|
テーマ:最近観た映画。(39973)
カテゴリ:映画館で見た映画
剣術指南までやったという岡田准一の土方歳三。期待して見に行った。監督は映画「金融腐蝕列島 呪縛」で名を知らしめ、俳優たちから出演を請う憧れの原田真人。「クライマーズ・ハイ」「関ヶ原」「検察側の証人」といった著名話題作を手掛ける監督だ。 原作は司馬遼太郎。新撰組の本としては「燃えよ剣」より、子母澤寛の「新選組始末記」のほうが数倍おもしろく興味が尽きない。本「燃えよ剣」は短く感じ、あっさりとした感じがしたものだ。ただこれは司馬遼太郎が史実を基に綴ることに徹したせいかもしれない。そんな原作を原田監督はどう料理してくれるか、見ものだった。 あまりにも知られた史実なので《ネタバレ》で書く。 髷を切った土方歳三が五稜郭でフランス人将校を相手に過去を回想する形で描かれる。この回想手法で私の興味はずいぶんとそがれた。回想される作品はえてして面白くないものが多い。(と思えるからだ) NHKの大河ドラマにもなったほどの長尺な新選組の話を土方歳三にスポットを当てて切り取る。それはあまりにもダイジェストすぎて、話を知らない人は展開についていけないのではないかと思える。幕末のことはいろいろなドラマ、映画で描かれているので興味のある人でわからない人はいないとも思えるけれど。 沖田総司役は遠い昔に見た草刈正雄のイメージが記憶に刻み込まれており、短躯な山田涼介だと不安であったが、岡田准一も短躯であり、山田涼介のすがすがしい若武者ぶりは良かった気がする。映画「海猿」以降、ガタイの良い男として活躍している伊藤英明の豪傑ぶり肉体美も良かったし、大柄で近藤勇を演じた鈴木亮平も良かった。相手役柴崎コウはまずまずといったところか。松平容保役の尾上右近も良かったし、一橋慶喜役の山田裕貴は山田らしい演技を見せてくれた。はんにゃの金田哲も見せ場はあったし、柄本明、市村正親のワンポイントも光った。毒舌はあまり好きではないので毛嫌いしている村本大輔はもともとああいうキャラなのか、役柄も重要な役どころで目立つキャラでいい仕事をしている。その良すぎる名演技が嫌だ。 岡田准一演じる土方歳三は豪傑だったのかどうなのか。策士であることは間違いないのだが、肩をやられて剣に自信を無くしてしまった近藤勇とは対照的に最期まで戦い続けた武士なのであろう。 織田信長同様、遺体が見当たらないとされる土方歳三であるのだけれど、ラスト遺体が運び込まれる演出は何を意図してのことだろうか。 それにしても最後の戦いの戦場に繰り出した兵隊の数のおびただしいこと。スケールの巨大さに驚いた。あれは、実際なのか、CGなのか。実際のロケであれば、感嘆の上にも感嘆するしかない。 2021年/日本/148分/G 監督:原田真人 原作:司馬遼太郎 脚本:原田真人 出演:岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、尾上右近、山田裕貴、たかお鷹、坂東巳之助、安井順平、谷田歩、金田哲、大場泰正、坂井真紀、山路和弘、松村武、酒向芳、新納慎也、松角洋平、勇家寛子、松下洸 平、村本大輔、陽月華、月船さらら、村上虹郎、石田佳央、淵上泰史、山村憲之介、渋川清彦、阿部純子、櫻井麻七、マギー、三浦誠己、吉原光夫、森本慎太郎、ジョナス・ブロケ、高嶋政宏、柄本明、市村正親、伊藤英明 お薦め度 「燃えよ剣」★★★☆(70%) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.11.08 22:47:24
コメント(0) | コメントを書く
[映画館で見た映画] カテゴリの最新記事
|
|