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カテゴリ:家で見た映画
混濁する映画である。 (すこしネタバレ) ロンドンで一人暮らしをしている老人が主人公。身内は一人娘だけのようだ。娘は結婚してパリに住むという。自身がすることが正しく、家政婦はいらぬと豪語する老人は父親。 まわりの人々がおかしい、言っていることが前言と異なる、という不思議さを感じていた父親。あの人があの人でなく、この人がこの人でない。自分のフラット(家)は自分のフラット(家)である。ドアを開けるとそこは洗面所のはずが、納戸(クローゼット)? 父親と同じものを見て、登場する人物に違和感を感じる。絶妙な映像だ。父の目で世界を見る。 何が何だか混濁してくるが、父親が認知症であることもだんだんとわかってくる。 うそかまことか、父親は思い違いではなく何かがおかしいと思ったときに映画はクライマックスを迎える。とうとうとのべつまくなし独り言を語り続ける老人。 ”マミー、マミー…”と亡き母を思い出し、呼びかけるところがこの作品の最高潮。 監督の指示ではないしえないゾーンに入ったと思える演技に脱帽するしかない。アンソニー・ホプキンス、あっぱれ!である。 みごとオスカー、アカデミー主演男優賞受賞は当然といえよう。 喝采!! Netflixにて 2020年/イギルス・フランス/97分/G 監督:フロリアン・ゼレール 原作:フロリアン・ゼレール 脚本:クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール 出演:アンソニー・ホプキンス、オリビア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・ブーツ、ルーファス・シーウェル、オリビア・ウィリアムズ、アイーシャー・ダルカール 原題:The Father(「父親」) お薦め度 「ファーザー」★★★★(80%) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.11.17 23:02:32
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