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テーマ:読書(8609)
カテゴリ:読書
「笑うマトリョーシュカ」は文庫が出ているんだね。 単行本で読んだ。 男子高校生時代の優秀私立における独特な校風が生徒に与える尊厳がユニークで興味が深まり、友達を必要としない主人公たちの独立性もまた興味深かった。舞台が愛媛という地方であったことも良かったと思う。知らない世界の知らない生活は読者に興味を抱かせる。 政治家、代議士を目指す男が傀儡であるという、そして、ロシア人形が象徴的なものとしてマトリョーシカが飾られているのも意味深であった。 操り操られ、支配していたと思われる者が実は踊らされていただけ、となる展開は驚くとともにならば誰が、という考えに発展し興味が尽きない。 第一部から第三部までは小説雑誌に掲載されていたから一貫性があったけれど、第四部の書下ろしでは趣向が変わったように思えた。それはすなわち傀儡と思われていた代議士が実は……という展開にうすうす気づいていて誰が捜査者なのかと思いめぐらせていた。その結果が第四部なのだが、その第四部はしっくりこない締めであった。 私は結末に期待していたのだろう。 笑うマトリョーシカ (文春文庫) [ 早見 和真 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.07 19:11:20
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