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テーマ:読書(8496)
カテゴリ:読書
負のオーラにまとわれている。 そう感じた作品だ。 前向きに希望を持って生きていく、そんな物語がいい私にとって、明日をも知れぬ、今が生きづらい人たちの小説を好んで読むことはできない。 「くもをさがす」を読んで、病に侵された自信をじっと見つめてありのままに書き記す。と思えた。何かを感じて西加奈子の作品を読んでみようと思った。 手に取った「夜が明ける」はマスコミというか末端のテレビ制作会社で働く男が主人公の物語である。高校生の時代から大学を卒業して寝食せずに終日動き回らなければならない裏方の仕事を通して、学生時代に出会った言葉を発しない191cmの巨漢の同級生の生涯を書き記す。彼は同級生にフィンランドの映画、そして主演の俳優を知らせた。巨漢の同級生はフィンランド俳優との同一化を目指した。 散文的な思いは記さず、事象を積み上げていく視線は辛辣であるようだ。 読み終えて、暗澹たる思いがざらりと残る。
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最終更新日
2024.08.24 22:46:36
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