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カテゴリ:家で見た映画
映画チラシサイト:ナラタージュ (eiga-chirashi.jp) 映像化は危惧していた。 長編小説ゆえ、どこまで割愛されるのか。 主人公・泉の両親は登場せず、後日談となるカメラマンも登場しない。 映画はほぼ泉と葉山先生に小野君が加わる程度で演劇仲間の同級生カップルもほぼ割愛されている。大学生の横断的和気あいあいもほぼ描かれず、後輩との絡みもない。 原作から泉のみを浮かび上がらせ、独り相撲をしているような作品であった。 私が感じた本来、作家・島本理生がもっとも描きたかったと思える性描写・性被害はわずかだけで、映像的に楽しませるキスシーンの多いベッドシーンという違うものになっていた。 本では愛し合う性描写よりも性被害の描写が重要であるのに、映画では性被害の描写はなく愛し合う姿を延々と描いていた。 監督は男性だ。女性監督ならばもう少し原作に寄り添った性描写となったのではないだろうか。 また、映画らしく、トップシーンは泉が会社員である現代から始まり、メインタイトル後に大学時代へ、途中、高校時代の振り返りがあり、最後、現代の会社員に戻るという構成。しかし、ナラタージュはあっても原作通り、大学生時代から始めてほしかったなぁ。 懐中時計はもっと金キラしたものだと思った。映画に出てくるような地味な懐中時計は今まで(映画で)見たことがない。 キャスティングは全員違うと思う。原作を読んだイメージにはない人が多い。そして、泉と小野君、そして葉山先生以外はほぼ描かれていない。原作では泉の同級生であったカップル、志緒と黒川。後輩の柚子と新堂。各々重要な役なのに、説明程度の登場。原作では存在のなかった妻・葉山美雪が登場し、放火シーンを決行取り上げている。その放火シーンは葉山先生のセリフで語らせて妻の映像がないほうが良かったと思える。妻の映像がないほうが神経質で病んでしまった人として想像できるから。 つるっとした美形の瀬戸康史が会社員同僚として登場したことに驚いた。小野君が坂口健太郎ということにも驚いた。元ラガー選手だったと思うので、もっと厚みのあるスポーツ選手タイプを想像していたから。イメージ的には朝ドラの同級生役だった板橋駿谷かな。イケメンにするならほんとにラガーの五郎丸歩選手くらいの役者がいればよかったんだけど。坂口健太郎もお肌がつるっとしていて、ニキビ跡が目立つ松本潤とは対照的。原作できれいな先生と記述があったので、かっこよくても松本潤の先生役はないと思える。制作にジャニーズが噛んでいるため松本潤の起用になったのだろうけれど、せめてお肌がつるっとしたジャニーズを起用してほしかった。葉山先生と小野君が自己紹介か何かで左右で向き合うシーンがあった。坂口健太郎が大きいので松本潤が見劣りしてしまった。ここはカサブランカのボギーではないが松本潤は箱馬の上に乗ってでも目線の高さを合わせたかったね。後輩役の柚子役はもう少し目を引く女優が良かった。原作でしかわからないけれど、夜に暴漢に襲われ性被害を受けるのでね。(彼女でも良かったのかもしれないけれど、演出の問題か?)さて、主演の泉役、有村架純。彼女のファンなので、彼女でもいいんだけれど原作のイメージからするとかわいらしさよりも実直で暗めな感じかな。深津絵里のイメージ?ちょっとかっこいいけれど、有村架純が朝ドラで共演した佐久間由衣でもよかったかもしれない。 あ、松本潤でなければ誰が良かったのか?つるっとした感じでいくと国広富之とか藤木直人とか、若手なら三浦春馬。(現実的でない人ばかりですみません) この作品で一番いいシーンは小野君の実家のシーン。原作での長野がどうして京都にかわっているのかわからないけれど、関西弁があちこちとびかう堀ちえみが小野君のお母さん役で出演。にぎやかで楽しい活き活きとしたシーンだった。 ネタバレになるけれど…… 映画では逆告白で泉が小野君に付き合ってと言っているけれど、原作では小野君が泉に告ってる。(二度目)そのように書き換えるだけで印象はとんでもなく違う。それを臆面もなく映像としてやってしまう時点でこのドラマの本質を見誤っていると思える。 Amazon Prime Video にて 2017年/日本/140分/G 監督:行定勲 原作:島本理生 脚本:堀泉杏 出演:松本潤、有村架純、坂口健太郎、大西礼芳、古館佑太郎、神岡実希、駒木根隆介、金子大地、市川実日子、瀬戸康史お薦め度 「ナラタージュ」★★☆(50%)
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最終更新日
2022.10.21 01:08:22
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