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カテゴリ:家で見た映画
クライマックスのフレンチ・カンカンの始まりとともに、突然訪れる感動は何だろう。 フレンチ・カンカン誕生の物語だか、主人公は初老の興行師。ダンスの上手い小娘を見つけてダンサーにスカウト。小娘と初老の色恋沙汰に青年、紳士に熟女が巻き込まれ、興行師の新しい女に惚れ込む意気込みと節操のなさは彼の強弁に圧倒され、そういうものなんだと思える。 とはいえ、純粋な恋心をいくつも描き、一方エンタテイメントの楽しさを満喫させてくれる作品でこんな感動が味わえると思っていなかった。クライマックスのフレンチ・カンカンは縦横無尽で入り乱れ、真っ白い見せるパンツを余すことなく見せてくれて、アクロバットなダンスは圧巻であった。 主人公の興行師ダングラアルにはフランスの名優ジャン・ギャバン。1904年生まれなので映画製作の1954年当時50歳。1934年、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の「白き処女地」に主演し一躍スターとなり、「望郷」「大いなる幻影」が有名。他に「現金に手を出すな」「ヘッドライト」「地下室のメロディ」「シシリアン」など多数出演。渋みと貫禄のある俳優であった。 相手役小娘ダンサーのニニにはフランソワーズ・アルヌール。私は名前しか知らない女優である。1931年生まれだから撮影時23歳とはいえ、小娘という年齢ではない。1949年18歳でウィリー・ロジェ監督に見いだされて「漂流物」に主演、一躍フランス映画の若手スターとなる。そして高名な宣伝マンと結婚。日本では1952年おっぱい丸出しの女給士役の「禁断の木の実」で初お目見え。話題をさらい、大人気になったそうだ。出演作は「ヘッドライト」「パリジェンヌ」「ダイヤモンドに手を出すな」など多数。 敵役ローラはマリア・フェッリクス。名前も知らない女優である。ググると1914年生まれ、当時40歳。脂の乗り切った美女という年頃だったかも。長身で美しく、まさしく女優らしい。メキシコ出身でメキシコ映画黄金時代(1930年代-1950年代)を象徴するひとりだそうだ。出演作多数。 またシャンソン歌手がパタシュウ、アンドレ・クラヴォ、ジャン・レーモン、エディット・ピアフらが出演し、盛り立てている。 監督はジャン・ルノワール。印象派画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男で妻を主演にした「カトリーヌ」で初監督。「女優ナナ」「どん底」「大いなる幻影」「河」など多数監督。 Amazonにて 1954年/フランス/103分/ 監督:ジャン・ルノワール 原案:アンドレ・ポール・アントワーヌ 脚色:ジャン・ルノワール 出演:ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール、マリア・フェッリクス、フィリップ・クレイ、ミシェル・ピコリ、ジャンニ・エスポジト、ジャン・ロジェ・コーシモン、ガストン・ガバロシェ、ジャン・パレデス、バランティーヌ・テシエ、ガストン・モド、ピエール・オラフ、ジャン=マルク・テンベール、ジャック・ジュアノー、ドラ・ドル、アニーク・モリス、ミシェル・フィリップ、マックス・ダルバン、フランス・ローシェ、アンナ・アメンドラ、パタシュー、アンドレ・クラヴォ、ジャン・レーモン、エディット・ピアフ 原題:French Cancan(「フランスのカンカン」) お薦め度 「フレンチ・カンカン」★★★★(80%) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.05.02 16:17:56
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