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テーマ:映画館で観た映画(8535)
カテゴリ:映画館で見た映画
「沈黙」の原作文庫本を読んだのが、33年前、はっきりと内容を覚えているとは言えないが、その時のショックの大きさは強烈だった印象がある。パードレ(神父、司祭)が棄教するという話。あまりにありえない話に、暗澹たる思いになった。読んだことを後悔していまうくらい痛切な思いを感じた。それほど、悲痛な悲惨な残酷な話であった。 この作品が映画化されると聞いた時から、とてもとても待ち遠しく、密かに期待したものだった。しかし、キャストをふくめ二転、三転し遅滞遅延しながらもようやく完成した作品。原作通りに作り上げることはまずありえないことではあるが、良く出来た作品だけに、ラストの棺桶のシーンはあのようなものだったのだろうか、と疑念がわいた。何しろ33年前に原作を読んだきりなので、記憶にないからといって否定することは出来ない。今一度原作を読み返して検証してみたい。 作品の前情報をなるべく入れない映画鑑賞を心がけているので、冒頭、リーアム・ニーソンが出てきた時に彼が主人公の神父かと思った。おおきな勘違い、主人公はアンドリュー・ガーフィール。「アメイジング・スパイダーマン」で主役を演じた若者だ。英語での作品であるが、設定としてはポルトガル語のようである。(ポルトガル語として英語を使っている。そこまで、気にする人、気づく人いるかな?いるだろうな。)皆、素晴らしい演技をしているが、なかでもイッセー尾形がみごとだ。流ちょうな英語、明晰な撥音。まねできないなと思えるくらい秀逸であった。塚本晋也のモキチも秀逸であった。本来好きじゃないが、小松菜奈もよかったし、加瀬亮も良かった。片桐はいりも良かったし、坊主役の中村嘉葎雄も良かった。気づけたのは渡辺哲くらいかな、そうそうたる日本人俳優たちに感服。浅野忠信も良かったが、織り込み済みなので・・・。 とてもとてもよくぞ作ったと思える作品であるが、原作の驚愕さを凌げなかったといえる。 この作品、ポルトガル人が作ったら、どうなっていただろうか? 2016年/アメリカ/162分/PG12 監督:マーティン・スコセッシ 出演:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、浅野忠信、キアラン・ハインズ、リーアム・ニーソン、 窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ、遠藤かおる、井川哲也、PANTA、松永拓野、播田美保、片桐はいり、山田将之、美知枝、伊佐山ひろ子、三島ゆたか、竹嶋康成、石坂友里、佐藤玲、累央、洞口依子、藤原季節、江藤漢斉、菅田俊、寺井文孝、大島葉子、西岡秀記、青木崇高、SABU、渡辺哲、EXILE AKIRA、田島俊弥、北岡龍貴、中村嘉葎雄 高山善廣、斎藤歩、黒沢あすか 原題:Silence お薦め度 「沈黙 サイレンス」★★★★(80%) 字幕翻訳:松浦美奈 字幕監修:川村信三 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.02.05 14:41:22
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