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2022.06.01
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テーマ:読書(8505)
カテゴリ:読書


映画「ハケンアニメ!」を見て、原作はどのようなものか気になり読んでみた。原作を読んでみると映画のすごさが再認識される。

原作は雑誌ananの連載小説としてお仕事を題材に著者、辻村深月が書いたものである。
原作は4章で構成されていて、第一章・王子と猛獣使い、第二章・女王様と風見鶏、第三章・軍隊アリと公務員、最終章・この世はサーカスから成る。
第一章では王子こと監督の王子千晴と猛獣使いことプロデューサーの有科香屋子の物語である。有科香屋子目線で描かれるので、有科香屋子が主人公、映画での主役ではないかととらえてしまう。第二章では女王様こと監督・斎藤瞳と風見鶏ことプロデューサーの行城理の物語。第三章では軍隊アリこと並澤和奈と公務員こと宗森周平の物語。第四章ではこれまでの三組の登場人物たちが絡みあい地元の祭りで大団円をむかえる。三者三様のドラマが描かれている。それぞれが読み応えあり、人物たちの心情が伝わる素敵な物語であった。


ハケンアニメ! [ 辻村 深月 ]



【映画公開記念帯】ハケンアニメ! [ 辻村 深月 ]


そう、原作はいい。しかし、原作を読んでみて改めて映画の出来のすばらしさを感じた。原作通りの三者三様のドラマを描くのではなく、主人公として斎藤瞳監督を抽出し、その敵役として王子監督を立てて、アニメーターの並澤和奈を脇に置く。集中した見どころのある見ごたえのある映画作品として結実した脚本の見事さに感嘆した。
加えてキャスティングの素晴らしさ。あて書きでもしたのかと思えるくらい男役2人はピッタリだ。
王子千晴役は中村倫也。彼の存在はNHK朝ドラ「半分、青い」で初めて知ったが、芸歴充分、いろいろな作品に出ているようだ。私が見たドラマ「この恋あたためますか」で見せたツンデレ・イケメン社長役がこの監督役にも生かされているように思う。敵対する作品「サバク」のプロデューサー・行城理役は柄本佑。原作でふんいきイケメンと描かれているが、柄本佑は正しくそうである。ふんいきイケメン。決してイケメンではないのだが、高身長のスタイルの良さ、洗練された着こなし、カッコ良い振る舞いでイケメンに思えてしまう。彼がイケメンと話題になったドラマ「知らなくてイイコト」のカメラマンは正しくふんいきイケメンであり、「ドクターホワイト」の記者も主人公から想いを寄せられるイケメンであった。ふんいきイケメンの本領発揮がこの映画であったろう。
映画を見たせいか、原作を読んでも王子も行城も、それぞれ中村倫也と柄本佑の映像が想起された。
対して女性二人は原作からしてよくこの二人をキャスティングしたな、と思われたが、二人の過去の作品から見ればこれまた納得のいくキャスティングだったかもしれない。但し、原作を読んでも二人の影はちらつくが男性二人ほどピッタリという感じは持てなかった。それゆえそれぞれが自分のものとして役として存在していたことはとても良かった。
斎藤瞳役は吉岡里帆。転職組の新人監督という設定は原作と異なっていたけれど、だからこそ熱量を持って主役として存在できたと思える。脚本の素晴らしさよ。新人監督ゆえ、いろいろと壁にぶち当たり、もんどり返りながら邁進していく姿は吉岡里帆、お得意の分野のような気もする。吉岡里帆を認識したのは朝ドラ「あさが来た」で主人公の娘の友達役だった。なぜか目を引く魅力を感じた。その後、「健康で文化的な最低限度の生活」での新人ケースワーカーぶりが、今回の新人監督ぶりに通じるような気がする。「レンアイ漫画家」での家政婦としての奮闘ぶりも通じているのかもしれない。有科香屋子役の尾野真千子も絶妙であった。ヒット作・注目作で知名度を得たものの、女優として苦闘し続けてきたようであったが、朝ドラ「カーネーション」の主役を演じて演技巧者として安定したようで、目覚ましい活躍ぶりである。NHKの「心の傷を癒すということ」で柄本佑の妻として共演していたのが興味深い。女を感じさせないで気配り目配りのできる敏腕制作進行として活躍した経歴を持つプロデューサーという役どころ。彼女に似合っていた。
脚本の集約の見事さは原作で客寄せパンダとして5人組の声優がキャスティングされていたけれど、それを一人に絞り、その群野葵役を声優の高野麻里佳がみごとに演じていた。特筆して伝えたい。
原作本は読み物としていい本であるが映画はそれを昇華して映画作品として見事に結実した傑作である。観客動員数が大作・話題作に引けを取り大きく離されているらしいが映画ファンにはぜひとも見てほしい一本である。





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最終更新日  2022.06.01 22:46:03
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