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テーマ:最近観た映画。(39940)
カテゴリ:家で見た映画
陳腐な邦題である。 昔、「9時から5時まで」というコメディ映画があったけれど、同様に原題と同じ「5時から7時」あるいは「5時から7時まで」という題名で良かったのでは、と思える。 不倫の映画であるので、ちょっと先進的な考え方の男女関係のとらえ方で描かれるのはややこしいというかすぐには納得しにくい感じであった。でも、そういうものの考え方があるんだと抵抗せずに見続けると、二人の関係が周知されていくにつれ、戸惑う親族も登場したりして一般的な考え方も示している。そして、真摯なる恋にして、行きつく先があるべき形なのか、意外な形というか、映画を見慣れた私でもまったく予見もできなかったクライマックスであり終幕であった。 クライマックスまでは、予想だにできない展開であった。思ったより真摯でナイーブでそれなりに楽しめるといえる普通の作品だと思えたが、その後をなぜ引き続き描くのか疑問だった。終幕、その疑問が解決されただけでなく、そのワンカット、ワンシーンで血圧が急上昇するくらい印象的に感じた。このために余談があったのかと。 とてもお勧めしたい作品となった。 主演のベレニス・マーロウが素敵な婦人を演じていて素晴らしい。アントン・イェルチンが作家の卵を演じている。冴えない感じの青年の彼を見た記憶のない俳優だなと思ったけれど、活躍していた若手俳優であった。しかし、不運な事故死で27歳で亡くなっている。残念である。 2014年/アメリカ/97分/ 監督:ビクター・レビン 出演:アントン・イェルチン、ベレニス・マーロウ、オリビア・サールビー、ランベール・ウィルソン、フランク・ランジェラ、グレン・クローズ、エリック・ストルツ 原題:5 to 7 お薦め度 「5時から7時の恋人カンケイ」★★★★☆(90%) <ネタバレ> こんなに真摯な愛の物語があったとは。出逢ったときは相寄る魂で、お互いが見初めあったことが後々わかる。そのことは冒頭ではわからないまま、男が女を街でナンパした始まり。不思議な再会の約束をして逢瀬を重ねる。二人きりで部屋に入ってもベッドシーンはない。裸体をさらすこともない。昔の映画作品のように、ことがあったことを観客に想像させるシーンで表現されるけれど、この撮り方でいいと思える。まともな作品にはベッドシーンが必ずしも必要とは思えないから。(ベッドシーンがあることによって興醒めする場合もあるかなと思えるので)5時から7時までの2時間だけがデートできる時間。フランスには5時から7時は不倫の時間ということわざがあるとのこと。 男は作家の卵というか、無職のような生活。女は仕事をしているようなのだけれど、それもわからず、家庭を守る生活。たとえ不倫をしようとも家族崩壊はさせない。それだけでなく、とてもオープンで夫にもすべてを打ち明けている。そして、その夫が彼を突撃面会して歓待する。おどろく展開だ。家族パーティにも招待されるが女性の生活を知るにつれて、自分の立場に困り、深まっていく女性の愛にプロポーズを決行する。 クライマックスは驚きの展開だ。 そして、その後の余談。エピローグ。 見ていて、なぜエピローグを描くのかと思ったけれど、ラストの指輪を見た時にわが身は沸騰した。このためのエピローグ。このための映画作品。 とてもとても感心した。 フランク・ランジェラとグレン・クローズといった年配の有名俳優が作品に花を添え、グレード・アップした感がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.08.31 22:12:18
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