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テーマ:読書(8506)
カテゴリ:読書
「トリカゴ」を読んで、作家・辻堂ゆめに興味を持った。 で、この本を読んだ。 明晰夢という初めて見る言葉に驚きながらも、過去、未来、そして自らが死んだ後の世界を夢で見る。体験するという現象に遭遇する主人公。彼は、父親殺しの罪にて5年間牢獄で暮らし、出所した。 かつての悪友が寄付金を募って、環境が恵まれない学生を支援する会社組織を作っていて、その営業員として雇用される。前科者を受け入れてくれたかつての悪友に感謝し業務に励む。 そんな折、電車の中で、明瞭な夢を見る。 そして、車両で一人の女子高生と出会う。 彼女も夢を見るのだという。 それはどちらも自らが電車事故にて死亡するという夢だった…。 ミステリーというか不可解な夢の存在はあるけれど、男女の恋心、将来の夢、友人関係と人とのかかわりを引きこもりになった男の立場で描いていく。 読んでいて、読み終わって、非の打ちどころのない展開に感心した。 感心したが、それは作者に惑わされていたのであって、時間がたち考えて見ると、突っ込みどころのある話のような気がしてきた。とはいえ、読んでいるときにそんな思いを微塵も感じさせず、気にかかる点については物語の終わりに回収されている。 悲しいけれど、なにかしらのあたたかさを感じるのは作者が ”「読み終わった時に、心に温かいものが残るような作品を書いていきたい」と語っている” からなのかもしれない。 とはいえ、この本には根っからの悪人が登場する。 今、死ぬ夢を見ましたか【電子書籍】[ 辻堂ゆめ ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.23 20:13:00
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