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カテゴリ:家で見た映画
(C)2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe Production, corazon international GmbH & Co. KG, Warner Bros. Entertainment GmbH 見どころのある骨太な作品だと思い、見てみた。 ところがある一点が気にかかり、それが払拭されずに消化不良、残念に思える作品であった。その一点が欠点であり、また総じてこの物語の行きつく先をみると、その当時引き起こされていたドイツの現状を知らしめるために作られたのならしょうがないけれど、作品としての完成度、印象度、感銘度は当初予想していたものほどではなかった。 主演のダイアン・クルーガーがカンヌ国際映画祭にて主演女優賞を受賞したことは理解できるけれど、ゴールデングローブ賞にて最優秀外国語映画賞を受賞したのは理解に苦しむ。作品として欠落しているように感じるから……。 事件はドイツ・ハンブルグで外国人が多く集まる市街地にて起こった。無差別爆破だ。多くの負傷者をだし、爆破地点に近かった店にて二人が爆死。夫と一人息子を失った主人公・カティヤ(ダイアン・クルーガー)。犯人と思しき女を見たカティヤの証言をもとに捜査が行われ、ネオナチとみられる夫婦が捕まった。夫の父からの通報によるものだった。裁判ではその父の証言、カティヤの証言が続くが、犯人夫婦のアリバイを証言するギリシアのホテルマン。カティヤが麻薬を吸引していたことによる証言の信憑性が問われて…。 私が欠点と見るのは犯人夫婦がアリバイとしたギリシャ旅行の証明がホテルの宿泊台帳に名前が載っているだけだったこと。パスポートに入出国の印もあるだろうし、フライトなら搭乗員名簿にその履歴もあるだろうと思った。それゆえ、その証明をなさず、カティヤ側も裁判官も宿泊台帳以外の証拠を求めなかったことに疑問を感じ、不完全な作品に思えた。そこを描かなかったのは作者である監督の怠慢だといえるし意図的だとすれば”風が吹けば桶屋が儲かる”ような物語を作り上げたということになる。 また結末も主人公の決断には同意しかねた。 Amazon Prime Video にて 2017年/ドイツ/106分/PG12 監督:ファティ・アキン 脚本:ファティ・アキン、ハーク・ボーム 出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、サミア・シャンクラン、ヌーマン・アチャル、ヘニング・ペカー、ウルリッヒ・トゥクール、ラファエル・サンタナ、ハンナ・ヒルスドルフ、ウルリッヒ・ブラントホフ、ハルトムート・ロート、ヤニス・エコノミデス、カリン・ノイハウザー、ウーベ・ローデ、アシム・デミレル、アイセル・イシジャン原題:Aus dem Nichts(「どこかともなく」) お薦め度 「女は二度決断する」★★★☆(70%)
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最終更新日
2022.12.17 10:31:58
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