マイライフ・マイシネマアルカディア

なんだなんだこれは!?
ぜんぜん終わってない。これから結末というところで幕。
「伝説の最期編」というのがこの後にあるから、そこで決着なのかなぁ。
見どころ多し、すぐれた映像、健闘シーンだと思うが、劇中で剣心が言うように、あまりにたやすく京都大火を未然に防げたのではないか。ちょっと落胆。
そのあとの船のシーンもスペクタクルではあるが、あっというまに終わるね、映画も尻切れトンボで終わる。続く「伝説の最期編」に期待するしかないか。

映画の始まり。冒頭の警官隊と志々雄の一党とのせめぎあいで炎の中、吊るされた警官たちが火中に落とされていく様は異様であり衝撃的であった。それゆえ、その後の京都大火に期待がつのる。
さて、個々の村を志々雄党が占有するという件は理解しがたく、また幕末の幕府になぞらえての行動もなにゆえなのかよくわからないし、御庭番であったし四乃森（伊勢谷友介）の行動も納得しがたい。四乃森はなぜか目の敵にする剣心（佐藤健）と果たし合うべきなのに、恩義あると思える翁・柏崎（田中泯）とたたかうことに終始する。剣心を探し求めてのことであるならば、そこに剣心がいないと悟った時点で柏崎にかかわらず辞去すべきなのにと思えた。
格闘での佐藤健の立ち回り、対峙する神木隆之介や土屋太鳳、武井咲らの立ち回りもすごい。とっても早く見える佐藤健の足さばき、走りは驚くばかりだ。長尺ゆえ思ってしまうが、瀬田（神木隆之介）が薫（武井咲）を馬で連れ去るシーンはもっと短くて良かったのでは？追いかける剣心が馬での格闘がないのであれば、端折ってしまったほうが展開が早くていい。乗船した後の争いも海に飛び込むのであれば、もっと短いシーンでよかったかもしれない。次回作へのつなぎであるが、そのつなぎだけにすればよかったかも。
さて、ここに渡辺大が登場しているのが嬉しい。私としては非常に買っている俳優なのだが、いまひとつ出演作が少ない。ブレイクしない。父が渡辺謙、妹が杏という著名スターなので、もっと売れていいと思えるが。私見だが、どちらかというと悪役顔なのが災いしているのではないだろうか。父・渡辺謙も悪役顔であるが、そのアクの強さが良いほうにむいたのか、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」の伊達政宗役で大当たりし、大スターとなる。「ラストサムライ」の頃には風格も携え、国際的スターとなった。妹・杏もモデルとしてデビューし、高身長が功を奏しテレビドラマ「妖怪人間ベム」の妖怪人間ベラ役で人気となりNHK朝ドラ「ごちそうさん」の主役に抜擢され、全国区の女優となった。見かけよりもきさくな感じが人気の一つなのかもしれない。ひるがえって渡辺大は売れすぎた父と家族の問題に翻弄され、事務所にも恵まれなかったのか、売れなかった。一時期、干されて芸名から本名の渡辺大にして復帰したそうだ。父より男前だと思うのだが、父が歳とともに柔和な顔立ちになっていくのに対し、大のほうは不気味な一面を感じさせ、その人となりというか、世間的に認知されればファンも増えると思うのだが、いかんせん出演作が少なく機会も少ない。「るろうに剣心　京都大火編」では刀鍛冶の父のあとをついで鍛冶屋となっている村人を演じているが善良な人物を感じさせるにはやや不気味である。引き合いに出して申し訳ないが工藤阿須加ならば見ただけで善良さがわかるマイルドな顔立ちである。それゆえか出演作は多い気がする。渡辺大の風貌からすると吸血鬼とかヒール・ヒーローが似合う気がする。渡辺大の主演作を見たいと思うが無理だろうか。