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テーマ:読書(8516)
カテゴリ:読書
僕が探し求めていた畑野智美の著書はたくさんあった。 お気に入りの「海の見える街」を読んで、この著者の他の作品を読んで見たいと思って探したのだが、筆を折ってしまったのかと思うほど、その時には探し出せなかった。こんなにも書いているのに……。 当時、僕がネット検索した時には名前を間違っていたのであろうか何一つ検索できなかった。 「海の見える街」をテレビドラマ化してほしいほど執着して、再読もして…なのに、彼女の著作は探し出せなかった。 ところがである。今回の新作「ヨルノヒカリ」が発刊される時にX(旧Twitter)でいきなり僕のスマホに飛び込んできた。「なぬー!!?」と思って、あたふたし、畑野智美を検索すると出るわ出るわ、いくつもの著書が。驚いてしまった。 で、過去作を三冊ほど図書館から借りだした。 ところが折悪しく、予約本が次々と回ってきて、読める状態じゃなくなった。 いたしかたなく、読まないまま返却となったが、この「夏のバスプール」だけはなんとか読んだ。 かなり陰に感ずる内容を描いているが、彼らたちの常軌を逸したとも思える思いを行動を巧みに描いていると思えた。 ”バスプール”って何?と思いながら、読むと予想した通りバスターミナルのことだとわかる。東北・仙台ではバスプールと呼ぶらしい。 中高一貫の進学校で大学まで併せ持つ高校に内部生と同じ数の外部生が入学するらしい。 で、内部生と外部生、それぞれでグループが出来上がり、みたいな…。 そこに、見たことのない少女が転入していた。彼女は主人公の彼と同じ背丈、やや高い。顔はそっくり。って、どうなの?全校男子注目の彼女であったらしい。その彼女がトマト畑で盗み食いをしていて、見つけたらかじりかけのトマトを投げつけられた…。 紆余曲折、すったもんだと奇妙奇天烈な高校生生活を描きながら、それぞれの思いを異常な形になりつつも強烈に、しかし、率直に真摯に描いている。 高校生物語にワクワクドキドキするころは過ぎ去ってしまったのだろう。 感じることはできても激情することはなかった…。 高校生諸君なら、激情するだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.20 00:13:05
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