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カテゴリ:家で見た映画
心を鷲掴みにする、歌舞伎で見得を切るような、激情、芝居のしどころはほとんどない。淡々としているわけではなく、出来事はいくつも起こる。生死にかかわるようなこと、心にかかわることも起きるけれど、大事にはならない、しない。 原作者:小竹正人を知らず、小説家なのかと思ったら、作詞家であり、LDH所属とのこと。 小説「空に住む」は「空に住む~Living in your sky~」三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEとのセットで2013年6月1日に講談社からセット発売されたとのこと。 青山真治監督を知らない、いや、名前しか知らない。フィルモグラフィを見ると一つも見た作品はなかった。それなので彼の作品はこれが初見となる。この作品が彼の作風なのか、それとも原作が持つ空気感なのか、わからない。飄々というものではないが、さらっとでもない不思議な空気がわたりゆく感じ。嫌ではないが、好きともいえない、微妙でもなく、表現が難しい感じ。 主演・多部未華子は彼女らしく、多部未華子であり、小早川直実であった。彼女でなければ成しえない演技、というより空気感。適役といえよう。後輩同僚役の岸井ゆきのがいい。これも岸井がいいのか、役柄の妊婦がいいのか、よくわからないが、いい。叔父役の鶴見辰吾はちょい役とはいえ、彼らしく、叔父らしいし、叔父の妻役の美村里江はみごとに叔母役であった。美村の演技に感心した。これら自然な演技と思える中で秀逸だったのは時戸森則役の岩田剛典であった。人気スターの彼自身がそうであるかのようにスター俳優を演じている。惚れた腫れたは言わず、「嫌なの?」と聞く。無理強いしない付かず離れず、会いたいとも言わない。今時の表現なのか、それとも彼=時戸独特の、いやプレイボーイのなせる業なのか。あなたの思うようにしますよと思わせるのは嫌がられるはずがない。登場場面が少ない大森南朋、永瀬正敏、柄本明はぜいたくな配役だ。 今時の作品と思える作品だった。 Amazonにて 2020年/日本/118分/G 監督:青山真治 原作:小竹正人 脚本:青山真治、池田千尋 出演:多部未華子、岸井ゆきの、美村里江、岩田剛典、鶴見辰吾、岩下尚史、高橋洋、大森南朋、永瀬正敏、柄本明 お薦め度 「空に住む」★★★★(80%) 【ネタバレ】 くもって、蜘蛛?それとも、雲? 蜘蛛なのかなぁ? 主人公・小早川直実(多部未華子)を評して叔父(鶴見辰吾)が言う。 蜘蛛、か。と、直実が思い込むような、その時。 空の雲ということが判明。 なぞかけのようなこともはっきりとさせてくれる、やさしい映画なのかな、と思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.05.05 15:12:58
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