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カテゴリ:映画館で見た映画
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved. この作品は映画館で見なければならない。 そう思い、TOHOシネマズ新宿(Dolby-ATOMOS)に見に行った。 いま、なぜ60年もたってリメイクするのか。しかも、大監督のスピルバーグが。 現代風にアレンジしているのかと思っていたけれど、映画が始まってみるとそんなことは全くなく、1950年代のアメリカのニューヨークをそのままに再現していた。風景よりもパトカーを見て実感した1950年代。開発の中、取り壊されていくレンガ造りの建物。広大な街を再現した映像をみると、さすがハリウッド!と思った。 工事現場から始まる今作は冒頭から旧作オリジナル作品をなぞるかのように同じシーンが展開する。みごとなダンスが披露されるが、同じものであるならリメイクしなくても良かったのでは、なんて思いながら見ていた。60年前の旧作といえど70ミリ映画だから巨大スクリーンでも目を見張るカラー映像、デジタルリマスターすればより鮮やかな色彩が目に飛び込んでくると思える。 見る前に思ったのは見た目キャストの魅力が劣る。 一世を風靡、世界を席巻し乙女の心を鷲掴みにしたジョージ・チャキリス(ギリシャ系)演じたベルナルドをデビッド・アルバデス(キューバ人)。チャキリスのほうがイケメン。 旧作でトニーを演じたのは長身で甘いマスクのリチャード・ベイマー。今作ではアンセル・エルゴート(ロシア系、ノルウェー・イングランド・ドイツ系)。「きっと、星のせいじゃない」「ダイバージェント」「ダイバージェントNEO」「ダイバージェントFINAL」「ベイビー・ドライバー」と出演し、引く手あまたの人気俳優だがメリハリのない顔は好きになれない。 そして、マリア役。旧作はハリウッドを代表する大スター、ナタリー・ウッド。子役から活躍し、「三十四丁目の奇蹟」で人気スターとなり、「理由なき反抗」「草原の輝き」とヒットを飛ばしての「ウエストサイド物語」のマリア役。新作はレイチェル・ゼグラー(ポーランド系、コロンビア系)ちょっと目が離れすぎのタレ目でとても美形とは思えない。 といった感じで見る前はあまり感心していなかった。 オバマ元大統領が2021年ベストムービー10に選んだ「ウエスト・サイド・ストーリー」であるが人種差別を取り上げた点でランキングしたのかと勘繰り、良い作品かどうかは半信半疑だった。 映画は中盤から旧作にはないシーンも登場する。一部キャスティングも違う。ドラッグストアーの店主ドクがおじいさんでなくて、伴侶ドクを亡くした寡婦バレンティーナである。 キャストには期待していなかったがマリア役のレイチェル・ゼグラーがものすごくいい!とてもいい!外階段で名曲「トゥナイト」を歌うシーンは照明の関係もあって、まさしくナタリー・ウッド、いやマリアとなって映っていた。このシーンを見たときにスピルバーグが3万人の中から彼女を選んだ理由がわかった、とてもとても素晴らしかった。ソプラノで歌う調べの素晴らしさ。 さていまひとり、マリアの兄の恋人アニータ役。旧作はリタ・モレノ(プエル・トリコ)。プエル・トルコ出身というから正しくアニタそのもの。そして、アカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞の4賞受賞の芸達者である。1931年生まれの90歳であるが、新作でもドラッグストアーの店主バレンティーナを演じている。また新作では製作総指揮も兼ねている。新作でアニータを演じるのはアリアナ・デボーズ(プエルトリコ、イタリア系)で「アメリカン・ダンス・アイドル」でテレビ初登場。その後、舞台に映画にと出演していてこの役を掴んだ。新作でのダンスシーンは素晴らしく、この役はプエルトリコ人でなければ表現できないのかなととても感心した。 といったぐあいに見ていくうちに作品に引き込まれ、ジェッツとシャークスの抗争シーン。ナイフでの決闘、そして!!!! パトカーがきて蜘蛛の子を散らすように逃げていく若者たち。そして、クライマックス。 知っている結末とはいえ、涙・涙・涙…。 涙ながらにスクリーンを見つめていた。 荒ぶる魂を大いに感じ、熱すぎる恋情を感じ取り、滝のように泣いてしまった。 マスクがびしょびしょ濡れてしまった。 そう私は涙もろいのです。感激屋さんなんです。 でもここまで感激させられると思ってませんでした。 名作です、傑作です。 映画館は満席でした。 この映画を映画館で見られた観客は幸せだと思います。 ぜひ、映画館で、ご覧ください。 2021年/アメリカ/157分/G 監督:スティーブン・スピルバーグ 原作:アーサー・ローレンツ 脚本:トニー・クシュナー 出演:アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、デビッド・アルバレス、ジョシュ・アンドレス、コリー・ストール、リタ・モレノ、マイク・ファイスト 原題:West Side Story(「西側物語」) お薦め度 「ウエスト・サイド・ストーリー」★★★★★(100%) 字幕翻訳:石田泰子 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.02.23 22:33:26
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