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2022.06.30
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テーマ:読書(8503)
カテゴリ:読書


岸惠子、大女優である。
しかるに私が映画を見だした頃には映画で活躍しているイメージはなかった。
記憶に残るのはテレビ。
”パリのおばさま”と劇中で呼ばれていた「赤い疑惑」。すらりと伸びた長身のスタイルの良さはパリの華やかさを感じさせた。
NHK朝ドラ「こころ」の祖母役も凛とした感じで素敵だった。
彼女の映画代表作「君の名は」や「雪国」はいまだ見ていない。

この小説、古希(数え70歳(満69歳))をむかえた女性が年下の男と妻子持ちと恋に落ちる話である。そして、長々と交際する。日本で、欧州で。多忙な二人はつかの間の逢瀬に情熱を燃やす。
恋することで老体に向き合い、そのことも赤裸々に描いている。驚くばかりだ。肉体的にも精神的にも描かれていることが生々しい。思いに素直である。年老いた肉体と重ねた長い人生経験であるけれど、気は若いというか、一向に衰えていない、歳などとっていないのだ。自身の年齢に驚くほど精神は若い。そのことを感じながら読んだ。

とても素敵な物語であった。
終局、終わり方が見事である。
そのラスト近く、「マディソン郡の橋」について言及する部分があるが、小説はダメで、映画を絶賛している。私もまったく同意見なので、なぜかとても嬉しかった。

この作品に出合うのが遅すぎて、岸惠子の独り芝居『わりなき恋』を観ること能わず。残念である。

気づけば、​岸惠子 スペシャルトークショー「いまを生きる」​が、催されるとのこと。
これも気づくのが遅かった。
拝見、拝聴できないのが残念である。
Amazonプライムビデオとかで配信してくれないかなぁ…。


わりなき恋 (幻冬舎文庫) [ 岸恵子 ]

読書レビュー「岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられえない」





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最終更新日  2022.06.30 22:10:15
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