダアン 出演:ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・ランジェラ、パス・ベガ、パーカー・ポージー、マイロ・ビンティミリ、デレク・ジャコビ、ロバート・リンゼイス、ジェラルディン・ソマービル、ニコラス・ファレル、アンドレ・ペンブルン、ロジャー・アシュトン=グリフィス、イブ・ジャック、オリビエ・ラブルダン、ジェーン・デル、フローラ・ニコルソン、ジャンヌ・バリバール 原題:Grace of Monaco お薦め度 「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」★★★★(85%) 字幕翻訳:古田 由紀子 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.11.01 18:40:24
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