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カテゴリ:家で見た映画
第90回(2018年)アカデミー賞でレバノン映画として初めて外国語映画賞にノミネートされ、第74回(2017年)ベネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞した作品。監督のジアド・ドゥエイリはクエンティン・タランティーノ監督でアシスタントカメラマンを務めたことがあるとのこと。 レバノン(イスラエルの北に位置する中東の共和国)で自動車修理工場を営むキリスト教徒と違法建築の修繕工事の監督者のパレスチナ難民とのいざこざから裁判に発展する話。 暴言、暴力沙汰から謝罪を求める裁判は折り合いのつかないせめぎあいに。法廷での喧噪、言い合いが画像でリークされ、国民と難民との場外闘争にまで発展し、国家首脳まで乗り出す事態となる。裁判が進むにつれて激高した原告の人となりがあらわになってくる。 レバノンという国をよく知らず、その国の歴史、内戦、虐殺などがこのいざこざの根っこにはある。しかし、映画ではレバノンの住人がすべて周知の事実であるせいか初めて見聞する映画鑑賞者に対して、映像も見せず、説明もしてくれない。それゆえ、根本原因を共有、共感できない。だから、アカデミー賞では受賞できなかったのではと思われる。 つまびらやかにされてはいけない物語、語ってはいけない虐殺。 レバノン住人の思いを真摯に描いていて見ごたえがあった。 ただ、レバノンを知らない私には理解がとどかない内容であったかもしれない。 暴言、暴力、謝罪。心の底にある確執。 感動する場面がところどころある秀逸な作品であると思う。 2017年/レバノン・フランス/113分/G
監督:ジアド・ドウエイリ 脚本:ジアド・ドゥエイリ、ジョエル・トゥーマ 出演:アデル・カラム、カメル・エル・バシャ、リタ・ハーエク、クリスティーン・シュウェイリー、カミール・サラーメ、ディアマンド・アブ・アブード 原題:L'insulte 英語題:The Insult(「侮辱」) お薦め度 「判決。ふたつの希望」★★★★(80%) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.27 15:53:56
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