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テーマ:読書(8503)
カテゴリ:読書
こ、これが「本屋大賞」……。 これが、アガサクリスティー賞。 どちらの賞にも選ばれるべく内容は異質のような気がするけれど…。 第二次世界大戦にてドイツに攻め込まれたソ連を舞台にした狙撃手の戦いについて書かれたものであり、そこにミステリーとか感動といったものはないように思えるのだけれど……。 この作品の長さは読む者にとって少々、骨が折れる所業であるが、主人公セラフィマを通して見えてくるのは戦争の悲惨さ、残虐さ。兵士が人間性を失う必然性というか、「行くも地獄、退くも地獄」となった苦境に陥れば何があっても仕方がないように思える。 また、現世界で行われているロシアによるウクライナ侵攻において殺戮が行われていることを鑑みるに、捕虜や市民に対して人道的な取り扱いができないことを野蛮で不思議に思っていたけれど、生死の際にいて眼前に死しか見えない逃げ道のない境遇であれば何事もあり得る、他人を切り刻むことはあり得るということを認識した。このことを認識させてくれただけでも読むに値する本なのだと思える。 こういった戦争に関する書物で残忍で残虐な内容がのったものが本屋大賞に選ばれたということが驚きである。 評価するには唸ることしかできない私であった。 同志少女よ、敵を撃て [ 逢坂 冬馬 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.25 17:33:46
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