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カテゴリ:読書
「八月の銀の雪」伊与原新:著 新潮社 「オオルリ流星群」を読んで興味を持ったので、この作品も読んで見た。 2021年本屋大賞6位の作品である。直木賞候補作でもある。 物理は好きなので、理系の話も嫌いじゃない。 この本は5つの短編からなる。 表題作「八月の銀の雪」では就活に苦戦する理系男子の物語。 近所のコンビニで働く留学生女子グエンさんは使えないコンビニ店員だった。 その彼女が優秀な留学生であると知り、地球の中心にある内核にも雪が降る、という説を聞くに及んで人は見かけによらないと知る。 「海へ還る日」は子育てに翻弄されるシングルマザーが電車で出会った女性から<海の哺乳類展>のチラシを渡されて、その博物館に出かける。クジラとの出会いが、子どもの成長を信じるきっかけとなる。 「アルノーと檸檬」身寄りのない伝書鳩の物語。 「玻璃を拾う」著作権侵害を訴えられて、他人と接点のない人と出会う。そして知りえた未知のミクロの世界。 「十万年の西」気象学と凧と戦争と平和の話。原発はない方がいい。 多種多様な5編は科学に関連するものなのかもしれないけれど、意外と人間的な話であった。いずれも含蓄ある読み物と思えた。
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最終更新日
2023.09.28 19:08:50
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