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テーマ:読書(8519)
カテゴリ:読書
Twitter を見ると読書好きでこの本を名刺代わりの10冊の中にあげているひとが散見されて、読んでみたく思った。 昨今のミステリーブームもあり(?)、その一連の作品かと思ったけれど、読後知ったのは30年以上前の作品でこの文庫本も新装版として出されてからずいぶんと年月が経っていた。若手作家の中の一人かと思った綾辻行人はベテランの作家であった。 読み始めて奇異に感じた回生という呼び方もあとがきで解説されているように、時代と地域性を感じた。関西出身の私には懐かしい呼び方ではあった。そして、登場するミステリー同好会の面々がミステリーの登場人物になぞった呼称で呼ばれているのが違和感を持つと同時にミステリー小説に詳しくない私を弱気にさせた。 とはいえ、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」はなんとなく知っていて、次々と人が殺されるんだろうなぁという予測はできた。ただ、誰が何のために殺害するのか。 おどろおどろしい猟奇的殺人が行われた瀬戸内海の孤島に6人の大学生が宿泊し、結果全員が殺されてしまうという展開はその犯人像を浮かべるのは難しく、結果、驚きの一行にて明らかになるのだそうだが、私は読み飛ばしたのか、まったく驚くことはなく、引っかかることもなくさらさらと読んでしまったようだ。それゆえ衝撃も感嘆も覚えず、粛々と終わったように思えた。もとより、この作品を読み始めてからの私の関心はひとえにこの殺人事件の発端となっている女子大生の死である。その死の真相、死因。それによって今回の犯人が皆殺しにしなければならない動機に関心があった。それゆえ、その点がほぼ描かれず、不慮の死だったかもしれないにもかかわらず復讐としての殺人に至る要因、その動機、心持の変化は明示されていない。結局、その点がないがしろにされてしまったので、私にとってはなんともいえないものとなってしまった。
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最終更新日
2022.10.27 19:13:06
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