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カテゴリ:映画館で見た映画
(C)2022 FOCUS FEATURES LLC. 狂気と聞いて、狂気の沙汰の天才指揮者を想像したが、狂気にふれることは一切なかった。 主人公であるベルリンのオーケストラの指揮者であるリディア・ター。彼女を演じるのはケイト・ブランシェット。異常と見えるターの行動は感情に押し流されたものであっただけで、狂気でも狂乱でもなかったと私は見る。 ターを演じるケイトは素晴らしく、ターその者に見え、オーケストラの指揮も神がかり的にすごい。 話は分かったけれど何一つ解決していないと見えるのはそれぞれの事象の結果をはっきりと映していないせいからだと思える。訴えられることが起きても訴訟者が映ることはなく、裁判などになることもなかった。自分の欲望のためにまわりを巻き込み次々と切り捨てていく行動は傲慢さの表れだと思える。 ドイツ語と英語が出てくる作品である。使われるドイツ語に対し英語字幕がついている場合には日本語字幕がついているが、ドイツ語のみの場合、日本語字幕はない。ゆえに何をしゃべっているのかは全く分からず。 事象のみならず場所も説明がなされない。現時点の場所がどこであるかなど、セリフには出てこないし、看板や字幕で説明されることもない。情景からニューヨークだタイだと想像するしかない。 非常に高圧的で不遜で自らの嗜好に走る直情型の人間を描いた作品である。 評価すべき作品であるかどうかは悩ましい問題である。 2022年/アメリカ/158分/G 監督:トッド・フィールド 脚本:トッド・フィールド 出演:ケイト・ブランシェット、ノエミ・メルラン、ニーナ・ホス、ゾフィー・カウアー、ジュリアン・グローバー、アラン・コーデュナー、マーク・ストロング、シルヴィア・フローテ、アダム・ゴプニク、ミラ・ボゴイェヴィッチ、ツェトファン・スミス=グナイスト 原題:Tar(「ター」)「TAR ター」★★★☆(70%) 字幕翻訳:石田泰子
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最終更新日
2023.05.20 19:11:15
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