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テーマ:読書(8503)
カテゴリ:読書
小説家・新川帆立のエッセイである。 なぜこのように”詫び状”などと本の題名としては良くないように思える題名にしたのか疑問であったが、読んでみてすぐにわかった。デビュー作「元彼の遺言状」で、いきなりベストセラー作家となり取材や原稿依頼はひっきりなしにきて続いて出した「競争の番人」もヒットして、テレビドラマ化となり、ひっちゃかめっちゃか、日本からアメリカへ逃げ出した(?)作家が、原稿締め切りに追われながらも海外生活を楽しみ(?)、編集者諸氏に迷惑をかけていたから。彼らに対する”詫び状”となったのである。読者でなく身内(?)に対する”詫び状”という始末。 新川帆立の人となり、考え方や興味がよくよくわかる内容におもしろく読んだ。 突如として現れたベストセラー作家の本がいきなり月9のドラマ化ということで、急いで「元彼の遺言状」を読み、ドラマ初回を見てみた。原作を無視したようにさえ思える脚本にあっけにとられ食傷気味だった大泉洋にも抵抗を感じて、2回目以降、見なかった。続く「競争の番人」も小説を読み、喜々としてドラマ初回を見たのだが、小説から想像できる主人公とはかけ離れた杏の主役キャスティングに違和感を感じ、こちらは小説よりの脚本だったにもかかわらず、2回目以降、見なかった。小説がどのようにドラマ化されるかであるが、できうるなら原作通り、もしくは原作を越えるさらなる深化した映像化をお願いしたい。当世の人気に乗じたキャスティングやプロデユーサーなどの悪知恵を働かした改悪したドラマは見たくない。私としては無残なものとなったドラマ化であったが、作者本人・新川帆立は楽しんで見たようだ。この本”詫び状”を読んでわかったことだが、本とドラマは別物という考えで、シナリオをもらっても読まず、製作サイドにおまかせのスタンスである。また、作者本人は本を読んでも映像がうかばないとかいてありキャストも楽しんだようである。私の場合、明確ではないがおぼろげながらも容姿が浮かぶので、それに近くないとげんなりする。小柄な主人公が長身になっていたりするともう気持ちがついていかない…。 バッグが大好きだったり、大食いだったり、とても親しみの持てる人物像が感じられて、楽しんで読めた一冊だった。 帆立の詫び状 てんやわんや編 (幻冬舎文庫) [ 新川 帆立 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.05.24 22:57:06
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