マイライフ・マイシネマアルカディア

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今時の映画はついにここまで来たかという内容の作品だった。といっても2013年製作の作品なので企画段階を考えれば、かれこれ10年前の作品ということになる。昔なら、30年ほど前であったなら、まったく違った結末になったであろうと思われる設定である。
邦題の「美しい絵の崩壊」というのは何を思ってつけた題名なのだろうか。家族というものを絵としてとらえているのか、美女を絵ととらえているのか、女性をあるいは母を絵ととらえているのであろうか。原作「グランド・マザーズ」（ドリス・レッシング：著　2003年）とあるので、それこそ20年前にはこのようなことが起こっていたのかもと考えられる。時代の変遷についていけないのか、私は…。

何が驚く内容かといえば、オーストラリアの片田舎、海辺の家に住む二つの家族。夫の死、息子が一人。片や仲良しの女性にも息子が一人と夫がいる。その夫は演劇を専攻としており大都会シドニーに教職を得て家族ともども引っ越そうとした。妻は画廊を経営しており、海辺の家も捨てがたい。仲良しの女性友達とも別れがたく、一方的に相談もなく決めた夫についていけず、今の生活を捨てられなく別居。そして、出来事が起こった。隣の息子と関係を結んだのだ…。そして、隣の女性も…。

月日は流れて、紆余曲折があり、家族の形も変わった。そして、家族が増えていく。結末は…。

大人の行動をみせる年上の女性と若者らしくまっすぐな男たち。
表面上、健全な家族を装い、暮らしていく社会において、逸脱してしまった結果…。

何とも言えない結末に、今の時代、こういうこともあるのかと知るばかりであった。