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テーマ:読書(8498)
カテゴリ:読書
恋愛における自らの潔白を証明するために小指を切り落とした芸子がいた。 12歳で実の父親に桶屋に身を売られ、借金まみれの花柳界から抜け出すために結婚するも相手は身勝手な男。明治・大正の時代を花柳界で生き、身勝手な夫についてアメリカへ洋行した。 多くの男に無残に扱われ、捕らわれの身として過ごし、二度も自殺を試みる…。 壮絶な人生を生きた女性がいた。 実在した高岡智照をモデルに38歳(39歳)で仏門に入るまでを小説に書いた。 瀬戸内寂聴も1968年に「女徳 」(新潮文庫) で高岡智照を書いているという。 昭和初期であれば有名な女性であったのだろうけれど、私はその存在を知らなかった。 高岡智照ご本人は長生きをして平成6年まで生きて98歳の生涯に幕を閉じたとのこと。 ご冥福をお祈りする。 めくるめく性愛の世界で理不尽な暴力と虐待を描き、一人の女の強い意志も描いた作品。波乱万丈という言葉では片づけられないほどの身も心もボロボロになる前半生であった。 朱より赤く 高岡智照尼の生涯 [ 窪 美澄 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.06.22 22:28:51
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