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テーマ:最近観た映画。(39937)
カテゴリ:家で見た映画
忘れられない”Up Where We Belong”の名曲。 この曲がラストに流れるとき、私は涙していた。 映画公開時と数年前のテレビ放送、そして今回NHK-BSプレミアム放送で、三回目の鑑賞。時代は違えど、20歳前後の若者が見るべき作品だと思う。 男女関係において、将来の夢に対して、家族との軋轢など若者を取り巻くいろいろな問題、生活を海軍航空士官養成所での訓練の日々を通じて見せてくれる。 恋愛の機微(きび:表面だけでは知ることのできない微妙なおもむきや事情、感情)をよく表してくれた作品だと思う。 なんといっても軍曹のルイス・ゴセット・Jr.が最高。主演のリチャード・ギアとデブラ・ウィンガーはもちろん、共演のデビッド・キースとリサ・ブロントもいい。 リチャード・ギアは若くしてスターとなり一線級の大スターだから説明の必要はないだろうけれど、相手役のデブラ・ウィンガーはこの作品で一躍スターの仲間入りを果たし、いくつもの名作に出演したけれど、1995年くらいに引退。その後2002年「デブラ・ウィンガーを探して」というドキュメンタリー作品で復活、女優復帰することとなる。デビット・キースは映画からテレビに活躍の場所を移しているようだ。リサ・ブロントはいろいろな作品に出演していたようだけれど2010年に死亡している。 <ネタバレ注意> 原題が「士官と紳士」なのに邦題の「愛と青春の旅だち」はいかにも情緒あふれた日本らしい題名である。思うに原題の士官も紳士も同じ一人の人物、ザック・メイヨ(リチャード・ギア)を指すと思うが、どうだろうか。自死をサブテーマとし、いじめられっ子がなんとか成功者への道を歩むには、彼には海軍士官養成所しかなかった。その数か月の訓練の間で巻き起こる地元民との交流と軋轢は、沖縄のアメリカ軍基地の兵隊にも通ずるものがあるのではないだろうか。(国境を越える問題もあるが) 教官の軍曹が鬼軍曹であると思えたが、そこには文武両道、人間的にも立派な士官を育成するという自負にあふれ、そびえたつ姿勢の良さと凛とした物言い、教官のあるべく姿なのかもしれない。 二人の女性の行動様式がその思考とともに違いを際立たせている。仲良し女友達に見えながら、二人の行動は異なる。それがこの作品に奥行きと厚みをもたらし、対する男性陣の思考の違いも行動の違いとなる。運命とは皮肉なのか、それぞれが思ったこととは違う結果を生んでしまう。それが人生なのかもしれない。ポーラ(デブラ・ウィンガー)がザックに会いに行こうとしたときに押しとどめた母の存在は大きかったといえよう。 クライマックスのストップモーション(あの姿)と”Up Where We Belong”は忘れられない。 映画字幕の戸田奈津子さんの翻訳でなくNHKBSPは篠原有子さんの日本語字幕であった。 1982年/アメリカ/124分/ 監督:テイラー・ハックフォード 脚本:ダグラス・デイ・スチュワート 出演:リチャード・ギア、デブラ・ウィンガー、デビッド・キース、リサ・ブロント、ルイス・ゴセット・Jr.、リサ・アイルバッハー、ロバート・ロジア、トニー・プラナ、ハロルド・シルベスター、デビッド・カルーソー、ビクター・フレンチ、グレイス・ザブリスキー 原題:An Officer and a Gentleman(「士官と紳士」) お薦め度 「愛と青春の旅だち」★★★★☆(90%) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.04 16:08:51
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