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テーマ:読書(8505)
カテゴリ:読書
ようやく辻堂ゆめの本を読む。 選んだのが「トリカゴ」。 内容の想像がつかない題名に危惧しつつも、読み始めてみると、なんかおもしろく読める作品に感じた……。 生まれて間もない娘をフリーゆえ自宅で仕事をする夫に頼り、産休明け仕事に復帰した女性刑事。彼女と組むのは新米刑事。仕事にはまだ慣れておらずといった状態の彼と組んでいる。宿直当番の夜に起こった殺人未遂事件に急行する。肩を刺された若い男性が被害者、と、そこに加害者と見られる交際相手の女子が戻ってきた…。 この傷害事件をきっかけに20年ほど前の”鳥籠事件”との共通点が浮かび上がる。 「トリカゴ」は”鳥籠”-兄妹が鳥と一緒に飼われるように食事も鳥の餌でアパートの一室に閉じ込められていた事件。 被疑者の若い女性は犯行を否認。 確たる証拠がなく釈放。 その彼女が無戸籍者たちと共同生活を送っていた。彼女には兄がいて”鳥籠事件”の兄妹と思われた。 物語は無戸籍者の日本国での扱いと日常を描き、傷害事件の謎を解き、赤ちゃんのおもりを夫任せにしている女性刑事の葛藤が描かれる。 法令や時間軸と物語の組み合わせ、構成が素晴らしく、登場人物たちも個性があって楽しめた。 読みがいのある小説だと思える。 第24回大藪春彦賞受賞作 トリカゴ [ 辻堂 ゆめ ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.30 10:14:03
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