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テーマ:読書(8508)
カテゴリ:読書
人の真意というものはなかなかわからない。 それゆえミステリーというものが存在するのかもしれない。 ミステリー作家であるという近藤史恵によって書かれた自転車ロードレースの物語。 日本ではあまりなじみがなく、本場ヨーロッパでのツール・ド・フランスが知られているくらいだろう。この本を読むまで自転車ロードレースという競技は個人競技と思っていた。ところがこれは団体競技というかチームプレイとしての結果、エースとなるただ一人を残りの5人でサポートする競技であることを知った。何日も何日も個別のコースを走り、その都度都度の優勝者を表彰していきながらレース全体の総合優勝を争う。ロードバイク(自転車)で走る速さは山を下るときには時速70キロほどのスピードとなるそうである。事故ればひとたまりもない。 「サクリファイス」という題名と読み進めた自転車ロードレースの競技の内容から、エースのためにサポートするチームメイトがサクリファイスだと想像した。ところが”サクリファイス”と称された章を読んだ時、想像もつかなかっわかっとともに”サクリファイス”の理由がわかった時、震撼するように驚いた。 ものすごい小説である。第10回大藪春彦賞受賞作、第5回本屋大賞では第2位に選ばれたのもむべなるかな。 サクリファイス (新潮文庫) [ 近藤 史恵 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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