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カテゴリ:映画館で見た映画
(C)2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS 「コーダ あいのうた」を見に行った。 「ウエスト・サイド・ストーリー」は「ウエストサイド物語」のリメイクだが、「コーダ あいのうた」はフランス映画「エール!」のリメイクだ。 オリジナル作品重視の私はリメイク作品を回避する傾向があるのだが、リメイク作品と知らなくて見てしまったり、リメイク作品と知っていたけれど新作がどのような作品に仕上がっているか興味があって見に行くことがたまにある。この「コーダ あいのうた」はアカデミー賞にノミネートされたことで注目し、映画館公開がちょうどこの時期にあたったので、見に行った。今年のアカデミー賞候補には配信作品も多く、見る機会があったのでノミネート作品すべてを見たいと思うけれど、10作品とはノミネートが多すぎる気がする。 「コーダ あいのうた」はオリジナル作品「エール!」を改良したリメイク作品だといえる。オリジナルでは家業が農業であったが、本作では漁業となっている。見始めてこの職業の違いに違和感をもったけれど、後半で漁業を行っていることでひともんちゃく起きるので、そのための変更だと納得がいった。また、アメリカの農業を考えると家族だけの農業は考えにくく工業化、会社化されて大規模であるので職業を変更したともいえる。 オリジナルで主人公の友人が弟と恋仲になるのだが、思春期に入るか入らないかと思える年頃にみえる幼さに違和感があったところ、本作では兄と設定を変え、青年として存在し友人との恋仲関係もすんなりと受け入れられる。 フランスでの卓越した音楽院のオーディションが、アメリカにはないようなのでバークレーという著名音楽大学の入試ということになっている。 クライマックス、やきもきする遅刻となるドライブの行程があるのだが、オリジナルは丁寧に描いているためにイライラが募るが、本作ではささっと処理していてイライラしない。 洗練されたというかオリジナルよりわかりやすく作られているため、より感情移入しやすい作品となったと思える。 満席ではなかったが、そこそこ観客がいる中で無音の空間にいる不思議さ、共有したことの感無量は言葉にしがたい。 「ウエスト・サイド・ストーリー」の時と同じ、クライマックスに涙、涙、涙。また、マスクを濡らしてしまった。 「愛は静けさの中で」でアカデミー主演女優賞を受賞したマーリー・マトリンが母親役にて出演。 2021年/アメリカ・フランス・カナダ/112分/PG12 監督:シアン・ヘダー 脚本:シアン・ヘダー 出演:エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、エウヘニオ・デルベス、エイミー・フォーサイス 原題:CODA(「聞こえない親を持つ健聴者である子供」) お薦め度 「CODA あいのうた」★★★★☆(90%) 字幕翻訳:古田由紀子 オリジナルのフランス映画「エール!」が原題が『ベリエ一家』(La famille Belier)とあるようにある家族の物語として作られている。これに対し、リメイクの「Ocda あいのうた」は題名通り『Coda コーダ』難聴者の親を持つ健聴者があ主人公だ。同じ物語でありながら視点が違うと思う。オリジナルのフランス映画のほうがいろいろと雑多な事柄が多くて主人公とデュエットを組む男の子と関係もよくわからない状態だけれど、それが現実だなと思えた。また、ところどころわかりにくい状況やわからない状況も、だからこそ日常生活を描いていると思える手作り感のする作品だった。オリジナル、リメイク、どちらが優劣あるわけでなくどちらも素敵な作品で、音のない世界をみごとに体感させてくれた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.02.27 18:36:30
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