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テーマ:読書(8525)
カテゴリ:読書
「作家の値うち」福田和也:著(飛鳥新社)を読んで気になった高樹のぶ子「透光の樹」を読んだ。 恋愛小説というかエロスというか、愛の物語なのだろう。 20年ぶりに会う独立映像プロダクションの社長となった元アシスタントプロデューサーの男と刀鍛冶の末裔で鍛冶の男の娘である元女子高生。20年の歳月は二人を中年に鍛冶の陶工である女の父親は引退して病気の床についている。ヘルパーがいないと体も動かせない老体だ。 女は出戻りバツイチ子持ち、女児がいる。男は妻子持ち。 20年前に惹かれ合った二人。 借金にまみれた女に男は金を融通する。 女は引き換えに一夜を共にする。 体から、いや金で始まった関係。 これは取引。 取引だけれども、そこに愛はあるのか? 愛はあるのか…。 いつしか逢瀬を心待ちにしつつ、区切りをつけなくてはと。 女体の描写とまぐわう体制の具体的描写はエッチでありながら香しいもののように静謐に描かれる。激しく燃える熱情を持ちながら。 これが官能小説なのか。 谷崎潤一郎賞受賞。 透光の樹 【電子書籍】[ 高樹のぶ子 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.10.16 16:39:58
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