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テーマ:読書(8518)
カテゴリ:読書
「はじめての」というお題(?)で4人の作家が紡いだ短編。 これをYOASOBIが楽曲にするという企画。 島本理生(楽曲「ミスター」原作小説「私だけの所有者」著者) 辻村深月(「ユーレイ」著者) 宮部みゆき(「色違いのトランプ」著者) 森絵都(楽曲「好きだ」原作小説「ヒカリノタネ」著者) といった4人の直木賞作家の小説を読んだ。 「私だけの所有者」は、島本理生がSFを書くと思っていなかったので意外性があり、興味深く読んだ。読み終えた時、この作品にも島本の表現したい愛が描かれていて、感じ入った。「ユーレイ」は、少女が主人公である。現代の女性が抱える苦悶を受け止めて、一晩なんとか乗り越えたことによって見えてくる世界を提示してくれている。 「色違いのトランプ」は、未来世界SFのパラレルワールドで運命と不条理を描いているように思う。 「ヒカリノタネ」は幼なじみへの過去の告白を取り消したいとタイムトラベルする女子高生の話。過去の告白だけを取り消していくと、取り消さない方が良かったのではという思いが去来する。そして今、幼なじみとの関係の再確認。 怪奇現象を含めSFというかありえない話が描かれている。 「はじめての」とは未知の体験ということであれば、このどれもがそうなのであろう。 お気に入りの島本理生がSF小説を書いたということに驚き感嘆したので、あとに続く三者の作品のびっくり度は大きくなかった。 とはいえ夫婦・親子・友達との愛情を表現した作品であった。
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最終更新日
2023.11.15 18:28:07
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