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テーマ:読書(8504)
カテゴリ:読書
宝島社文庫なんて初めて買った。 駅ビルの書店に入り、読みたくなる本をさんざん物色した結果、ふだん目にしない文庫ではあったが文庫の平積みのなか、高い山で積み上げられていたので目に付き手に取った。 久しく中山七里さんの本は読んでいない。というか「さよならドビュッシー」とあと一作、読んだかどうか。とはいえ、展開といい読みごたえといい、読了感が良かった印象があったので購入した。 オールスターキャストとでもいうべく、中山七里作品の主要人物がこぞって出ているとのこと。まったく相関関係を知らなくても、岬陽介を知らなくても楽しめる本だと思える。 読みごたえ十分な本であったが、まず裕福な子女が通う幼稚園で先生2名、園児3名が惨殺される事件が発生。犯人はすぐに逮捕された。取調べ調書が出来上がり、裁判のために検事取調べが行われた時、密室殺人が行われた。犯人は…。 次々と起こる事件に読者は惹きつけられ引きずられ、あれこれ詮索、想像しながら読み進めることになる。スキのない登場人物がつぎつぎと現れるが、この小説もスキがない(と思われる)。読み手の興味を増幅し、驚きの展開となること、秀逸である。 密室殺人は否定できず、犯人と目された人間も他に生きている人がいないので犯人とならざるを得ない。しかし、私は犯人と目された人が犯人でないならば、殺害された人物の自殺ではないのかと思ってしまった。それほど、難解であった。 岬洋介が登場し、友を信じるがゆえに果敢に謎解きに奔走する。 ここからの展開、そして、謎解き。 驚きの結末。 読んでよかったと思う読後感に感謝。 中山七里は妙味のストーリーテラーである。 合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 中山 七里 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.07.25 16:33:34
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