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テーマ:読書(8614)
カテゴリ:読書
(Amazonより) ”累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生! その医師は、最期に希望の灯りをともす。 【あらすじ】 雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。” Amazon.co.jp: スピノザの診察室 : 夏川 草介: 本 とある。 この本を読んでいて先に読んだ「水車小屋のネネ」と同じく、その空間、その時を共に過ごしたいと思い続けた。温かみを感じるいい塩梅の作品である。 作者・夏川草介は「神様のカルテ」を書いた時にこの版元である水鈴社から”医療物で”というただ一点のしばりのある依頼を受けた。その後、多忙を極めた筆者が依頼された作品を完成したのは14年後であったとのこと。それが本作「スピノサの診察室」である。 大学病院の医師から妹の死により学童である甥っ子を引き受けることになった敏腕医師・雄町哲郎は町医者として診療所の医師に転身した。在宅患者への訪問医療、末期患者の見取りなど、終末医療に携わることによって死生観、医師としての概念もかわっていったようである。地域医療の意義、必要性、存在感を患者との関係が密になることで近づきすぎない離れない距離を保つ。そのことを読み感じる登場人物たちの思いに恐れ入った。感服である。 とてもとても素敵な本。 おすすめである。 スピノザの診察室 [ 夏川 草介 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.06 22:58:09
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